【6月8日の事件】附属池田小事件から18年。学校への侵入阻止と子どもを守る方法とは

6月8日は附属池田小事件が起きた日です。この事件は安全だと思われてきた小学校内に男が侵入し、児童8名を殺害するという多くの人に恐怖を与えた事件です。今回はこの事件を紹介するとともに、学校での侵入犯罪とその防犯対策について紹介します。

附属池田小事件の概要

この事件は2001(平成13)6月8日、大阪教育大学附属池田小学校で起こりました。午前10時20分頃に凶器を持った男が侵入します。そして次々と同校の児童を襲撃して児童8名が殺害され児童13名、教諭2名が負傷しました。男は校長や別の教諭にその場で取り押さえられ、駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されました。

午前10時15分、学校では2時間目の授業が終わろうといました。1~2年生の6クラスが並ぶ3階建ての校舎の1階、男は通用門に車を停め校庭を横切り校舎東端の2年生の教室に包丁を持って乱入します。担任の男性教諭が「外に逃げろ!」と大声を出し、児童たちは悲鳴をあげて走り出しました。男は無言で転んだ児童を襲います。教諭が椅子を投げつけ、男は校庭側のテラスに行きます。ここでは4人が重軽傷を負いました。

男は次に隣のクラスに行きます。ここでは児童が次々と刺され8人が死傷、5人の児童が犠牲になりました。さらに男はその隣のクラスに行きます。ここでも児童を襲い最後に男は無人だった2教室を飛ばし西端の1年生のクラスへ行き、ここで男性教諭と校長に取り押さえられました。男はこの際に「しんどい、しんどい」と2回つぶやいたそうです。

裁判と犯人のその後

2001(平成13)年12月に大阪地方裁判所で初公判がおこなわれました。ここで男は「命を以て償います」と反省の言葉を発しましたが、これ以降の裁判では暴言や遺族を傷つける言葉を吐き続け何度も退廷を命じられています。そして2003(平成15)年8月、大阪地方裁判所は男に対して死刑判決を言い渡します。しかし男はこの場に居ませんでした。男はこの判決公判でも開廷時に騒ぎ退廷を命じられていたのです。

死刑判決を受けた男は弁護人が控訴をしたにもかかわらず自ら控訴を取り下げ、死刑判決を確定させました。男は死刑の早期執行を望み主任弁護人に送った文書で、刑事訴訟法第475条第2項で規定された「死刑確定後の6カ月以内の死刑執行」を訴えます。死刑が6カ月以内に施行されないと精神的苦痛を理由とする国家賠償請求訴訟と法務大臣に対する特別公務員暴行陵虐致傷罪での刑事告訴を起こす準備もしていて、一刻も早い処刑を望んでいたそうです。

そして死刑確定から約1年後の2004(平成14)年9月に大阪拘置所で死刑が執行され、結果的に男が望んだ通りの早期執行となりました。

学校での侵入犯罪と子どもたちを守る対策

この事件をきっかけに小学校や幼稚園、保育所などの安全対策が強化されました。「警察官立ち寄り所」の看板やシールが貼られたり、部外者の立ち入りを厳しく規制したり警備体制が強化されたのです。これまでの「地域に開かれた学校」から安全対策重視の「閉ざされた学校」に方向転換するきっかけともなりました。この他学校での侵入犯罪と子どもたちを守るためには次のような対策が必要です。

学校で事前・事後の危機管理体制を作り全職員が当事者意識を持って取り組む。
・安全マニュアルを作るだけでなく実際に訓練をおこなう。
・緊急時の校内連絡方法の徹底と訓練をおこなう。
・異常事態発生時の避難経路の確認と避難訓練をおこなう。
・来校者への目を合わせた声かけを徹底する。
・職員による校内の定期的な巡回を行う。
・できる限り正門以外の門扉は施錠しておくようにする。
・児童生徒の登下校時には正門前に教師が立ち児童生徒を笑顔で迎える。
・休み時間には教員も校庭に出て子どもの様子を把握するようにする。
・校舎内や周囲からの見通しを良くし、敷地内において死角となる場所をなくす。
・職員室、事務室、校長室などから校庭や校門の見通しを良くする。
・低学年の教室は職員室の近くに設けるようにする。
・植木を剪定し道路などから見通しを良くする。
・来校時の入退出管理を強化する。IDカードを作成し首から下げるようにしたり紐の色などで保護者・来校者・職員の区別をしたりする。
・地域ボランティアによる学校周辺のパトロールを強化し、通学路や通門の見守りも強化する。
・子どもには防犯ブザーを持たせ、すぐに鳴らせるように教えておく。
・できる限り子どもには1人で登下校をさせない。

まとめ

今回紹介した事件によって、これまで安全であった学校も危険な場所になるということがわかり多くの人に恐怖と不安を与えました。大切なのはいついかなる時も犯罪に巻き込まれる可能性があるということを自覚し子どもにも教えることです。過敏になる必要はありませんが防犯意識を持つだけで犯罪に巻き込まれる可能性を低くすることができます。これに加えてできる限りの対策もして、安心安全な生活を送っていきましょう。

Moly.jp編集部

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