東京が「世界一安全な都市」に選ばれたけど、本当に安全なのかデータで確認してみよう

英紙「エコノミスト」が発表している世界各国の都市の安全性ランキングで、東京が1位になりました。ちなみに、2位はシンガポールで、3位には大阪がランクインしています。

このランキングと報告書は、2015年から2年おきに発表されています。15年と17年に続き、2019年も東京が1位となりました。つまり、3連覇です!

日本は世界的に見て治安がいいというのは皆さんもご存知だと思いますが、日々報道されるニュースではたくさんの事件が発生しているように思います。では、日本の中で東京はどのくらい安全な都市なのでしょうか?

毎年警察庁は1年間の犯罪統計を公表しており、今回は2018年(平成30年1月〜12月分)のデータをもとに安全性を見ていきたいと思います。

東京は日本の中で安全な都市と言えるのか?

日本の犯罪の14%は東京で発生している

まず、2018年の刑法犯認知件数を調べてみたところ、総数は817,338件でした。そのうち東京都の犯罪認知件数は114,492件で、全体の約14%を占めています。人口が多いから犯罪も多いといえばそれまでですが、それにしても1日あたり300件以上の犯罪が発生しているのは、東京に住んでいる身としてはあまり安心できる数字ではないです。

また、人口1000人あたりの犯罪認知件数を計算してみると、TOP3は以下のようになっています。

第1位 大阪府 10.83件

第2位 東京都 8.34件 

第3位 埼玉県 8.21件

※各都道府県の人口は、統計局の2017年都道府県別推計人口を使用

このように、人口あたりの犯罪認知件数では東京都は全国2位です。つまり、数字上は日本で2番目に治安が悪い都道府県ということになります。

東京の検挙率は全国平均より低い

次に、検挙率を見てみましょう。

統計資料では、日本全体の検挙率は37.9%となっています。低いなと思う方も多いでしょうが、これでも前年より2.2ポイント増加しています。日本の警察は優秀だと言われますが、まだまだ改善の余地はあるということが示されていますね。

一方で、東京都に絞って検挙率を確認してみると、32.8%でした。犯罪の認知件数は多いのに検挙率は低いという、ちょっと残念な結果です。

ちなみに全国でもっとも検挙率が高かったのは秋田県の72.9%で、ダントツで低かったのは大阪府の22.5%です。

大阪は安全な都市ランキングで世界3位ですが、犯罪10件につき2件程度しか検挙できていないんですね。むしろこの成績で安全な都市ランキング3位ということは、世界中どこへ行っても安全じゃないということですね。

窃盗犯が捕まる確率は高いのか? 盗られたものが返ってくる可能性は?

重要犯罪に絞ると検挙率は跳ね上がる

刑法犯という広い括りでは東京都の検挙率は32.8%ですが、重要犯罪・重要窃盗犯の検挙率は93.9%となっています。

ここでいう重要犯罪とは、殺人、強盗、放火、強制性交等、略取誘拐・人身売買、強制わいせつを指します。

また、重要窃盗犯とは、侵入盗、自動車盗、ひったくり、すりを指します。

この結果をどう捉えるかは読んだ人次第ではありますが、良く言えば凶悪犯はしっかりと捕まえているので安心できるということになりますし、悪く言えばメディアで報道されやすいインパクトのある事案に注力し、他の事案をないがしろにしているのではないかと考えることもできます。

警察官が不足している状況もあるため、全ての犯罪に対して全力を注げというのは難しいでしょう。それでも、刑法犯全体の検挙率をもう少し向上させてほしいところです。

2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックには、世界中から観光客が殺到することが予想されています。

人が増えれば犯罪は増加しますし、文化が違えば対立が起こります。お祭りムードに気持ちが高ぶって色々なトラブルが起こるでしょう。

東京が世界一安全な都市と評価されて誇らしく思うと同時に、犯罪件数はゼロではないことや、検挙率も高くはないということを見つめ直し、より安全な都市になるように改善を続けていく必要があるのではないでしょうか。

海外旅行時は「平和ボケ」に要注意!

これまで東京の治安についてデータを元に述べてきましたが、これでも世界一の安全な都市です。

つまり、世界中どこへ行っても東京より安全な場所はないという気持ちで防犯対策をしておかないと、簡単に犯罪被害に遭ってしまうということです。筆者はバックパッカーの経験がありますが、スリに遭いそうになったことも、連れ去られそうになったこともあります。南米では、夕食を食べていたレストランの目の前で人が撃たれたのを見たこともあります。

身の回りの防犯対策はもちろん、宿泊場所や交通手段の手配もしっかりと行いましょう。現地で口車に乗せられて決めると料金もぼったくられますし、部屋の鍵がかからないこともあります。特に女性の海外旅行は細心の注意を払い、宿泊場所と交通手段はあまりケチらずに安全を最優先にしてくださいね。

【疑問】日本はスリを心配しなくていい国なの? それでも考えたいスリの手口と対策

Moly.jp編集部

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