【今日の事件簿】両親がギャンブル漬け、そして蒸発。生い立ちが同情された池袋通り魔殺人事件

今からちょうど20年前の9月8日、池袋通り魔殺人事件が起きました。この事件は加害者の生い立ちが犯行動機に関係するといわれてきましたが、どうなのでしょうか。今回はこの池袋通り魔殺人事件を詳しく紹介していきます。

池袋通り魔殺人事件の概要

1999(平成11)年9月8日の午前11時40分頃、東京都豊島区東池袋の大型雑貨店の前で、当時23歳だった男が包丁と金槌で通行人を襲い2人が死亡。6人が重軽傷を負いました。男が凶器となる包丁と金槌を買ったのは犯行の4日前でした。このときから男は犯行を企てますが、実行に移すことはできず9月8日に、今日こそはとの思いから実行したのです。そして、事件発生時刻、男は右手に包丁、左手に金槌を持って道行く人を恨むように見渡し、奇声を上げながら、まずは通りすがりの若い男女2人追いかけます。

エスカレーター付近でターゲットを老夫婦に切り替え、当時66歳の女性の左胸部を包丁で刺したあと、当時71歳の男性の頭を金槌で数回殴り、頭を抱えた男性の手を包丁で刺しました。騒然となった現場で、男は次に若い男性にターゲットを絞り追いかけます。そこへ、男の前にまだ事件のことを知らない当時34歳の夫と29歳の妻の夫婦があらわれます。男は若い男から、29歳の女性にターゲットを変え、左腰部を刺しました。その後、男はわめき散らしながら走り、歩いていた高校生4人グループに襲いかかって3人を切りつけます。さらに近くにいた他の2人を切りつけたところで、通行人によって取り押さえられました。最初に刺された66歳の女性と29歳の女性が死亡し、6人が重軽傷を負いました。

犯人の生い立ちと犯行動機

この事件では犯人の男の生い立ちに同情する声もあがり、それが原因で事件を起こしたとの意見も出ました。男の生まれは岡山県。家族は両親と兄の4人家族で、ごく一般的な家庭で育ちました。しかし、男が小学校の高学年の頃に父親が遺産相続で大金を手にしたことによってか、父親は仕事から遠ざかり、両親共々ギャンブル三昧になります。そして、男は自らの努力で有名な進学校である高校に入りますが、2年生のときに両親のサラ金からの借金が膨らんで高校を中退。夢も希望も失います。

さらに両親は自宅の家財道具を持ち出し行方不明になってしまうのです。男は広島で自活していた兄のところに身を寄せながら職を転々とします。そして、1996年職を探して上京しますが、所持金を使い果たし野宿生活を送るなかスーパーで万引きをします。交番に突き出され所持品から1本のナイフが見つかり窃盗と銃刀法違反で現行犯逮捕され罰金10万円の略式命令を受けました。その後も電車やタクシーで無賃乗車を繰り返し、その度に兄が謝り弁償していたそうです。

男はその後再び上京し新聞配達店で働き始めますが、このころから外務省や裁判所、警視庁などの公的な機関に意味不明な手紙を送りつけるようになります。そして、新聞配達店を辞めた後全国を転々とし、あてもなくアメリカに渡ったり帰国後は愛知で働いたりして、最後は再度上京し新聞配達店で働き始めます。このときは勤務態度が真面目だったそうですが、男は同僚に無理やり酒を進められたことや、仕事中にトイレに行こうとしたら忙しいからと止められたことなどに腹を立てていたそうです。

男は、そういった人間を“努力をしない人”と決めつけ、勝手に怒りの感情を持ち始めます。この“努力をしない人”への怒りは、街を歩く人に向けられるようになり、犯行へとつながったそうです。

裁判とその後

裁判では2002年の1月に東京地方裁判所から死刑判決を受けますが不服として控訴。2003年9月の東京高等裁判所の判決で控訴や棄却され、2007年4月においても上告が棄却されて死刑が確定しました。その後は死刑囚として東京拘置所に収監されています。

まとめ

今回紹介した事件で犯人の男の生い立ちに同情する声が上がりましたが、この男よりもっと辛い生い立ちの人はいくらでもいます。人は誰でも潜在的に、どんなことが起きても立ち直れる力をもっているものです。この生い立ちによって何も関係ない人が殺される理由はどこにもないのです。通り魔的な事件は数多く起きていますが、自分の身の周りで起こることはなかなか想像できません。しかし、誰にでも起こり得ることなので、普段から何が起こるかわからないということを意識して、できる限りの対策をしておきましょう。

【防犯対策】突然の通り魔、刃物から身を守るためにできることはあるのか

Moly.jp編集部

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