【世界の未解決事件】さすがにもう迷宮入り?疑われたのはまさかの被害者…ボドム湖殺人事件とは

ボドム湖殺人事件とは?

ボドム湖殺人事件とは未だに真犯人が捕まっていないことで有名であり、事件から半世紀以上が経った後も新情報が公開されるたびに世間の注目を集めている事件です。

この事件は1960年6月5日、フィンランドの首都ヘルシンキから西にあるボドム湖で起きた殺人事件です。被害者は15歳のマイラ・イルメリ・ビョルクルント、同じく15歳のアニャ・トゥーリッキ・マキ、18歳のセッポ・アンテロ・ボイスマン、同じく18歳のニールス・ヴィルヘルム・グスタフソンの4人です。

この4人はボドム湖でキャンプをして楽しんでいましたが、何者かに突然ナイフと鈍器で襲われました。これにより、マイラ、アニャ、セッポの3人はナイフで何度も刺され、最終的に鈍器による打撃によって撲殺されました。

残るグスタフソンも犯人に顔面を殴られ、顎と顔の骨を折る重傷を負いましたが、奇跡的に一命をとりとめた唯一の生存者となります。ただ、グスタフソンは顔面を殴られたことによって脳震盪を起こしただけでなく、ショックによって事件当時のことを全く覚えていなかったのです。

事件後の詳細について

ボドム湖殺人事件が起きたことで、地元の人達のほとんどが一人の男が犯人ではないかと思いました。その男の名前はカール・ヴァルデマー・ギルストローム。カールはボドム湖の近くにあるキヨスクの定員で、被害者にも商品を販売していました。カールは以前からボドム湖でキャンプをする若者を良く思っていなかったようで、たびたびテントを切りつけたり石を投げたりしていたようです。

多くの人がカールが犯人ではないかと思っていた中、事件から12年後の1972年6月、カールは自殺しました。カールは遺書を遺しており、その遺書には自分がボドム湖殺人事件の犯人であるということが書かれていたのです。

しかし、警察はこれを真っ向から否定しました。何故なら事件当夜のカールは妻や親友と一緒に自宅にいたというアリバイがあったので、ボドム湖殺人事件と結び付けられる証拠が発見できなかったからです。

そしてボドム湖殺人事件から約43年が経った2003年に、事件現場近くの病院に勤務していたヨルマ・パロは事件が起きた当日にハンス・オスマンという患者を治療したと話しました。パロはドイツ出身で、KGBの諜報員というオスマンを非常に怪しんでいたため、ボドム湖殺人事件の真犯人はオスマンではないかと主張したのです。

KGBとはソ連国家保安委員会のことで、オスマンは真犯人だが諜報員ということで外交的な理由で十分な調査が行われず、事実がもみ消されているとも主張しました。しかし、警察はオスマンには当時のアリバイがあったことを主張し、真っ向から否定しています。

なぜかグスタフソンが逮捕される

ボドム湖殺人事件から約45年経った2004年3月下旬、グスタフソンが逮捕されました。

被害者であるはずのグスタフソンが逮捕されてしまったのは、2005年前半にフィンランドの国家捜査局が実施した血液染みの新しい観測法によってグスタフソンが真犯人ではないかという嫌疑が浮上したのです。公式で発表されたのは、グスタフソンの新しい彼女だったビョルクルントに嫉妬しての犯行とされ、犯行現場で遺体となって発見された3人の中で最も損傷が激しかったのがビョルクルントだったそうです。

検察側はグスタフソンがビョルクルントに対する嫉妬から、致命傷となる一撃を与えたにもかかわらずナイフで執拗に刺したこと、そしてグスタフソン自身が負った傷は他の3人と比べて傷が浅いというのが検察の見解でした。

グスタフソンが逮捕されてから1年以上経った2005年8月4日に裁判が始まり、検察側は上述した見解も踏まえてグスタフソンを無期懲役にするべきだと主張しました。しかし、グスタフソンの弁護人はグスタフソンはあくまで犯人による非道な行為で重傷を負った被害者であり、当時の負傷から考えても3人を殺害することは不可能だと主張しました。

そして同年10月7日に行われた裁判の結果により、グスタフソンは無罪を勝ち取り、全ての嫌疑を取り下げることに成功しました。グスタフソンの無罪が確定したことにより、フィンランドは4万4900ユーロ、日本円にして約530万円が支払われました。

こうしてボドム湖殺人事件の被害者であるグスタフソンの無罪が確定しましたが、結果的に事件の真犯人は未だ捕まっていないことを証明したことにもなります。

まとめ

この事件は未だ真犯人が捕まっておらず、それまでの過程で警察も事件の行方を追うのに難航したことでしょう。本来被害者であるはずのグスタフソンまで犯人かもしれないという理由で裁判にかけられたりと、苦しんだ時間を過ごした人も多くいます。

しかし、捜査が打ち切られているわけではなく、今もなお新しい情報が出るたびに国民の注目が集まっているため、今後の警察の動向に注目したいところです。

Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

被害者はもちろん、すべての人に不幸な事件ですね。犯人特定に至っていないとはいえ私たちと同じ「人間」による犯行だと思うとなんとも言えない気持ちになりますね。

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。

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