メンタルケア心理士が教える「子どもがSNSを使う心理と危険性、そして家族にできること」

『30代男性が小6女児を誘拐監禁する』という親にとって本当に怖い事件が起こりました。この事件は、「Twitter」という同じ趣味や悩みを持つ者同士を結びつけるSNSがきっかけになったと報道されています。

子どもがSNSを利用する機会が増え、犯罪に巻き込まれる事態が急増しています。「まさか、うちの子が!」ということが実際に身近に起きているのです。

このような事態に巻き込まれないためにも、普段からSNS利用の危険性を家族間で共有し、子どもに伝える必要があります。

子どものインターネット利用状況

平成31年2月に「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」が発表されました。調査結果を見てみますと、青少年の93.2%がスマホ・タブレット・携帯ゲーム機・パソコンのいずれかの機器を使用してインターネットを利用しています。

インターネットを利用する機器別で見てみますと、

1位:スマートフォン(62.8%)
2位:携帯ゲーム機(30.3%)
3位:タブレット(30.2%)
となっています。

もう少し細かく見ていきますと、小学生のインターネット利用率は85.6%、中学生においては95.1%です。ここ数年で利用状況はかなり上がってきており、インターネットを通じてオンラインゲームやSNSなどを利用する子どもたちが増えていることは明らかです。

SNSの危険性

インスタグラムやTwitter、FacebookやLINEなどのSNSでは、写真を投稿したりダイレクトメッセージを送ったりすることができます。便利ですし、「自分を知ってもらいたい・認めてもらいたい」という気持ちを満たすこともできます。しかし、使い方次第で危険が身近になってしまう理由を知っておかなければなりません。

子どものSNS利用で危険なのは以下の3点です。

1.個人情報の流出

自分や他人の本名や住所といった個人的な情報を知られてしまうことです。近年では自宅近くで撮影した写真から住居を知られてしまうという事件もありました。

2.依存

友達同士でグループを組んでやり取りをしていたりすると目が離せずスマホがそばにないと仲間外れになるのではないかと心配になります。そのため、依存傾向になってしまうということもあります。

3.犯罪に巻き込まれる

今回の小6女児誘拐監禁事件のようなことです。見ず知らずの相手と面識なしのやり取りをしただけで相手を信用してしまい、実際に会いに行って犯罪に巻き込まれてしまいます。

その他に“ながら行為”によっての交通事故なども挙げられますが、危険度が高いと考えられるのは以上の3つだと考えています。

著者がカウンセリングを行っている子どもたちの中にも、SNSでのトラブルに巻き込まれたという例がありましたので、いくつか紹介したいと思います。

・SNSが原因でいじめの対象となり不登校となってしまった
・SNSでやり取りをしていた相手から執拗にメッセージがきた(会うように迫られた)

このように相手から何かされるという危険性が多いようです。

子どもたちの中には、SNSのアカウントを複数持っていて、うまく使い分けをしていることがある子がいます。「裏アカ(裏アカウント)」などと呼ばれているのでご存知かもしれません。アカウントの数で多ければ多いほど危険度は増していきます。

子どもがSNSを利用してしまう理由

学校や親がこんなにもSNSの危険性を話しているのにも関わらず子どもが利用してしまうのでしょう。子どもたちが、SNSを利用するのには理由があります。注目したいのは、10代の子どもの心の背景です。

・寂しい(ずっとつながっていたい気持ち)
・自分をわかってほしい
・話を聞いてほしい
・冒険してみたい
などです。

小学校高学年や中学生の頃は、親や先生の言うことよりも友達の意見が大切だと感じる時期です。反抗期も始まり、心の奥底にある気持ちとは裏腹な発言をしてしまうことも多いので、親はイライラしてしまうことが多いと思います。

実は、子どもたちもイライラする原因がわからないことが多いのです。自分の存在価値や成績のこと、人間関係など多くの悩みを抱えています。しかし、「どうしていいのかわからない」・「親に相談してもわかってもらえない」と感じている場合が多いために、どうしても反抗的な態度に出てしまいます。

その点、SNSを利用すれば悩みを分かち合える仲間がいたり、理解を示してくれる先輩がいたりするので、親と話してイライラするよりもそちらを選んでしまうのでしょう。だからこそ、家族間のコミュニケーションが大切になってきます。

家族間でコミュニケーションを取るために

10代の子どもたちは、親の話を聞かないことも多いと書きました。しかし、親も子どもの気持ちを汲み取ってコミュニケーションを取ることは十分にできます。

1.大切なのは、子どもに寄り添うこと

寄り添うといっても子どもを押さえつけるような言い方や行動を制限しようとするのではありません。子どもの「以前の状態」から「今の状態」への変化を認めてあげることです。

【例】
「前回のテストの点数や偏差値などが上がったね」
「4月より背が伸びて、顔つきも大人っぽくなってきた」
「勉強する時間が前よりも長くなって本気度が感じられるよ、すごいね」などです。

親に叱られてばかりいると、子どもは「どうせ自分は…」と思い、どうしても自己評価や自己肯定感が低くなります。しかし、上記のような親の一言で自己評価を上げる手助けができます。子どもは、「そんなことない」とか無言で通り過ぎるとかしますが、耳にはしっかり届いているはずです。だから、声にして子どもに声をかけてあげましょう。

2.危険性を伝える

SNSの危険性についてのおたよりを学校から持ち帰ってきた時を利用しましょう。犯罪に巻き込まれることがどんなに恐ろしく、どんな手を使って子どもに近づいてくるのかを話しましょう。子どものわかりやすい言葉で長話にならないことがポイントです。

長々と話をしても10代の子どもたちは耳を傾けようとしないでしょう。「自分だけは大丈夫」と思っていることが多いですから注意が必要です。「ネットで知り合った人とは会わないこと!」など短い言葉で注意を促すだけでも心に届きます。(家庭のルールとして話してもいいかと思います)

3.親にしてほしい3つの関わり方

子どもが10代になったら、関われる範囲が狭くなってきます。まずは、居場所(安心して生活できる)となる衣食住の部分の確保です。外で何かあっても家の中にいたら安全と思える空間にしておくことが大切です。

次に、子どもが助けを求めてきたときにいつでも動ける体勢でいること。意地悪なことを言われたなど親にSOSを求めてきた時こそ、親の出番です。

最後に、励ましです。学校や勉強、人間関係などが子どももしんどいと感じる時期です。SNS上に逃げたくなることも多々あるでしょう。しかし、そこに付け込んでくる人もいます。SNSに逃げ込ませないように、頑張っていることを評価して小さいことでも「がんばっているね」と励まして、時には甘い物を一緒に食べるなどしてあげることで逃げ込ませないようにすることだってできます。

そのためには、普段から子どもの状態をよく観察し見守り、反抗的な態度を取ってきたとしても、決して子供の手を離さないようにしましょう。

この記事の監修
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桜井 涼
メンタルケア心理士/ライター

新潟県出身の元学習塾講師のメンタルケア心理士。「地球が滅亡しても生きていける」と言われていた自衛官の父からサバイバルや防犯に関するトレーニングを受けて育つ。塾講師時代より子どもの心の動きに興味を持ち、メンタルケア心理士の資格を取得。2009年より文筆家として活動。ストーカー被害に遭ったことをきっかけに、心理学を通して女性や子どもの防犯を呼び掛けている。

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Moly.jp編集部

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