【告白】霊感商法で捕まった元詐欺師が語る、犯行動機と被害者像

霊感商法詐欺で服役していた元加害者Nさん(仮名)へのインタビューです。このインタビューでは詐欺の実態を知ることで、詐欺の被害に遭わないようにすることを目的としています。

第1回は、Nさんの犯行内容や詐欺グループの関係性についてお話ししてもらいましたが、第2回具体的な犯行の動機や被害者についてお話ししていただきました。

Q3犯行開始した年齢とおおまかな経歴を教えてください

編集者:2009年の時は、おいくつでしたか?

Nさん:26歳でした。

Q4犯行の動機はどういったものだったのでしょうか

編集者:では、その詐欺を始めよう、加担しようとしたきっかけはなんですか?

Nさん:端的に言うと「お金・生活のため」です。当時2008年の末まで、普通の会社員として働いていたのですが、色々ありましてその会社を辞めざるを得ない状況になってしまいました。結婚もしていて、妻も働いていたんですが、僕も働かないと生活が成り立たないので、何かしらか働かないといけないと思っていました。
当時は色んなところを受けたのですが落ちてしまい、バイトをしながら良い仕事がないかをずっと探している状況でした。そんな時に、ちょっと持っていた出会い系のリストを使って架空請求をしたのが最初です。それが、2009年の4月か5月の話です。

編集者:それは、誰かから誘われて詐欺を始めたわけではなくて、自分から始めたということですか?

Nさん:そうですね、色々調べたり詳しい人間に聞いてやっていました。僕をもっと詐欺に踏み込ませた人物がいるのですが、その人物から大まかに(架空請求)詐欺の手口を聞いていて、ちょっと自分でもできそうだなと思い軽い気持ちで始めました。

編集者:自分で始めたということは、当時の取り分は全部に入って来ていたんですか?

Nさん:そうですね、バイトの身としては、いいお金でしたね。そのときは、「私書箱を借りて、そこにお金を送らせればいいんだよ」といった情報を事前に聞いていたので、同じようにしていました。
当時は、偽名の携帯が簡単に作れていたので、ガラケーでファックスができる機械を用意して、偽名の免許証などをコピーしたものをそのままファックスして私書箱に送るんです。そうすると、足がつかないんですよ。そうして、架空請求したお金を私書箱に送ってもらって、マスクと眼鏡と手袋をして、私書箱にお金を取りに行ってました。

編集者:THE不審者という格好で受け取りに行ってたんですね。では、その詐欺を続けようと思ったのは何故ですか?

Nさん:架空請求に関しては、リストがもうネタ切れになってしまったので、それでもう止めたんですよ。

編集者:リストには何人ぐらいいたんですか?

Nさん:300〜400人ほどいましたかね。そのうち、払ってくれたのが10人いるかいないかくらいです。ただ、1人だけ関係が長く続いた人がいて、女性の方だったのですが、月に多い時で150万円とか払ってくれてましたね。

編集者:関係が続くとはどういうことですか?他の詐欺にも引っかかってしまったということですか?

Nさん:その女性が勘違いをしてくれたのです。その方には出会い系サイトを利用していた時にサイトを通じて知り合ったホストの人がいたんです。たぶんそのホストの人も嘘だと思うのですが、僕からの電話をそのホストだと勘違いをしたみたいで、僕もそのままホストのフリをして便乗してやり取りしていました。
初めは「売り上げが足りないからこのぐらい欲しい」と言ったりしていました。それからエスカレートして「今度大きなプロジェクトをやることになってそのお金が必要だ。いくらいくら足りない」等と言って、お金をだまし取っていました。
その方とは3~4ヶ月ほど関係が続きました。その方以外(の出会い系サイトの架空請求の人)に関しては、1回サイト名を名乗り「未払いのお金があるので、いくらいくらです」と言って払ってもらいました。
1度払ってくれた人にはそこからさらに追い打ちをかけるように、今度は違うサイト名を名乗って「うちもですよ、払ってください」と言って騙していました。また払う人と、もう払わない人といましたね。

編集者:一回払った人は、2回目も払いやすいですか?

Nさん:いや、それは半分ぐらいですね。それでも多いほうです。

編集者:では300人中の10人は多いんですか?

Nさん:多いです。3%は多いほうです。詐欺の業種にもよりますが、架空請求に関しては、多いです。普通だと1%と聞いたことがあるので、100人に1人ですね。あとは、使うリストによっても変ってきます。引っかかり易いリストや、引っかかり難いリストというものがあるので。

編集者:そうすると、出会い系のリストは引っかかり易いということですか?

Nさん:たまたま僕の持っていたリストがよかったのかもしれないですが、引っかかり易いかもしれません。

編集者:何ヶ月も関係の続いた女性とは、何がキッカケで終わったんですか?

Nさん:さすがに、毎月100万も払ってると女性の方も、おかしいなと思ってきますよね。

編集者:会いたいとかは言われなかったのですか?

Nさん:もちろんありましたよ。その時は、適当に景色の写真などを送って、繋いで繋いでといった感じでした。

編集者:そのあとは、その女性が連絡を絶ったんですか?

Nさん:それは僕からです。その女性と連絡を取っている途中から投資詐欺が始まっていてその女性の扱いをどうするか考えていました。割とすぐ、女性のほうがもう絶対これはおかしいってなって、僕もこれはもう無理だなと思いましたし、バレるのが怖かったので、潮時だと思ってやめました。

編集者:では、その架空請求から投資系の詐欺に入るまでなんですが、投資系の詐欺は誰かに誘われたのですか?

Nさん:そうです、誘われました。

編集者:誰かに言ってたんですか?自分が架空請求をやっているということを。

Nさん:いや、それは誰にも言っていなかったです。教えてくれた人にも、言わなかったです。言ってしまうと、「オレにもやらせてよ」となるので言わなかったですね。

編集者:そうしたら、どうやって誘いを受けたんですか?

Nさん:架空請求をやりながらバイトをしていたのですが、知り合いにいい仕事があったら教えてねとは、伝えていたんです。それはもちろん裏の仕事ではなくて、普通の仕事なのですが、結構色んな人にお願いしてたんです。
そしたら、前の会社で一番仲が良かった同僚に「いい話があるから、話を聞いてみない?」と言われて、投資の方の詐欺を紹介されました。

編集者:その仲の良かった同僚さんと、架空請求を教えてくれた人は同一人物ですか?

Nさん:そうです、同一人物です。彼は一緒の会社で働いている以前に、そう言った裏の仕事をしていたみたいで、仲良くなってから過去にそういった仕事をしたことがあると聞きました。

編集者:その人はその当時は、その詐欺などはもう辞めていたのですか?

Nさん:そうですね、当時はもう辞めていました。

編集者:ではその仲良くなった時に、過去の話を聞き、自分でもやってみようと思って、架空請求を実際にやってみていたところ、新しい仕事として、投資系の詐欺の話を紹介されたということですね。

Nさん:その通りです。

まとめ

詐欺を始めたのはやはり金銭的な理由があったということですが、お話を聞いていると、誰しもがNさんと同様の状況に置かれる可能性はあると感じました。そこで詐欺を選んでしまったのはNさんの弱さですし、許されることではありません。しかし、意外と身近にそういった話があることを十分に理解しておき、軽い気持ちで犯罪行為に加担しないという意志は必要だと思いました。

また、詐欺の被害者についてもお話ししていただきました。お話を聞いていて、普段の生活で既に金銭感覚が鈍くなっている人が引っかかってしまうのかなと感じました。

周囲に1人でも「それ、絶対おかしいよ」と言ってくれる人がいれば、被害を防げたかもしれません。

第3回では、犯行時の心情や、罪悪感についてお話ししていただきました。

第1回はこちらから。ぜひ、お読みください。

Moly.jp編集部

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