【今日の事件簿】犯人の少女の発言に衝撃!名古屋大学女子学生殺人事件とは

今から4年前の12月7日、名古屋大学女子学生殺人事件が起きました。この事件は当時19歳の名古屋大学に通う女子学生が、当時77歳の知人女性を殺害した事件で、少女の「子どものころから人を殺してみたかった」という言葉は世間に衝撃を与えました。今回は、この名古屋大学女子学生殺人事件について紹介していきます。

名古屋大学女子学生殺人事件の概要

2014(平成26)年の12月7日、当時77歳の女性が行方不明になりました。不審に思った女性の夫が警察に捜索願を提出。警察が女性を捜索したところ最後に会ったのは名古屋大学に通う当時19歳の少女だということがわかります。少女はこの時宮城県にある実家に帰省しており、警察が連絡をして名古屋に戻ったのは2015年の1月26日でした。

翌日の1月27日に少女を任意で事情聴取。少女の言動に不審な点があり警察官が少女を連れて名古屋市にあるアパートを訪れたところ、浴室で女性の遺体が発見され少女は殺人容疑で逮捕されました。

犯人の少女と多くの余罪

この事件で逮捕された少女は両親と妹の4人家族で、ごく普通に育ちました。しかし、小学校2年生のときに文房具を万引きしようとし、小学校6年生のときには担任教師の給食にホウ酸を混入しようとするなどの問題行動が目立ちました。中学生になると表面上は一般的な女子中学生と変わりませんでしたが、内面的には狂気が進行していました。ある時、母親が神戸児童殺傷事件のことを話すと「自分と同じ年でそんなことできるなんてすごい」と称賛し、友人には「酒鬼薔薇聖斗を尊敬している」と話していたそうです。両親は少女の異常性に気づきましたが、その時は思春期ならではの一時的な感情の揺れだと、大ごとにはしませんでした。

妹によると、少女が中学3年生くらいになると「毒殺したい。人を殺したい」と言うようになり、高校生になるとほぼ毎日のように「人を殺してみたい」と言っていたそうです。実際に中学生になると斧や鎌、ナイフを購入し、高校生になると行動はエスカレートします。そのときは事件が明るみになることはありませんでしたが、ある日少女の席の隣だった男子生徒が腹痛や脱毛、視力障害や歩行障害などを起こして入院します。原因は劇物である硫酸タリウムを飲まされたことによる中毒症状でした。その硫酸タリウムを飲ませたのが隣の席の少女だったのです。後の裁判で少女は「中毒症状の観察が目的だった」と述べ、殺意は否定しました。

名古屋大学の理学部に入学した少女は18歳以下では買えない薬剤を堂々と購入できると喜びます。両親は少女の異変に気付き、犯罪を称賛する少女をたしなめると、少女は両親に向かって「あんたはもっと早く精神科に私を連れていくべきだったね」と言いました。それがきっかけで母親は犯行の約3カ月前に少女が帰省した際、仙台市にある発達障害センターに連れていきます。そこで名古屋の発達支援センターを紹介されますが、結局受診できないまま少女は今回の事件を起こしてしまうのです。

事件当日の午前、少女は宗教の勧誘で知り合った被害女性と宗教団体の集会に参加しました。集会が終了した昼ごろ女性に「聞きたいことがたくさんある」と話を持ち掛け、女性を名古屋市内の自宅アパートに誘い込みます。そして、用意していた斧で数回殴り、マフラーで首を絞めるなどして殺害。マフラーを首に巻いた状態で浴室に横たわらせました。実験結果を記録するため女性の写真を数枚撮り、翌日に宮城県の実家に帰ってしまいます。少女は遺体を自宅アパートに1カ月以上放置し、その後逮捕されました。

捜査の結果、高校時代に同級生に硫酸タリウムを飲ませたほかに、同じ時期にカラオケに誘った中学時代の同級生にも硫酸タリウムを飲ませたことが判明。また、大学時代に帰省した際、実家近くの住宅を放火しようとした事件などが発覚し世間を驚かせました。

裁判

2017年1月、名古屋地方裁判所で裁判員裁判がおこなわれました。少女は今回の殺人事件と放火未遂事件については認めましたが、タリウム事件については観察目的だとして殺意を否定。弁護側は非常に重い精神障害を理由に、責任能力はなかったとして無罪を主張しましたが、同年3月少女に無期懲役の判決が言い渡されました。被告側は控訴し2017年10月に名古屋高等裁判所での控訴審が開かれます。

しかし、ここでも1審同様に完全責任能力を認め2018年3月に控訴を棄却する判決を言い渡されます。被告側は2018年4月に最高裁判所へ上告。最高裁判所でも2019年10月、上告を棄却する決定を出したため無期懲役が確定しました。

まとめ

今回紹介した事件は「人を殺してみたい」という異常とも言える身勝手な思いで、何も罪のない親切心から関わった年配の女性が殺害されてしまった事件です。女性同士だから大丈夫だという概念が覆ってしまった事件でもありました。いつどこで何をされるかわからなく恐怖すら覚える事件ですが油断することなく、今自分ができる防犯対策をすることが大切です。

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この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

この事件では各種報道でも盛んに話されましたが、犯人の殺人願望が幼少期より存在し、それが最終的に”行動化”したという後味の悪い事件でした。やはりそうなる前に、周囲や家族が止められなかったのか、そしてその願望が顕在化する直前の虞犯(ぐはん)状況で何とか行政機関も含めて見つけてあげ羅れなかったのか、仕組みが求められていると感じています。

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。

Moly.jp編集部

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