【Paskel】創業73年。老舗のアクセサリ会社がオシャレな防犯ブザーを作った理由【3】

女性が持ちやすいオシャレな防犯ブザー「Paskel」を愛知県警監修のもと、地元の企業、学生と一緒に作った株式会社ミレーヌの土屋崇幸さんに、Paskelの開発裏話や、発売後の反響、やりがいについてお話ししていただきました。

(本記事は全3回の記事の第3回です。第2回こちらからお読みください。)

第2回でおしゃっていた、会社に愛知県警の方から防犯ブザーを作りませんかという連絡が来たときに、「やってみよう!」とすぐに思いましたか?アクセサリーを扱っている会社が防犯ブザーを作る決定をするのは、なかなか難しいのではないかと思うのですが…。

土屋さん:
こういうことを言うと、私が怒られてしまうと思うのですが…(笑)

お話をいただいた時、弊社の社長は乗り気でした。社会に貢献できることだし、ミレーヌの社員は女性が多いので、社員の安全の事も考えると他人事ではないと思ったのだと思います。しかし私は、愛知県警さんとの話し合いの場に呼ばれたので、社内の企画・製造のリーダーは私になるだろうなと思って、正直どうしようかなと戸惑っていました(笑)

私はアクセサリーの企画・生産は出来るのですが、防犯ブザーを作るのは初めて。さらに、大人の女性に受け入れられる防犯ブザーをどうやって作っていいのか、手探りで始めた事を思い出します。もちろん、女性スタッフからデザインやアイディアをもらったりしましたが、防犯ブザーを作る知識が無かったので、分からない事だらけでしたね。

防犯ブザーが実際どのぐらい小さく作れるか見当もつかなくて、ヤサカインダストリーズさん(防犯ブザーメーカ)と話し合ってサイズを決めるのですが、プロジェクト会議を進めると色々な意見が出て、意見を取り入れた仕様にすると、サイズ感が変わったりして…。その後もプロジェクト内での意見をもとに、何回か企画の出し直しを繰り返したのを覚えています。これは果たして完成するのか?大変だぞ?と思いました(笑)

その後はしっかりとコンセプトを決めて、カバー制作に入ることができたんですけどね。カバー制作の過程では、初めは防犯ブザー自体にデザインを持たせようと思っていましたが、デザインやカラーバリエーションを柔軟に作ることは難しそうだという事が分かってきました。デザインの幅を持たせるため、防犯ブザーとカバーの2つを作る方針にしたのもこの頃です。 

「ミレーヌ」というアクセサリー会社が作るとなると、普通のカバーではダメです。しかも、「防犯ブザー カバー」でインターネット検索すると、一般の方でも刺繍とかで作っていたりするんですね。アクセサリーを長年取り扱ってきた会社ならではの、カバーを作らなければいけないといったプレッシャーはありましたね。毎日のように、私、女性スタッフ、デザイナーが集まって企画ミーティングをしてましたよ。

初めは、布で作ってたのですが、普及を考えるとみんなが持ちやすいシンプルなものが良いという意見があり、最終的には、合皮で作った今の形状になりました。それまでの行程は…そうですね、色んな意味で良い経験になりましたね(笑)

編集者:
Paskelは、現在はどのチャネルをメインとして販売されていますか?

土屋さん:
いまは、中部エリアのイオンさん、東京デリカさん、東急ハンズさん、セシルマクビーさんの一部店舗でお取扱い頂いています。皆さん、女性の安全を考え、普及に協力いただいています。

編集者:
販売後、お客様から何か反響はありましたか?

土屋さん:
愛知県警本部で制作発表を行ったのち、2週間も経たないうちに、生産予定の4000個は予約が付きました。生産前だったので販売まで、4か月待って頂くのに、予約でこんなに付くなんて予想外でした。

その後も、Twitterで多くのつぶやきを頂いたり、弊社に直接お電話頂き、パスケルについて聞かれることも多いです。

不思議なのですが、意外と全国からお電話をいただきます。中京地区は、メディアに取り上げてもらったりしているのですが、他の地域は、どうやって弊社を知って頂いたのかは分からないです。ただ、お電話頂くという事は、「パスケル」の認知は広がっている感じがしますね。

先日も、東北から注文のお電話をいただいたのですが、届け先が関西地方だったんです。何故だろう?と思ったのですが、親御さんから遠くに住むお子さんへのプレゼントだったみたいで、そのお話はとても心が暖まりましたね。

編集者:
親から子へのプレゼントとして利用してもらえるのはうれしいですね。

土屋さん:
親が一人暮らしの娘を心配して防犯ブザーを送るというような、親から子への愛を感じる行動に携われているということが嬉しいです。

やっぱり、小さい頃は親子間でコミュニケーションがありますが、年齢を重ねるに連れて、反抗期になったりなど、なかなか喋る機会も少なくなると思うんです。母の日や父の日など、子どもから親へ感謝の気持ちを伝える機会はありますが、親から子へ「心配しているんだよ」という気持ちを伝える機会はなかなかありません。            別にパスケルでなくてもいいのですが、恥ずかしくて言いづらい事をギフトとして渡すことによって、親から子へ気持ちが伝わるというのはすごくいいなと思いました。

編集者:
本日は色々なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

土屋さん:
ありがとうございました。

今回インタビュー受けてくださった株式会社ミレーヌの土屋崇幸さん(左)

Index

まとめ

第3回では、Paskelの開発裏話や、発売後の反響についてお話ししていただきました。親から子供へのギフトは確かに年齢を重ねるにつれて機会も減っていくことなので、Paskelが愛情を運ぶ商品としても機能しているのはこちらも嬉しく思いました。

Paskelがたくさんの人に愛され、女性がより安心して暮らせる社会になっていくといいですね。

第1回第2回の記事をまだご覧になっていない方は、ぜひお読みください。

Moly.jp編集部

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