【7月17日の事件】火炎瓶を投げつける。。上皇陛下の沖縄初訪問を襲った「ひめゆりの塔事件」とは

44年前のこの日、ひめゆりの塔事件が起きました。上皇陛下が皇太子のとき、戦後初めて沖縄に訪問した際に起きた事件です。今回はこの事件を紹介するとともに、不意に襲われないための対策についても紹介します。

ひめゆりの塔事件の概要と背景

ひめゆりの塔事件は1975年7月17日、当時の皇太子と皇太子妃が皇室として第二次世界大戦後初の沖縄訪問の際に、白銀病院やひめゆりの豪に潜伏していた男たちから火炎瓶やガラス瓶、スパナなどを投げつけられた事件です。沖縄復帰後に開催された沖縄国際海洋博覧会に際し、当時の皇太子明仁親王と皇太子美智子妃が沖縄を訪問し献花のために糸満市にあるひめゆりの塔を訪れることが伝えられました。

沖縄人自身による沖縄解放を掲げていた沖縄解放同盟準備会は、「流血も辞さない戦いで皇太子上陸を阻止する」と宣言しました。沖縄の人々は日本における第二次世界大戦の最大の被害者だと言えます。家族を無残に殺され、ある時は日本軍に自害を強要された沖縄の人々にとっては、日本軍の最高責任者である天皇家の訪問を良く思っていない人がいるということは当然だと言えるでしょう。

訪問の1カ月前から、摩文仁の丘にある日本軍慰霊塔に「日本軍の残虐行為を許さないぞ」「皇太子沖縄上陸決死阻止」「大和人は沖縄から出て行け」などの落書きがされていました。皇太子はそのことを重々承知していました。沖縄訪問の直前、周囲に「石ぐらい投げられてもいい。そうしたことを恐れずに県民の中に入っていきたい」と言っていたそうです。そして1975年7月17日、皇太子は美智子妃と共に那覇空港に到着しました。

この沖縄訪問の目的は沖縄海洋博の開会式出席と共に「ひめゆりの塔」を始めとする、沖縄戦の南部戦跡をめぐり、慰霊の祈りを捧げるためでした。そして、那覇空港から南部の戦跡に向かう皇太子の車列が、戦争中もっとも悲惨な戦いがおこなわれた本島最南端の糸満市に入ると最初の事件が起こります。左手に建つ白銀病院の3階から10数本のガラス瓶やスパナ、石などが車列に投げつけられました。幸い皇太子ご夫妻が乗る車には当たらず後続の警察車両に直撃し、病院に偽装入院していた実行犯の2人はすぐに逮捕されました。

そして、午後1時19分に皇太子一行はひめゆりの塔に到着します。皇太子ご夫妻がひめゆり会の会長から塔の前で説明を受けていた午後1時23分、塔の横にある大きな地下壕から這い出てきた沖縄解放同盟の活動家2人は、皇太子ご夫妻の前方数十メートルの場所に火炎瓶を投げつけたのです。火炎瓶は献花台の手前の柵に当たって炎上。一瞬高く燃え上がり、皇太子ご夫妻の足元まで流れていきました。

現場は大混乱に陥り美智子妃が警察官に庇われて地面に倒れ打撲傷を負いましたが、それでも皇太子はその後のスケジュールを変えず、2キロほど離れた慰霊地の「魂魄の塔」へと向かいます。犯人の2人はその場で現行犯逮捕されました。その日の夜に皇太子は、これから自分は国民と共に長い年月をかけて、沖縄が過去に払った尊い犠牲に対し、記憶し続け、考え続け、心を寄せ続けることを約束しますという内容のメッセージを発表し、実際に長年にわたり沖縄のために尽くされています。

裁判

裁判の結果、白銀病院での実行犯の2人には懲役1年6カ月の実刑が言い渡され、地下壕の中に1週間ひそみ火炎瓶を投げつけた犯人の2人にも懲役2年6カ月の実刑が言い渡されました。いずれも皇太子を傷つけるようなテロ行為が目的ではなく、昭和天皇や日本政府の戦争責任を問うことが目的だったそうです。事実、ひめゆりの塔の火炎瓶は皇太子ご夫妻に当たらないように、少し離れた柵の内側に投げつけています。

不意に襲われないための対策

今回紹介した事件は不意に襲われた事件でした。一般の人がテロに直接狙われることはほとんどありませんが、女性は特にひったくりや性犯罪など、不意に襲われることは起こり得ます。こうした不意に襲われる事件に巻き込まれないために、次のような対策をしましょう。

ひったくりに遭わないようにするためにカバンは車道側には持たないようにして、できるだけ斜め掛けでカバンを持つようにする。
・停車している車に人が乗っている場合は、中に引きこまれないような一定の距離を保って通り過ぎるようにする。
・なるべく夜間の1人歩きは避ける。どうしても避けられない場合は、人通りの多い道や明るい道を選んで歩く。
・防犯ブザーやホイッスルを携帯し、いつでも鳴らせる準備をしておく。
・外を歩く時はいかなる時もイヤホンで音楽を聞いたり、スマホをいじったりしない。

まとめ

上皇陛下は皇太子時代に戦争によって傷ついた沖縄の人たちのために自分の命を顧みず寄り添うと誓い、この事件の後もずっと沖縄を想い、ご公務にあたられてきました。

今回ご紹介した事件のように不意に狙われるケースでは、完全に被害を防ぐことは難しいです。しかし、万全の準備をすることで被害を最小限にすることはできます。自分のできる範囲での対策をして、より良い生活を送っていきましょう。

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