【三重県がNo.1】自治体が続々と導入している犯罪被害者等見舞金制度とは

犯罪被害者見舞金制度とは

皆さんは「犯罪被害者等見舞金制度」について知っていますか?

犯罪被害者等見舞金制度は、地方自治体が条例などで独自に制定するもので、自治体によって内容が異なります。また、まだ導入している自治体が少ないこともあり、凶悪な犯罪が多発している昨今は非常に注目されている制度でもあります。

全国の犯罪被害者見舞金・貸付金導入状況

警察庁:地方公共団体における犯罪被害者等を対象とした見舞金・貸付金の制度

※2019年4月1日時点のデータ

見舞金は全国導入率14.2%

犯罪被害に遭った方への見舞金支給がある自治体は、全国で14.2%となっています。この数値を見るとまだまだ支援が充実していないと思われますが、実際には都道府県によって実態が大きく異なります。秋田や佐賀のように全ての市町村で見舞金制度が導入されている都道府県もあれば、まったく見舞金制度が導入されていない都道府県もあります。

都市部と地方では犯罪の発生率にもある程度の差はありますが、支援状況にあまりにも差が開きすぎている気がします。

貸付金は全国導入率0.6%

犯罪被害に遭った方への貸付金制度がある自治体は、2019年4月1日時点では全国で11自治体しかありません。

貸付金制度が必要になる理由について詳しくは後述しますが、犯罪被害に遭うと治療や引越しなどで一時的に多額のお金が必要になります。こうした金銭的な負担を強いられた時、十分なケアを受けることができずに苦しい思いをする方がいます。こうした問題の解決に自治体からの貸付金制度は非常に有効なのです。

自治体の犯罪被害者等見舞金制度が必要な理由

犯罪被害者支援には、国の犯罪被害給付制度等各種給付制度があります。国の支援も徐々に改善が進んでおり、被害者やその遺族が可能な限り早く平穏な生活を取り戻せるようになってきてはいますが、依然問題点が多いです。

例としては、申請から裁定(支給可否を決めること)まで平均で6ヶ月程度かかることが挙げられます。あくまでも申請からの期間であるため、実際に被害に遭ってから様々な書類を準備する期間も合わせると、1年近くかかってしまうこともあります。

こうした問題点をカバーしたり、より経済的な負担を軽減するためにも、自治体独自の犯罪被害者見舞金制度や貸付金制度が求められています。

自治体の支給標準額

2019年8月現在までに犯罪被害者等見舞金制度を導入している自治体について、多くの自治体(市区町村)が支給の基準としているのが、「死亡30万円、全治1ヶ月以上の傷害10万円」です。この額が十分だと思うか、足りないと思うかは様々な意見があるかと思います。ただし、見舞金制度を導入していない自治体がほとんどであることを考えると、制度を導入しているだけでも被害者支援に積極的な自治体であると言えるでしょう。

支給額が多い、もしくは特徴的な支援がある自治体

多くの自治体が被害者支援に向けて制度設計を進める中、他の自治体よりも支援に力を入れている自治体をご紹介します。

三重県

三重県では平成31年4月1日から「三重県犯罪被害者等支援条例」が施行されました。

特筆すべきは、被害者死亡の場合は見舞金が60万円と、他の自治体の約2倍の額を支給する点です。その他にも、犯罪被害によって療養に1月以上かつ通算3日以上の入院を要すると医師に診断された傷害を負った場合は20万円の見舞金が支給されます。犯罪被害に遭われた方に寄り添う意思が強く感じられます。

さらに、三重県には「精神療養見舞金」という支援もあります。こちらは特定の犯罪行為(殺人未遂、強盗、強制性交、強制わいせつ、未成年者略取、誘拐など)によって精神疾患を負った犯罪被害者本人が申請できる見舞金です。多くの自治体が死亡または傷害に対してのみ見舞金を支給するのに対し、三重県では精神的な被害のケアにも取り組んでいます。

今のところ、日本の自治体で最も被害者支援制度が充実しているのは三重県です。

【8月25日の事件】犯人は18歳の少年。少年法の是非が問われた三重県中3女子死亡事件とは

神奈川県横浜市

横浜市でも平成31年4月1日から「横浜市犯罪被害者等支援条例」が施行されています。

被害者死亡や傷害に関しての見舞金は多くの自治体と同様に、死亡30万円、傷害10万円です。しかし、横浜市では「強制性交等罪等またはその未遂罪」に対して5万円の見舞金が支給されます。三重県と同様に、精神的なダメージが大きい性犯罪については支援を強化していることが分かります。

愛知県名古屋市

名古屋市でも平成30年4月1日から「名古屋市犯罪被害者等支援条例」が施行されています。

名古屋市も多くの自治体と同様、支援金は被害者死亡で30万円となっています。しかし、重傷病等への支援金10万円の給付基準が他の自治体とは異なり、「全治1月以上の加療を要する被害又は強制性交等罪、監護者性交等罪」となっています。横浜市が性犯罪被害に対して支援をするのと同じように、身体的な被害に関わらず強制性交等罪や看護者性交等罪の被害に対しては積極的に支援をする内容になっています。

神奈川県茅ヶ崎市

茅ヶ崎市では平成27年11月25日から見舞金の給付が始まりました。

被害者が死亡した場合は50万円の見舞金が給付されます。他の自治体よりも給付額が20万円ほど多くなっています。傷害については加療1ヶ月以上の被害で10万円の見舞金が支給されます。こちらは他の自治体と変わりません。

また、茅ヶ崎市では上記の2つの支援の他に、1ヶ月以上の加療を要さない性犯罪被害に対して5万円の見舞金が支給されます。これまで紹介してきた自治体は都道府県レベルもしくは政令指定都市レベルの自治体でしたが、茅ヶ崎市は人口約24万人の中規模都市(特例市に制定されています)です。中規模都市で明確に性犯罪被害に対して見舞金を給付すると定めているのは、2019年8月現在で茅ヶ崎市のみとなっています。

まとめ

自治体の犯罪被害者見舞金制度について見てきました。

自治体では見舞金制度の他にも、犯罪被害相談窓口や、被害者自助グループの案内など幅広く支援をしてくれます。自分の住んでいる自治体の被害者支援情報を確認しておくと、いざという時に役立ちます。この記事を読み終わったらぜひチェックしてみてくださいね。

暮らしの防犯!犯罪被害の通報窓口一覧

Moly.jp編集部

関連記事

  1. 防犯グッズ大集合「SECURITY SHOW」潜入レポート

  2. 【Paskel】創業73年。老舗のアクセサリー会社がオシャレな防犯ブザーを作った理由【1】

  3. 【独自取材】女子大生の声を聞く~性犯罪被害の実情

  4. Netflixドラマのセックスエデュケーションが面白い!その感想とあらすじとは?

  5. 市区町村が定める防犯カメラ設置のガイドラインと市区町村が運営する防犯カメラ

  6. 地域の防犯パトロールは安全の入り口!空き巣対策から子供の見守りまで

  7. 【実験】Twitterで国際ロマンス詐欺DMが来たので騙されてみた(前編)

  8. 事件の捜査も手伝う、地域防犯活動もする「タクパト」ってなに!?

  9. 防犯グッズ大集合「SECURITY SHOW」潜入レポート

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Moly.jp公式メルマガ

↓ Moly.jp公式メルマガです ↓

【防犯ジャーナリスト河合成樹】が最新の人気記事の独自紹介や裏話、お得な防犯グッズのご紹介や緊急防犯対策などを配信します。ぜひ、ご読者登録をお願いします

※メルマガにご登録していただいた情報は非公開の上、厳重に管理します。詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

人気記事

  1. 実は不審者は目立たない? その特徴とは
PAGE TOP