【防犯】川崎市殺傷事件にみる、スクールバスの必要性と危険性

今朝、とても痛ましいニュースが飛び込んできました。
多くの人が行き交う川崎市の登戸駅付近で、殺傷事件が起きたのです。時間帯はちょうど、通勤・通学の時間帯であり、狙われたのはスクールバスに乗車中の小学生の児童たちでした。本来なら、安全が保証されていると思われる環境下で起きた、今回の事件。事件の概要と、スクールバスならではの盲点や注意点をみていきましょう。

川崎殺傷事件概要

5月28日(火曜)午前7時45分頃、路上で小学生が刺されたと119番通報が入った。
スクールバスの運転手によると、犯人の男は、停まっているスクールバスに向かって両手で刃物を持ち近づいてきた。
また、目撃者である保護者の証言によると、犯人の男はスクールバスに乗り込んで児童を次々と刺し、負傷は19名に登った。
その後、犯人の男はバス停付近で、自らの首付近を刺し、身柄を確保された。
亡くなられた女児は小学生6年生で、死亡した犯人の男は川崎市麻生区に住む50代とみられる。また、同じく心肺停止となっていた39歳の男性も、亡くなられた。現場は、神奈川県川崎市にある、登戸駅付近。

7:45頃 路上でで小学生が刺されたと119番通報が入る。

8:00頃 多数の緊急車両が続々と現場に到着。

8:45頃 男の身柄を確保。男は自らの首を切り付け、心肺停止状態。

9:30頃 神奈川県警の発表によると、負傷者は19名。うち、小学生女児1名と30代男性が心肺停止。

11:00頃 心肺停止状態の女児と、身柄を確保された男の死亡を確認。

12:17頃 心肺停止となっていた30代男性の死亡を確認。

児童が被害に遭いやすい時間帯=登下校時

今回の事件に限らず、小学生が被害に遭いやすいのは登下校の時間帯です。
小学生は中学生や高校生と比べて部活がない分、登下校の時間帯が規則的になります。そのため、犯罪者にとっては狙いを絞りやすいのです。
また、今回は朝の事件でしたが、一般的に下校時に何らかの被害に遭うことが多いです。特に小学一年生は、他の学年に比べて下校時間が早いため、付きまといや誘拐のリスクが高いです。

スクールバスについて

今回はスクールバスに男が乗り込んできて襲われたということですが、本来スクールバスは児童が被害に遭いやすい登下校を安全にするために非常に有効な手段です。日本では導入されている学校は限定的ですが、アメリカをはじめとする欧米諸国では法律や条例などでスクールバスの運行を促進し、防犯や環境の観点から重要視されています。また、スクールバスを使用しない場合でも、毎日親が学校まで送迎するケースが多くなっています。

スクールバスの問題点

スクールバス自体は防犯上非常に効果のあるものですが、その特性上、犯罪者に狙われやすいリスクもあります。

乗降場所や発着時間が決まっている

スクールバスは乗降場所が決まっていることがほとんどです。今回の事件でも、「朝、公園の前にスクールバスが来ることは地元の人間なら誰でも知っていると思う」という趣旨のコメントが報道されていました。
犯罪者からすれば、「朝、公園の前に必ず児童が集まる時間帯がある」という見方ができます。今回の事件でも、犯人は両手に刺身包丁を持って犯行に及んでおり、スクールバスに乗る児童を狙うという犯行の計画性が伺えます。

バスが来るまで外で待っている

バスが定刻通りに到着する以上、バスの到着を外で待っている時間があります。基本的には地域住民のボランティアや保護者が一緒に待っていることが多いですが、中には児童だけでバスを待っている場合もあります。
特に今回は公園の前のバス停ということもあり、大人が公園にいること自体はあまり怪しくは見えません。犯罪者が怪しまれずに周囲の様子を伺いやすいという点で、公園付近でスクールバスを待つことや、そもそも公園前にスクールバスの乗降場所を設けるのは危険があると言えます。

これから特に私たちが警戒・対策すべきこと

今回のような事件が発生したことで、学校関係者ならびに小さいお子様を持つ保護者のみなさまが特に警戒すべきことがいくつかあります。

模倣犯の出現

今回の事件では、児童ら複数人を刺した後、自分も首付近を切りつけて自殺を図っています。(犯人は病院に搬送後、死亡)
犯人の犯行の動機は分かりませんが、少なくとも様々な事情があって自暴自棄になっている人は世の中に一定数います
今回の事件を機に、自分もそういった事件を起こしてやろうと考えてしまう人がいないとは限りません。また、「スクールバスに乗るためにバス停で待っている児童」は全国にたくさんいます。犯行自体は滅多にないものですが、今回狙われてしまったシーンは珍しいものではありません。こういった事件に対しても何らかの対策を講じる必要があります。

スクールバスの運行方法・の見直し

では、具体的な対策としてできることは何でしょうか?
まず挙げられるのは、発着点や時間の変更です。計画的な犯行であれば、バスの発着点が日によって違うだけでも非常に効果があります。保護者の連絡網など、限定されたコミュニティ内でのみ共有されるスクールバス運行表などを準備し、規則性が他の人に分からないようにしましょう。
また、今後数カ月は保護者や地域ボランティアで協力して、常に子ども達のそばに大人がいる状態にしましょう。今回の通り魔的な事件では対策のしようがない部分もありますが、児童を狙った計画的な犯行は大人が近くにいない時に発生しやすいのも事実です。犯罪者に犯行のスキを与えないためにも、地域が一体となって子どもを守るようにしましょう。

まとめ

今回の登戸で発生した事件は通り魔的な要素が強く、どうしても対策できない部分があるのは事実です。
しかしながら、計画性のある犯行が可能な状態だったという点では、今後同様の事件が起きないようにできる対策があります。
犯罪者にスキを与えないために、そしてこれ以上このような悲しい思いをしないためにも、可能な限りの防犯対策をするようにしましょう。

また、今回の事件を通してスクールバスにも一定のリスクがあることが分かりましたが、実際は児童が徒歩で登下校している時間帯に被害に遭っているケースの方が圧倒的に多いです。
無闇に「スクールバスを利用しない」という選択をすることは避け、学校と保護者の間で十分に話し合って児童の安全を確保するようにしていただければと思います。

関連記事

  1. 【必読】「レイプ・カルチャー」という言葉、知っていますか? 性犯罪の被害者を苦しめないために。

  2. 【今日の事件簿】カッターナイフで何か所も…動機は逆恨み?川崎市中1男子生徒殺害事件

  3. 【今日の事件簿】男児にソフトボールを教えていた男がまさか…泰州くん誘拐殺人事件

  4. 7/18 全国的に露出狂に要注意!!

  5. 【何の指導?】膝の上に座らせたのに“セクハラではない”と主張する教師

  6. 【母は強し】被害に遭遇した娘のため、記憶を頼りに執念の捜査を行った母親

  7. 【もはや妖怪?】抱っこ紐バックル外しのイタズラが横行!? 対策方法は?

  8. はじまりました新年度!今日からできる簡単な防犯方法!

  9. 【卑劣な犯行に遭わないために】夏休み中に再確認したい子どもの防犯とは

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Moly.jp公式メルマガ

↓ Moly.jp公式メルマガです ↓

【防犯ジャーナリスト河合成樹】が最新の人気記事の独自紹介や裏話、お得な防犯グッズのご紹介や緊急防犯対策などを配信します。ぜひ、読者登録をお願いします

※メルマガにご登録していただいた情報は非公開の上、厳重に管理します。詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

人気記事

  1. 実は不審者は目立たない? その特徴とは
PAGE TOP