【今日の事件簿】女の周辺で10人の男が死亡。関西青酸連続死事件とは

5年前の11月19日に関西青酸連続死事件の犯人が逮捕されました。この事件は当時67歳の女が夫を始め、何人もの男性を青酸で殺害したとされる事件です。今回はこの事件を詳しく紹介していきます。

関西青酸連続死事件の概要

事件が発覚したのは2013年12月に京都府に住む当時75歳の男性Aが死亡し、司法解剖の結果、体内から青酸化合物が検出されたことでした。Aは結婚相談所を介して当時67歳の女と知りあい、2013年11月に結婚したばかりでした。警察が捜査に乗り出し、調べた結果、この女には約1000万円の借金があることがわかります。さらに、この女の周辺では1994年以降、10人の男性が死亡し、総額で数億円の遺産が女の手に渡っていることがわかったのです。

このため、この女による遺産目的の連続殺人が浮上し、警察はさらに捜査。大阪府貝塚市の当時71歳の男性Bは2010年10月ごろに結婚相談所を介して、この女との交際を始め、2012年3月にバイクを運転中転倒して死亡。死亡時の司法解剖では突発性の心停止と診断されましたが、男性Aの事件発覚後に警察が男性Bの血液を再鑑定したところ、致死量の2倍の青酸化合物が発見されました。Bの死後、女はマンションを売るなどして約2000万円の遺産を手にしていたそうです。

警察は2014(平成26)年11月18日に、夫である男性Aを殺害した容疑で逮捕。逮捕当時女は犯行を否認していましたが、後に金が自由にならなかったとの理由で殺害したことを認めました。2015年1月には男性Bの殺人容疑でも再逮捕。さらに女は2012年と2004年に結婚相談所を介して知り合った男性CとDも青酸を使って殺害した容疑がかけられ逮捕されました。女は2012年に知り合った死亡当時75歳の男性Cには、大阪伊丹市のレストランで青酸化合物を服用させ、青酸中毒に陥らせました。男性Cは2時間後に搬送先の病院で死亡。死亡当時の死因は肺がんとされましたが、病院搬送時の診察記録の調査で、青酸中毒に陥ったとしても矛盾がないと判断されたのです。

2004年に知り合った死亡当時79歳の男性Dには青酸化合物を飲ませ、神戸市の路上で青酸中毒にさせた疑いがもたれました。男性Dは2009年5月に死亡しています。女は投資目的で男性Dから4000万円を借りていました。借金の返済を免れる目的のために青酸化合物を飲ませたそうです。その他にも、奈良県在住だった死亡当時75歳の男性Eや大阪府松原市に住んでいた死亡当時75歳の男性F、兵庫県に住んでいた死亡当時68歳の男性Gなどの死にもこの女の関与が疑われました。女はEとFに関しても容疑を認めましたが、有力な物証が見つからず、結果、男性A・B・Cについては殺人罪で、男性Dについては殺人未遂で起訴されました。

犯人の女と裁判

3つの殺人罪と1つの殺人未遂の罪で起訴されたこの女は、製鉄業が盛んだった北九州で生まれ父親は製鉄会社に勤めていました。中学卒業後入学した高校は県内でも有数な名門高校で、東大や京大などの難関な国立大学への高い進学率を誇っていたそうです。女も大学進学を志望し教師からも国立大への進学を勧められましたが、家族が反対。大手銀行の地元の支店に就職しました。

そして、24歳の時に旅行先で知り合った男性と結婚し、大阪府貝塚市に移り住みました。夫とTシャツプリントの工場を営んでいましたが、経営は悪化し多額の借金を背負ってしまいます。さらに、夫が病気になり1994年には闘病生活の末に亡くなりました。それから約10年が経ち、数々の悪事を働くのです。

2017年6月に京都地方裁判所で第1審公判が裁判員裁判でおこなわれました。公判ではこの時認知症を抱えていた被告人の女の責任能力・訴訟能力と供述以外の直接証拠が乏しいことが争点となりました。10月の論告求刑公判で検察側は死刑を求刑。弁護側は最終弁論で無罪を主張しました。そして、2017年の11月京都地方裁判所は、女に対して検察の求刑通り死刑の判決を言い渡します。弁護側は即日控訴。大阪高等裁判所で2019年3月に控訴審初公判が開かれますが、2019年5月、大阪高等裁判所は第1審の死刑判決を支持し、控訴を棄却する判決を言い渡しました。弁護側はこの判決を不服として最高裁判所へ即日上告しています。

まとめ

今回紹介した事件は、現時点ではまだ刑が確定していません。しかし、地方裁判所と高等裁判所では死刑の判決が出ていますので、この女が事件を起こしたということ自体は、ほぼ間違いないことでしょう。この事件は女が複数の男性を騙して殺害し、遺産を奪うという事件です。詐欺や痴情もつれから殺人事件に発展することは多々ありますので、自分は大丈夫だとは思わずに防犯意識を高く持つことが大切となります。

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Moly.jp編集部

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