【京アニ放火】部外者を侵入させないために企業の社長が考えるべきこと

7月18日午前に発生した京都アニメーション放火事件は、7月20日朝時点での死者数は34人となり、平成以降の放火事件で最悪の被害となっています。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、負傷されたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。

今回の事件は、有名なアニメーション制作会社が被害にあったこともあり、犯人の動機や人物像などに焦点が当てられた報道が多いように思います。動機の解明は今後同様の事件が発生しないようにするためには必要なことです。しかし、この事件の最も恐ろしいポイントは、「やろうと思えば誰でも準備できるもので34人の命を奪った」ことだと思います。

この記事では、今後同様の事件が起きないように、防犯の観点からそれぞれの企業が対策できることをお伝えします。

ガソリンの火の特徴

まず、今回の放火事件で使用されたガソリンの特徴を見ていきましょう。

気温が−40℃でも気化(蒸発)する

ガソリンは気化する温度が−40℃と非常に低く、常温では気化して空気中に広がっていきます。皆さんもガソリンスタンドで給油をしている時、給油口のあたりがユラユラ見えるのを経験しているかと思います。

気化したガソリンに引火すると、わずかな火で爆発的に燃える

ガソリンスタンドで給油する際、「必ず静電気除去シートに触れてから操作してください」という注意書きを見かけると思います。これは、静電気のわずかな火花ですら、ガソリンが爆発的に燃えるには十分だからです。車のボディに触れた際のわずかな静電気だけで、ガソリンスタンドごと吹き飛ばすような火事になる危険があるのです。

静電気の危険性は給油の時だけでなく、ガソリンを持ち運ぶ時も同様です。ガソリンを持ち運ぶ際は専用の携行缶に入れなくてはなりません。間違っても灯油用のポリ容器には入れてはいけないことになっています。この理由は、静電気を逃さないポリ容器ではガソリンに溜まった静電気が引火して爆発する危険性があるからです。それだけ扱いには注意しなくてはいけない燃料なのです。

簡単には逃げられない

ガソリンは、小さな火種でも爆発的に燃えます。常温では常に気化していますから、ガソリンが撒かれた室内で火をつければ一瞬で火の海になってしまいます。今回の事件で犯人が大火傷を負っているのも、ライターを着火した瞬間、気化して空気中に広がったガソリンへの引火が凄まじく、逃げることができなかったからではないでしょうか。

灯油を撒いて火をつけるのとは燃え方が全く違いますので、火災訓練で学んだことを冷静に実施できるような状況ではなかったはずです。

ガソリン火災は消火設備の「想定外」

そもそも、屋内にある防火・消火設備は大量のガソリンによる火災には対処しきれません。スプリンクラーが作動するより先に火が燃え広がりますし、消火器数本で消し止められる火ではありません。水で消火しようとすれば余計に被害が拡大します。

いくら防火体制が整った空間でも、ガソリンの爆発的な燃え方では被害を防ぐことは難しいのです。

部外者が入れない環境づくりが必要不可欠

では、今回のような事件が起きないようにするためには、何ができるのでしょうか?

1つの答えは、「不審な人物が絶対に入れないようにすること」です。

今回の事件現場に限らず、多くの企業では玄関のドアを解放していて、屋内に入って受付で身分照会をするケースが多いです。大企業や大きなビルであれば警備員が立っていることもありますが、小さな会社ではそんな予算もなく、社員がその都度応対することがほとんどです。

しかし、警備員を立たせるだけの予算がなくても、できる限りの対策を取ることは可能です。以下、中小企業の予算でもできる対策をご紹介します。

具体的な対策

①全ての出入り口を施錠する

施錠は家の防犯では基本中の基本ですが、来客が多い企業では意外と徹底されていません。また、町工場などもかなり解放的な作りになっていて、誰でも屋内に入ってこれてしまう状態が多いです。

こうした状況では、不審な人物の侵入を阻止することはできません。まずは、全ての出入り口をしっかりと施錠することから始めましょう。

②誰が来たのか遠隔で分かるように、カメラを設置する

施錠を確実にしたら、次は来客対応の方法も見直しましょう。玄関先にカメラを設置して、遠隔で誰が来たのか把握できる状態にしておくことが大事です。自宅に設置するモニター付きインターフォンのようなイメージです。

従業員の安全を考えるなら、絶対に投資しておくべきポイントです。

③持ち物の確認を徹底する

3つ目は、持ち物の確認を徹底することです。空港のような大掛かりな確認ができれば最善ですが、例えば予定していない人が来社した際にはカメラ越しに手荷物を見せてもらったり、大きな荷物は持ち込みを遠慮してもらうなどの対応を決めておくだけでも効果があります。

職場のルール作りを徹底し、危険を回避するようにしましょう。

まとめ

ガソリンを使った放火は、比較的だれでも特別な準備をせずに実行できてしまいます。今後は法的な規制も強化されると思いますが、まずは怪しい人が容易に侵入できないように防犯体制を万全にしておく必要があります。

令和を迎えて3ヶ月足らずで各地で凄惨な事件が相次いでいます。どうか他人事だと思わず、できる限りの防犯対策を行うようにしてください。

Moly.jp編集部

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