【今日の事件簿】突然住宅地にジェット機が墜落!横浜米軍墜落事件とは

今から42年前の9月27日、横浜米軍機墜落事件が起きました。この事件では幼児2人が亡くなりその母親も事件から4年4カ月後に亡くなりました。今回はこの事件について詳しく紹介していきます。

横浜米軍機墜落事件の概要

1977(昭和52)年9月27日、アメリカ海兵隊のジェット機RF-4BファントムⅡ611号機が現在の神奈川県横浜市青葉区の住宅地に墜落しました。この日の午後1時過ぎ厚木基地を離陸し太平洋上の航空母船に向かおうとしていましたが、離陸直後に燃料満載の状態でエンジン火災を起こしました。この機に乗っていた乗員2人は射出座席を用いて緊急脱出。パラシュートで青葉区鴨志田町付近に着陸して海上自衛隊のヘリコプターに収容されて無事に帰還しました。

乗務員がいなくなり制御を失った機体は、青葉区荏田町の住宅地に墜落。火だるまとなった機体の破片は周囲300メートルから400メートルにわたって飛び散り周辺の家屋20戸を炎上・半壊させました。事故発生から10分後に海上自衛隊のヘリコプターが出動し、事故現場上空に到着しましたが、すでに消防車が来ていることを確認したうえで、パイロットを収容し基地に帰還しました。また、これとは別に約40人の陸上救援隊を編成。事故現場へ向かう準備をしていましたが、事故現場が基地から約18キロ離れていたことや消防による救難活動がすでにおこなわれていたことから結局出動しませんでした。

ジェット機が墜落した周辺では火災により一般市民9名が負傷。そのうち3歳と1歳の男児2名は全身火傷により翌日までに相次いで死亡しました。そして、この男児の母親も4年4カ月後に亡くなってしまいました。

事故の原因

ジェット機が墜落した後、約1時間後にアメリカの軍関係者が現場に到着しエンジンなどを回収しました。そして、10月にアメリカ本土に送ってしまいます。当時の横浜市長は抗議声明を発表。大統領宛に電報を打ち1カ月後に返還されました。しかし、事故の原因調査は日本独自ではおこなえず、事故分科委員会は1978年1月にエンジンの組み立てミスであり、乗員の過失ではないと結論づけました。

単なる事故ではなくなった

この事故で、重いやけどを負った1人の女性が日本にも裁判権があることを掲げて、米軍のパイロットを業務上過失致死罪で告訴しました。これまで日米地位協定によって日本の法廷ではアメリカの軍人は裁けないとされ、米軍人が起こした公務中の事件や事故は米国側に優先的に裁判権があるとされてきました。事実、この裁判でも日本政府がアメリカの特権を放棄させることなく不起訴となっています。しかし、原告側の粘り強い戦いによって、7年後に横浜地裁が米国人にも民事裁判権が及ぶという判決を出し、単なる事故ではなく、事件であることが認められました。

母親の亡くなるまでの壮絶な戦い

この事件で幼い2人とその母親が亡くなりましたが、母親が亡くなるまでの約4年間は壮絶なものでした。ジェット機が墜落した後、この母親は全身の8割に及ぶ火傷で病院に搬送。危篤状態が約1カ月間続き、目が覚めると彼女を待っていたのは全身への激痛でした。何度も「殺して!」という悲鳴が病院中に響き渡ったそうです。周りからの「2人の息子も他の病院で頑張っている」という言葉だけが彼女の心の支えでした。70回にも及ぶ皮膚移植手術は夫と父親が提供する皮膚だけでは足りず、新聞で提供者を募り実際に42人からの皮膚移植を受けました。

皮膚移植が繰り返される中で麻酔がのどを傷つけ呼吸困難に陥り、のどを切開し管を入れて呼吸をしていました。わが子に会いたいという一心で治療に耐えてきた彼女が息子たちの死を知ったのは、1年3カ月後のことだったそうです。息子たちの死を知ってからは精神的なダメージが激しく、リハビリをめぐって夫とも離婚。その後、彼女はのどの管があってもなくても深夜になると呼吸に苦しみ、何度も救急車を呼びます。しかし、次第に心因性ということがわかり、救急車も対応してくれなくなってしまいました。

そして、家族にも適切な説明もないまま彼女は最終的に精神病院に転院させられてしまいます。その後、窓に鉄格子がはめられた病院の1室で心因性の呼吸困難に陥り、31歳という若さでこの世を去りました。時が経ち1985年、遺族の要望によって横浜市へ寄贈する形で、港の見える丘公園に犠牲者をモデルとしたブロンズ像「愛の母子像」が設置されています。

まとめ

今回紹介したこの事件は突然ジェット機が墜落してくるという防ぎようのない事件です。こういった事件の対策は、なかなかできるものではないかもしれません。しかし、いつ何が起こるかわからないということを意識することはできます。

また、緊急時にどこに連絡すればいいのか、どういった処置をすればいいのかなどを確認しておくと良いでしょう。近所のAEDの位置などを確認しておくだけでも人命救助に繋がります。

常日頃から高い防犯・防災意識をもって、安心・安全な生活を送っていきましょう。

事故の過失割合は誰が決める?Uターンラッシュ前に交通事故後の対応をおさらい!

Moly.jp編集部

関連記事

  1. 【今日の事件簿】三鷹ストーカー事件から6年。被害者は「二度」殺された。

  2. 【7月17日の事件】火炎瓶を投げつける。。上皇陛下の沖縄初訪問を襲った「ひめゆりの塔事件」とは

  3. 【4月8日の事件】「中田厚仁さん射殺事件」が発生した日に学ぶ防犯術

  4. 【8月10日の事件】名前が覚えやすかったから狙われた?甲府信金OL誘拐殺人事件の真相

  5. 【今日の事件簿】結局誰も有罪にならなかった、自由民主党本部放火襲撃事件

  6. 【今日の事件簿】オウムの許されざる凶行の1つ!坂本堤弁護士一家殺害事件

  7. 【今日の事件簿】92世帯分の電話線を切ってから犯行?千葉県収用委員会会長襲撃事件

  8. 【5月19日の事件】テレビや映画の中だけじゃない!実際に起きた監禁事件とは

  9. 【5月15日の事件】五・七・五?いや、五・一五に起きた侵入事件とは!?

Moly.jp公式メルマガ

↓ Moly.jp公式メルマガです ↓

【防犯ジャーナリスト河合成樹】が最新の人気記事の独自紹介や裏話、お得な防犯グッズのご紹介や緊急防犯対策などを配信します。ぜひ、読者登録をお願いします

※メルマガにご登録していただいた情報は非公開の上、厳重に管理します。詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

人気記事

  1. 実は不審者は目立たない? その特徴とは
PAGE TOP