【今日の事件簿】三鷹ストーカー事件から6年。被害者は「二度」殺された。

今から6年前の10月8日、三鷹ストーカー事件が起きました。この事件は被害者が2度殺されるといわれる「リベンジポルノ」がおこなわれ社会問題となり、リベンジポルノについての関連法案が成立するきっかけとなりました。今回はこの事件について紹介します。

三鷹ストーカー事件の概要

2013(平成25)年10月8日、午後4時55分ごろ、東京都三鷹市の路上で女の人が刺されているとの110番通報があり、警察官が駆けつけると首から血を流し自宅前の路上で倒れている女性を発見しました。この女性は当時18歳の高校生で直ちに病院に搬送されましたが、約2時間後に死亡が確認されました。そして、午後6時30分ごろ捜査員が現場から少し離れた路上でズボンに血を付けた男を発見。職務質問したところ犯行を認めたため、当時21歳のこの男を緊急逮捕しました。

この事件の約2年前、被害者の女性と逮捕された男はSNSを通じて出会い、交際が始まりました。当時男は関西に住んでいたため遠距離恋愛で、男が度々上京しながらの交際だったそうです。翌年の2012年の9月なって海外留学を前にした女性は、男に別れを切り出します。女性が留学から帰った2013年3月ごろ男が復縁を迫り断られたことから、男のストーカー行為が始まるのです。男は女性に写真を送ることを要請し送らないと自分は死ぬなどと言い、また、自分と寄りを戻さないと交際していた時の写真をばら撒くようなことを言って女性を脅しました。

2013年の6月ごろには女性の父親が男に連絡しないように伝えました。男は復縁できないと思い殺害を決意。9月末に関西から夜行バスで上京してきます。そして、雑貨の量販店で凶器となる刃渡り13センチのペティナイフを購入しました。女性は男が上京してきたことを知り在籍高校の担任や両親に相談。事件当日の午前中には両親と警察署に相談に行きます。警察はストーカー規制法に基づき、女性が把握していた男の電話番号に3回電話を掛け留守電に連絡するように入れました。女性はその後高校へ登校。男は昼過ぎに女性宅の無施錠だった2階の窓から侵入し、1階にある女性の部屋のクローゼットに隠れていました。

授業が終わって女性が帰宅。女性の両親は仕事などで外出していたそうです。そして、午後4時53分男はクローゼットから飛び出し女性をナイフで襲いました。女性は外に逃げますが男は執拗に追いまわし、首や腹11か所に傷を負わせ逃走。女性は生命を落としてしまいました。事件に巻き込まれる前の午後4時51分に帰宅した女性は警察に連絡を取り無事に帰宅したことを伝えており、そのあとすぐに襲われてしまったそうです。

犯人の許しがたい卑劣極まりない行為

男は女性と復縁できないと思った2013年7月に、アメリカの動画・静止画サイトに自分の投稿スペースを作成して、女性と交際中に撮影した女性との性的な動画や画像を投稿しました。さらに、10月5日から8日の殺害直後逮捕されるまで短文投稿サイトや地域掲示板の三鷹市に絡むスレッドなどで、自分がアップロードしたアメリカの動画サイトのURLを投稿。これにより、リベンジポルノやデジタルタトゥーが社会的に問題となりました。

裁判

男は2013年10月に起訴され、2014年7月に東京地裁立川支部で裁判員裁判がおこなわれました。検察側は無期懲役を求刑しましたが、若くて更生の可能性があるとして2014年8月に有期刑の上限である懲役22年が言い渡されます。これに被告人側も不服として控訴。2015年2月に東京高等裁判所はリベンジポルノに関して議論された形跡がなかったとして、東京地方裁判所に差し戻す判決を言い渡します。

そして、2016年差し戻し審での判決はリベンジポルノ分を加味した検察の求刑25年に対して、結局差し戻し前と同じ懲役22年の判決でした。検察側・被告側共にこの判決を不服として東京高裁に控訴しますが、東京高裁は双方の控訴を棄却。検察・被告側双方が上告しなかったため、2017年2月に懲役22年で確定しました。

参考URL:現代ビジネス

まとめ

今回紹介した事件は恋愛が上手くいかないからと元恋人を殺害し、しかもプライベート画像や動画をネット上に拡散するという卑劣極まりない男が犯した犯罪です。肉体を殺され、その後名誉まで永遠に傷つけられてしまうという、女性の遺族にとっては大切な家族を2度殺されたといっても過言ではないでしょう。この事件をきっかけにリベンジポルノに関しての法案もできましたが、1度ネット上に拡散するとデジタルタトゥーと言われるほど、完全に削除するのは不可能だといわれています。三鷹ストーカー事件は、すべての女性を敵に回した事件でした。

この事件をまとめるとストーカー殺人、リベンジポルノ、そして、侵入犯罪がおこなわれました。ストーカー殺人とリベンジポルノは女性側としては、ある程度の対策しかできないかもしれません。しかし、侵入犯罪は日ごろからの戸締りをしっかりとしていれば防げる可能性が高くなります。いつ何が起こるかわかりませんので、できる限りの対策と防犯意識を高めて自分自身を守りましょう。

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Moly.jp編集部

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