LINE社に聞いてみた!子どもが巻き込まれやすいネット上のトラブルへの対処の仕方はあるの?

LINEロゴが入ったアイキャッチ画像

「一生懸命だね」

このテキストが送られてきたら、あなたはどう感じますか?

人によっては褒められて嬉しいと感じるかもしれません。しかし、上から目線だなと思ったり、どこか馬鹿にしているのではないかと思う人もいます。

ちなみに、私は後者です。「一生懸命だね」と言われるのは、見下されているような気持ちになり、あまり嬉しくはありません。

テキストではこうした誤解が生まれやすく、場合によってはトラブルの原因にもなります。

今回は、「LINE」を運営するLINE株式会社のワークショップについて、LINE株式会社の公共政策室のみなさんにインタビューを行いました。

子供はネットを介したトラブルに巻き込まれることが多い?

ネットを介した子供を巻き込む犯罪被害は多発しており、多くの性的搾取が含まれています。

藤川さんによると、警察の統計ではSNSに起因する被害児童の数は横ばいの状況であるが、児童自らに画像を撮影させるなどする、いわゆる自画撮り被害は増加しています。

グラフを見ると、確かにSNSを通じた青少年の性被害はここ3〜4年で高止まりしています。また、このデータは警察に被害が報告された件数でしかないため、実際のところはこれ以上に被害者がいることは確実でしょう。

こうした問題について、SNSを運営する各企業は提供者としての責任を果たすべく、利用者一人一人が快適にSNSを利用できるように一丸となって取り組んでいるようです。

(子どものトラブルについてお話してくださった藤川由彦さん。元・EMA事務局長。青少年のネット利用環境の整備などに従事。)

サービス提供者としてのLINEの取り組み

2011年にサービスを開始してから現在に至るまで、LINEは様々な課題に直面してきました。そのひとつが「いじめ問題」です。

LINEを介したいじめは、サービス開始から1年ほどで問題になりました。「既読スルー」などの言葉が生まれたのもこの時期です。

中学生や高校生の時点でスマートフォンを持ちはじめる子供たちが、「テキストや画像を数回のタップで送信できる」というシンプルな機能を理解し、使いこなすのは難しくはないです。小学生だってすぐに覚えてしまうでしょう。

しかし、情操教育やネットリテラシーがまだ十分とは言えない子供たちは、そもそも「日常生活のモラル」が欠けていることが多いです。便利な機能を使うことはできても、人を傷つけずに使いこなすことは難しいというのが現状です。

こうした状況を鑑み、LINE株式会社は子供たち全員が快適にLINEを利用できるような環境を整えたり、ネット利用についての教育をしていくことがサービス提供者としての責任であると考えました。そして、CSR活動の一環として情報モラルをテーマにしたワークショップを全国各地で無償開催することにしたのです。

(情報モラルについてお話してくださった、公共政策室の石原友信さん。元・安心ネットづくり促進協議会 事務局長。携帯電話会社にてCSR責任者の経験も。)

小中高校生向けの出張ワークショップ

LINEが展開している講演活動(ワークショップ)は、子供たち自身が犯罪被害などのトラブルを未然に防ぐことができるような思考力や判断力を醸成することを目的としています。先述の通り、日常生活のモラルを育み、同時にネットの特性についても理解を深められる内容となっています。

この活動は全国で既に1万回以上行われており、既に多くの学校や自治体で開催されています。

静岡大学と共同でワークショップ用教材を開発

私たちは実際に講演活動などで使用されている教材を見せていただき、少しだけ体験させていただきました。

西尾さん:ここに、5枚のカードがあります。このカードを、『自分が言われて嫌な順番』に並び替えてください。

(実際にLINEのワークショップで使用されるカード)

西尾さん;河合さんはどれが一番嫌でしたか?

Moly河合:「まじめだね」はあまりいい気分はしないですね。取り組んでいる事業はシリアスですが、普段の私を見ずに表面的にしか理解してもらえていない気がするからですかね。

西尾さん:グエンさんは?

Molyグエン:私は「マイペースだね」が嫌です。なんか、仕事とか行動が遅いねって言われているような気がして。

西尾さん:実はここにある言葉は、すべて褒め言葉として選んだ言葉ですが、人によっては嫌だなと感じることがある言葉です。言い方やタイミングによっては嫌味にもなり得ますし、そもそも個人個人で受け止め方は異なりますよね。

たとえば、このようにどちらにも捉えられる言葉はネットリテラシーを考える上で非常に慎重に扱わなくてはいけません。顔が見える状態でも受け止め方に差が出てしまうような言葉をテキストで伝える時には、多くの誤解が生まれてしまう可能性があります。

こうしたコミュニケーションの難しさについて考えることができる教材を、静岡大学の塩田真吾准教授と一緒に作成しました。私たちはSNSサービスの提供者ではありますが、教育についてはプロではありません。そこで、教育のプロに監修いただくことで、より子供たちに分かりやすく伝えることができる教材の開発に取り組んでいます。

(カードの使い方を実演してくださった、公共政策室の西尾勇気さん。CSRを推進するチームのマネージャーを務める。教育情報化推進担当。)

学校が自走する形もサポート

LINE株式会社としては、全国の教職員自らが情報モラルについて子供たちに授業を展開できる状態にするために、ワークショップ用の教材は、授業進行などをサポートする「指導者用ガイドブック」とあわせてWEB上で公開し、無料でダウンロードできるようにしたり、教職員向けの研修会も行っているそうです。
全国で1万回以上の講演実績があるとは言え、毎年一定数の子供がSNSを利用し始めることもあり、学校の授業の一環として教える体制を整えることができればより多くのトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。

この講演活動は、全国の教職員の皆さんが子供に対して情報モラルを教えるためのお手本にもなるでしょう。その意味では、子供たちだけでなく教職員側も学びの多いワークショップになっているのです。

(どのような教材でワークショップを開催しているかをお話ししてくださった、PRの松根未和さん。)

今後はプログラミング教育の展開も

現在LINE株式会社では、子供たちに対して、ネットサービスを快適に使うだけではなく生み出す側の楽しさも感じて欲しいということでプログラミング教育をスタートさせているそうです。

現在は小学校高学年向けの教材を開発・展開していますが、今後は低学年向けの教材開発も進め、より早期からプログラミング知識を身につけることができるようになるようです。

サービスを生み出す側の楽しさを感じることは、開発者の視点から「こう使ってほしい!」「こう楽しんでほしい!」という思いを感じることに繋がります。つまり、結果的にネットサービスを利用する際のモラル向上にも繋がると思いますし、非常に有意義な取り組みになることでしょう。

(取材にご協力くださったLINEのみなさま。左から、松根未和さん・西尾勇気さん・藤川由彦さん・石原友信さん。)

まとめ

LINEが静岡大学と共同で開発したワークショップは、子供向けとはいえ、大人でも多くの気づきがあるような内容になっていました。

教師間のいじめ問題が話題になっていますが、本人がいくら「かわいがっていた」と思っても、受け取る側は精神的に病んでしまうほどストレスに感じていることもあります。全国の学校でこうしたワークショップが導入されると、副次的に教師間のトラブルも減っていくのかもしれません。

子供のうちは「いじめ」で済まされてしまうようなトラブルは、14歳を超えたタイミングからは被害者次第で罪名がつき、犯罪として警察が処理することができるようになります。ぜひ、LINEのワークショップを通じてネット上でのトラブルを回避できるような知識と振る舞いを身に付けましょう。

Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

普段は学校や自宅だけの狭い世界からSNSを活用することによって広がる世界は青少年にとって魅力的。時代や環境に合わせた教育、サポートは周りの大人やサービス提供側としての責任ですね。「道具」の使い方で良くも悪くもなることをしっかり伝えたいですね。

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。

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