【今日の事件簿】新聞に投稿を載せただけなのに…名古屋市女子大生誘拐殺人事件

今から39年前の12月2日、名古屋市女子大生誘拐殺人事件が起きました。この事件は何の罪もない未来ある女子大生が犯人の借金返済という身勝手な理由によって誘拐され、殺されてしまった事件です。今回はこの名古屋市女子大生誘拐殺人事件について詳しく紹介していきます。

名古屋市女子大生誘拐殺人事件の概要

1980(昭和55)年12月2日、名古屋市港区に住む女子大生が1人の男によって誘拐されました。女子大生は名門と言われる大学に通い、新聞の告知板に家庭教師をする目的で「英語教えます」との投稿を載せていました。そして、12月2日に家庭教師の依頼の連絡があったため待ち合わせに向かい、そのまま誘拐されてしまったのです。その後、犯人から彼女の家に身代金を要求する電話があり3000万円が要求されます。家族は警察に連絡して20回以上のやり取りをしますが、結局身代金を渡すことも犯人逮捕にもいたりませんでした。

12月6日を最後に犯人からの連絡が途絶え、捜査本部は12月26日に公開捜査に切り換えます。すると、犯人の特徴とよく似た男がいるとの通報が入り警察が事情聴取。男は頑なに犯行を否定していましたが、身代金要求時の電話の声との声紋鑑定が決め手となり、1月20日に犯行を自供。女子大生を殺害したことも認め、その日の夕方に逮捕されました。女子大生の遺体は翌年の5月に見つかっています。

犯人の男と殺害まで

犯人の男は1950年に名古屋市で生まれ、中学を出て定時制高校に入学しますが中退。その後、鮮魚商を営んでいた大叔父の口利きで一宮市の飲食店で働くようになります。当時店の近くに競輪場があり競輪に凝っていました。1972年に窃盗事件を起こし退職した後は各地の飲食店を転々とし、その年の12月に大叔父の同業者が飲食店を開店することになり、その店主からの誘いを受け、そこで働くようになります。そして、店主の長女と相思相愛の関係となり1974年に結婚。2人の子どもにも恵まれました。

男はその後、妻の実家から独立しようと計画し準備を進めますが、店主である義父に現実味のない計画だと反対されてしまいます。妻は、初めは独立を了承していましたが父親が反対したことにより寝返って反対し始め、それが男にとって妻への愛情が冷める原因となりました。やがて男は同窓会で再開した女性と不倫関係となり、愛人となった女性のアパート代や家財道具代を自ら払い家庭と愛人宅の二重生活が始まります。さらに、結婚後は控えていたギャンブル熱が復活し、男は金銭的に窮するようになっていったのです。

事件前には借金の総額が2800万円と膨れ上がり、男は追いつめられていきます。そして、1980年11月25日、愛人宅で読んでいた新聞記事を見て女子大生の投稿を見つけ、誘拐して身代金を奪おうと思いつきます。実行する覚悟が決まらずいた11月29日、飲食店で仕事をしていたところ借金をしていた男から、借金返済の催促電話がかかってきます。

その日の夜には多数の男を引き連れて押しかけて来たため、男はその場で12月3日までには払う約束をしてしまい犯行への覚悟が決まりました。そして、12月1日の午後に被害者となる女子大生宅に電話をして、子どもの家庭教師を頼みたいと嘘を言い、翌日待ち合わせの約束を取り付け12月2日、誘拐を実行したのです。

男は誘拐の意図を気づかれないように女子大生を車に乗せ、家に送るふりをして人通りの少ない農道に停めると用意していたロープで首を絞めて殺害。遺体をレジャーシートに包んでトランクに隠し身代金の交渉へと移りました。この事件では犯人の男が女子大生の親に3000万円の身代金を要求した時点で、女子大生はすでに殺されていたのです。男は遺体をビニールシートに包み車に載せながら身代金を奪おうと努力をしますが上手くいかず、12月4日に遺体を橋から木曽川に投げ捨て、逮捕されるまで何食わぬ顔で過ごしていました。

裁判とその後

裁判で男は身代金を奪い取ることは12月4日の時点で諦めていたこと以外は、起訴事実を全面的に認めました。検察側は大胆で残忍、卑劣な犯行として死刑を求刑。1982年の3月の判決公判で、名古屋地方裁判所は検察側の求刑通り死刑の判決を言い渡しました。男は死刑を受け入れる体制ではありましたが、弁護人に控訴するように説得され控訴。裁判は最高裁判所まで進みますが、結局1987年7月に死刑判決が確定しました。

まとめ

今回の事件では女子大生が家庭教師をやるとの旨を新聞に投稿したことによって、事件に巻き込まれてしまいました。被害者となった女子大生には何の落ち度もなく、何も悪いことをしていません。この事件を知ると、どんな人間でもこうした犯罪に巻き込まれてしまう可能性があることがわかります。特に女性は力も弱く犯罪に巻き込まれやすいので、防犯意識を高く持ち、できる限りの対策をしましょう。

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Moly.jp編集部

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