【消えない傷】中高生の被害が増加しているリベンジポルノの危険性と対策について解説

「リベンジポルノ」

2013年に起きた「三鷹ストーカー殺人事件」で社会問題となり、現在もその被害者が増え続けている犯罪です。若者を中心に被害が起きていて、ネットに出回った画像や動画を完全に削除するのは難しいと言われてきました。
そこで今回はリベンジポルノの現状と、被害に遭ったときの対処法、対策についてご紹介します。

リベンジポルノとは

まずはリベンジポルノがどういうものなのか、見ていきましょう。

リベンジポルノとは、元恋人や元配偶者が相手の性的な画像や動画を、相手の同意なしに公開・拡散する行為のことをいいます。

「リベンジ(revenge)」と「ポルノ(porn)」の2つの英単語を組み合わせた造語。そのまま直訳すると、リベンジは「復讐すること」、ポルノは「性的な興奮を引き起こす表現物」という意味になります。

日本でリベンジポルノが注目されるようになったのは、2013年に東京都三鷹市で起きた「三鷹ストーカー殺人事件」がきっかけです。
2011年に被害者と加害者はフェイスブックを通じて知り合い、交際を始めます。その後、被害者から別れを切り出され、激高した加害者が復讐のために、交際中に被害者から送られていた性的画像や動画をネットに投稿。その後、被害者はナイフで刺され亡くなりました。

この衝撃的な事件はメディアで大きく取り上げられ、そこでリベンジポルノというものが認識されるようになりました。

被害件数

リベンジポルノの相談件数は4年連続で増えており、警察庁のまとめによると、2018年の相談件数は過去最多となる1,347件を更新しました。

被害者の多くは女性で91.6%の1,257人、男性は8.4%の90人
年代別に見ていくと20代が515人(38.2%)、10代は352人(26.1%)、30代は254人(18.9%)、40代は158人(11.7%)
被害者と加害者の関係性は「交際相手(元を含む)」で61.6%、「知人友人(ネット関係のみ)」で11.1%、知人友人(それ以外)という結果でした。

そのうち実際に、「私事性的画像被害防止法違反」として検挙されたのは2018年で36件。被害が増えているのにも関わらず、なかなか検挙できていないのが現状です。

どのような画像がリベンジポルノになるのか?

では、どういったものがリベンジポルノに該当するのでしょうか。
2014年に成立・施行された「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」通称「リベンジポルノ防止法」では、リベンジポルノとされる画像のことを「私事性的画像記録」といい、以下のように定義しています。

①性交または性交類似行為に関係する人の姿態
例:異性間・同性間の性交行為、手淫・口淫行為など

②他人が人の性器等を触る行為、または人が他人の性器等を触る行為に関係する人の姿態であって、性欲を興奮させ、または刺激するもの
例:性器、肛門または乳首を触る行為など

③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され、または強調されるものであり、かつ性欲を興奮させ、または刺激するもの
例:全裸または半裸の状態で扇情的なポーズをとらせているものなど
(リベンジポルノ防止法第2条第1項より)

簡単に説明すると、第三者には見せないと約束して撮影した画像、もしくは交際相手にだけ見せるつもりで自ら撮影した画像、隠し撮りされた画像などです。

さらに上記のような内容で撮影されたデジタル画像や写真、ビデオテープ、CD-ROM、USBメモリなどを「私事性的画像記録物」と呼びます。

この定義は「児童ポルノ」をもとに決められていますが、大きな違いが一つあります。それは撮影対象者の年齢が、18歳未満に限定されていないことです。

罰則

リベンジポルノ防止法では罰則を大きく2つに分けています。

①「公表罪」
公表罪とは、撮影対象者を特定できる方法で、私事性的画像記録(物)を不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した者が対象。
対象者は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となります。

②「公表目的提供罪」
公表目的提供罪とは、公表する目的で、私事性的画像記録(物)を提供した者が対象。
対象者は1年以下の懲役、または30万円以下の罰金となります。

画像を公表する前段階である行為でも、罪に問われることになりました。

被害に遭ったら…回収・削除方法

もし、あなたがリベンジポルノの被害に遭ってしまったら…。ここからは、被害に遭った際の対処法についてご紹介してきます。

①警察に相談する

リベンジポルノの被害を受けて、まず第一に相談窓口として浮かぶのが警察です。各都道府県の警察には、「サイバー犯罪相談窓口」と「性犯罪被害相談電話窓口 #8103(ハートさん)」というものがあります。

加害者を捜査して逮捕してくれるのですが、必ずしもその被害届を受理してくれるわけではありません。

②セーフラインに通報する

リベンジポルノの被害に遭っても、それを警察や家族に自分の裸の画像を見られたくない人がほとんど。そんな方たちの力になってくれるのが「セーフライン」です。

セーフラインとは、インターネット事業を行う企業の有志によって設立された「一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)」が運営しているもの。2013年に設立されました。

セーフラインではリベンジポルノの被害を受けた方に代わり、無料で画像や動画を削除要請します。原則として被害を受けた本人もしくはその保護者からの通報を受け付けていて、国内外問わず削除要請可能です。

③個人で各媒体に削除依頼する

各媒体には窓口が設けてあるので、そこに削除依頼をします。TwitterやFacebookでは、それぞれリベンジポルノに該当する画像や動画の投稿を明確に禁じる規約を更新しています。その他にもYahooやGoogleで、申告があれば検索結果から画像を削除するようになりました。

ただし、削除依頼を出しても、すぐに対処してもらえるわけではなかったり、個人ではできることに限りがあるのが問題点です。

あくまで画像や動画だけを削除してほしいという方は、②のセーフラインを利用したほうがいいでしょう。

完全に回収・削除することは難しい!

削除してこれで安心。とは限りません。ネットに挙げられてしまった画像や動画は、そのサイトから削除されても、別の人がコピーしてしまえば永遠に残ってしまうのです。しかも、その拡散スピードは速く、気づいたら世界中の人に広まっています。

小中学生の被害が増えているSNSを使った性犯罪! 被害者・加害者にならないために!!

Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

ネットに自分の画像が挙がるということが、どれだけ危険なのか。ぜひ、その恐怖を忘れずにネットと付き合うようにしましょう。

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。

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