画面録画がデジタルタトゥーの温床に。消えない傷を作らないためにできることは?

熊本県警の発表によると、熊本県と埼玉県在住の男子高校生が児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検されました。その犯行内容は「画面録画」を使い、少女にテレビ電話越しにわいせつな行為をさせて撮影したものをSNSで拡散したり販売したというものです。男子高校生が容疑者となり、女子高校生が被害者になっているこの事件。男子高校生たちが使った画面録画という方法は、便利な反面、非常に多くの問題点のある機能です。

画面録画とは

画面録画は、その名の通り画面を録画する機能です。画面の画像を撮る機能は「スクリーンショット」と呼ばれますが、その動画版と思えば理解しやすいのではないでしょうか。
スマホやパソコン自体にデフォルトで搭載されていたり、録画アプリをダウンロードして使うことができます。

画面録画機能の問題点

画面録画の悪用が蔓延している

画面録画は非常に便利な機能である反面、著作権違反にも問われるようなケースが多く見受けられます。たとえば、アーティストのライブ配信を画面録画してYouTubeにアップロードし、広告収入を得るなどの問題です。YouTubeにはこういった動画が非常に多く投稿されています。アーティストが黙認しているケースもありますが、基本的には訴えられれば当該動画の差し押さえや損害賠償請求の対象になります。

相手側に通知されない

冒頭で紹介した高校生が容疑者にも被害者にもなった事件では、被害者の女子高生はテレビ電話越しに録画されていました。画面録画機能はテレビ電話をしている際に相手に通知されることはなく、録画されていることに気づくことはできません。
iPhoneでは画面録画開始時に音が鳴りますが、電話で会話している最中に気づくほどの音ではないです。つまり、容易に盗撮ができてしまうということです。

違法行為の連鎖になるケースも

最近では、ライブチャットで自身のわいせつ行為を動画配信することで報酬を得たとして逮捕された人も出ています。配信者はライブ配信による公然わいせつ罪の容疑で逮捕されましたが、このライブチャットを画面録画してSNSに投稿する人もいました。SNSに投稿した人は「わいせつ物頒布等罪」に問われます。さらに配信者が未成年だった場合は、SNSで拡散すると児童ポルノ禁止法にも該当するおそれがあります。

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消える投稿も消えなくなった

スナップチャットやインスタグラムで有名な機能の一つに、一定時間で投稿が表示されなくなる機能があります。インスタグラムではストーリーズと呼ばれています。
この機能を使って投稿すると一定時間で投稿が消えるため、ユーザーによって様々な投稿がされます。最近問題になったのは「バイトテロ」でしょう。飲食店の従業員がふざけて食材を粗末に扱ったりする様子を投稿して問題になりました。これも、一定時間で消えるからという甘い考えで不適切な動画を投稿した結果、画面録画をSNSで投稿されて大炎上していました。
このように、消えるから大丈夫という気持ちで投稿すると画面録画を拡散されてしまうことがあります。友達に限られた時間だけ見られるようにしたつもりでも、自分の知らないところで動画が全世界に拡散されてしまうことがあります。

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画面録画されないようにする対策はない

紹介してきたように多くの問題点のある画面録画ですが、される側ができる対策は今のところありません
インスタグラムではダイレクトメッセージに送られてきた「消える写真・動画」をスクリーンショットもしくは画面録画すると相手に通知される仕様になっています。しかし、通常投稿やストーリーズでは通知が送られてくることはありません。つまり、通常投稿やストーリーズはそれだけ公開性の高いものとして扱わなくてはいけないということです。投稿しないことしか、勝手に画面録画されることを防ぐ方法はないのです。

知らない人を簡単に信用しない

唯一被害を防ぐ方法として考えられるのは、投稿の公開範囲をプライベートで知っている人だけに限定することです。こうすることで、自分の知らないところで拡散されるリスクを減らすことができます。ただし、近年問題になっているリベンジポルノなどは防ぐことはできないので、まずは誰かに見られて恥ずかしい動画は撮らない、撮らせないことが非常に重要です。

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この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

自分が知らないところで恥ずかしい動画を拡散されることは、精神的なダメージが大きいです。また、一度拡散してしまえばいくら消しても永遠に残るのがインターネットです。今回ご紹介した画面録画を使うことで誰でも簡単に複製できてしまうことを念頭に置き、SNSの投稿内容やテレビ電話などには十分注意しましょう。

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。

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Moly.jp編集部

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