【6月9日の事件】のぞみ265号殺人事件から1年。密室である新幹線での防犯とは

6月9日はのぞみ265号殺人事件が起きた日です。新幹線という皆がリラックスしている場所で起きた無差別殺人事件とのことで、世間に大きな衝撃を与えました。今回はこの事件を紹介するとともに、新幹線や電車での防犯対策について紹介します。

のぞみ265号殺人事件の詳細

この事件は2018年6月9日午後9時25分頃、新横浜から小田原駅間を走る東海道新幹線のぞみ265号の中で起きました。この12号車に乗車していた当時22歳の男が突然刃物を振り回し、他の乗客3人を刺して死傷させたのです。「人が刺された」との110番通報後に新幹線は小田原駅で緊急停車し犯人の男はその場で現行犯逮捕され、刺された乗客3人は病院に搬送されましたが、うち男性1人が死亡しました。

犯人の男は幼少期から家庭環境に問題があったようで、両親は食事を与えないこともあり育児放棄の傾向もみられたそうです。その後中学2年生の頃には不登校となったり両親との折り合いが悪くなったりして生活困窮者の支援施設で約5年間暮らしました。その施設から定時制の高校に通い卒業後は1年間職業訓練も受け就職をしますが、人間関係がうまくいかずに退職。その後は親戚の家で引きこもり状態でした。

その後精神病院に入院したり再度就職したりしますが、長続きせず旅に出ると言って家を出たのが最後だったそうです。そして犯人の男は2018年6月9日、事件を起こす新幹線にいました。目撃者の話によると2列シートの通路側に座っていた男がいきなり隣の女性に向けて無言で凶器を振り下ろしたそうです。次に通路の向かい側の3列シート側の女性を襲います。その時男性が止めに入ったのです。1度は男性が犯人の男を羽交い絞めにしますが、暴れて倒れ込んでしまい犯人の男に馬乗りなられて何度も刺されてしまいました。

その後男は男性に馬乗りになった状態で車掌に説得をされますが受け入れず、小田原駅で警察に現行犯逮捕されました。刺された男性は約60カ所刺されて死亡し、女性2人も負傷しました。犯人の男は「むしゃくしゃしていた」「誰でも良かった」「自分で考えて生きるのが面倒くさかった」「他人が決めたルール内で生きる方が楽だと思い、無期懲役を狙った」などと話し、しかも新幹線での犯行理由についても「特にない」と語ったそうです。

裁判と被害者の勇敢な姿

横浜地検小田原支部は犯人の男を刑事責任能力の有無や程度を判断するために、7月から4カ月間鑑定留置を実施。精神鑑定結果を踏まえ刑事責任を問えると判断し、11月に殺人罪などで起訴しました。現在公判待ちとなっています。この事件で犠牲になった被害者の男性は自らの命を犠牲にして2人の女性を救いました。男性の友人は「普段は大人しくて穏やかですが困っている人を見ると積極的に手を差し伸べる人でした。今回の彼の行動も考えるより先に体が反応したのかもしれません」と語りました。

外資系の会社に勤める彼はこの日横浜での2日間の社内研修を終えて、妻の待つ兵庫県の自宅へ帰る途中でした。そしてたまたま乗り合わせた新幹線の中で事件に遭遇し2人の女性が襲われる中、助けに入って犠牲になってしまったのです。普通なら逃げてもおかしくない状況ですが、彼の強い正義感がそうさせたのでしょう。彼の勇気ある行動に事件後たくさんの人が賞賛を送りました。

新幹線や電車での犯罪とその対策

今回の事件は無差別的な殺人事件でしたが、この他にも新幹線や電車ではスリや置き引きなどの窃盗。そして女性をターゲットにした痴漢や強制わいせつ罪などの犯罪が起きています。これらも含めて新幹線や電車で犯罪に巻き込まれないためには次のような対策が必要です。

新幹線に乗ったらまず回りにどんな乗客が乗っているのか確認する。
・新幹線内で避難できる場所(トイレなど)がどこにあるか確認しておく。
・緊急時のために非常ボタンがどこにあるのか把握しておく。
新幹線の座席のクッションは簡単に外れて盾にできることを知っておく。
・新幹線の席に着いたらボールペンなどのちょっとした武器になる物を、身近に置いておく。
・何か起きた時にすぐに行動できるように心の準備をしておく。
・貴重品は肌身離さない。トイレに行くときや寝る時にも注意する。
・新幹線に乗る時は肌が露出した服装は避ける。
・防犯アプリや防犯ブザーなどを持ち、すぐに鳴らせるようにしておく。
・電車に乗る時は混んでいる時間帯や乗車場所はできるだけ避けるようにする。
・女性専用車両がある場合はできる限り利用する。

まとめ

新幹線などでは普通に考えて犯罪が起きるとは思わないですよね。そのような場所で犯罪に巻き込まれないようにするためには、日ごろから何が起こるかわからないという防犯意識が大切になります。いつどこで何が起こるかわからないという意識を持ち、出来る限りの防犯対策をして安心で安全な生活を送っていきましょう。

【お詫びと訂正】

本記事内で発達障害の方々に対しての偏見を招きかねない表現があることを読者から指摘され、当該部分を削除、一部修正いたしました。

発達障害の疑いがあったことと加害者の動機が直接結びつくことはなく、犯人の生い立ちを語る上で強調されるべきものでもありません。

今後はこういった誤解を招きかねない表現で記事を発信することのないよう、記事の校閲を徹底してまいります。

ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

2019年6月9日 Moly.jp編集部一同

関連記事

  1. 朝日新聞編集幹部の人が知人女性に不適切な言動

  2. 串カツ田中で起きた盗撮問題、「監視カメラ作動中」がカギ?

  3. 特殊詐欺に引っかからないための「やらなくちゃ!防サギ」CMはもうチェック済みですか?

  4. 7/19 東北地方は露出狂に、中部は卑猥な声かけに注意

  5. 【7月5日の事件】殺人容疑で異例の釈放?小樽で起きた未解決殺人事件の謎

  6. セックスの同意は必要?関西の大学生らが、性的同意のチェックリストを作成

  7. 警視庁も警告!喜びも束の間「オリンピック当選通知メール」に潜む特殊詐欺のワナとは!?

  8. 海外旅行! ショルダーバッグにどのような防犯意識が必要? こんな些細な心構えがリスクを最小限に留めて…

  9. Moly初の防犯セミナー開催決定!参加者大募集!!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Moly.jp公式メルマガ

↓ Moly.jp公式メルマガです ↓

【防犯ジャーナリスト河合成樹】が最新の人気記事の独自紹介や裏話、お得な防犯グッズのご紹介や緊急防犯対策などを配信します。ぜひ、読者登録をお願いします

※メルマガにご登録していただいた情報は非公開の上、厳重に管理します。詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

人気記事

  1. 実は不審者は目立たない? その特徴とは
PAGE TOP