【思わず背筋がゾッとする…】急増する児童虐待とブラックすぎる児童相談所の実態

幼い子どもの命が脅かされるような事件が連日報道され、児童虐待は今や社会的な問題となっています。
どのくらい多いのか、防止策は考えられているのか、そして今後の課題について紹介します。

急増する児童虐待相談対応件数

厚生労働省が公表している児童虐待相談対応件数は、年々増加しています。
しかも、ただ増加しているわけではなく、爆発的といってもよい急増傾向
にあります。

出典:厚労省ホームページ 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数」

特に1998年(平成10年)以降の増加はすさまじく、1998年の6,932件から2018年の159,850件を比べてみると、およそ23倍という異常な増え方です。なぜ急増しているのか、その理由についてはいくつか考えられます。

そもそも「虐待」の定義が変わった

虐待=暴力というイメージがありますが、大声で怒鳴る・ネグレクト・無視・兄弟間差別といった心理的な虐待もあります。
相談対応件数の中でも、特にこの心理的な虐待による通報・相談が急増しているため、全体的な対応件数にも影響しているようです。

出典:厚労省ホームページ 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数」

警察や近隣住民からの通告・相談が増加

児童相談所に誰が通告してきたか、という統計を見てみると、警察から児童相談所に通告しているケースが最も多いです。


出典:厚労省ホームページ 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数」

児童虐待防止法が2004年(平成16年)に改正された際、未成年の子どもがいる家庭でDVの疑いがある時は児童相談所へ通告するよう、警察庁から全国の警察へ指示が出ました。そのため、児童虐待の疑いがある場合は、警察から職務の一環として児童相談所へ通告されます。

次に相談経路として多いのが近隣の知人からで、全体の約13%を占めています。
これまでは別家庭のことには立ち入らないという意識が一般的でしたが、子どもに対する暴力の可能性があるならば通報した方がよい、という意識に変わってきたためと考えられます。

地方での通報が増えている

さらに、興味深いのは地域性です。
都道府県別相談対応件数は、東京・埼玉・大阪といった大都市圏で10,000万件を超えていますが、2017年(平成29年)から2018年(平成30年)の増加率に注目してみると、沖縄県、島根県、長崎県、佐賀県、山口県といった地方で相談対応件数が急増しています。
さらに、政令指定都市別で見ると、福岡市が148%と圧倒的
です。


出典:厚労省ホームページ 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)及び児童相談所での児童虐待相談対応件数」

我が子を冷蔵庫に…児童虐待による悲惨な事例

虐待ホットラインの無料化でより通告・相談しやすくなった

急増する児童虐待への身近な対策として、虐待ホットラインが挙げられます。
虐待ホットラインとは、子どもや子育てについて児童相談所に通告・通報・相談ができる専用ダイヤルで、匿名での相談可能、どのような内容を話したのかなども秘密にされます。
2015年(平成27年)から覚えやすい3桁の#189ナンバーとなり、子どもを守る防止策として浸透しています。

実は、これまで虐待ホットラインは有料ダイヤルで、携帯電話からの通報だと3分の通話で100円弱の通話料がかかっていました。
しかし、児童虐待の相談対応件数の急増や凶悪な事件の増加といった背景から、特に緊急性が高いと思われる通報に対して通話料の無料化、「児童相談所虐待対応ダイヤル」と名称変更が行われることになりました。
一部IP電話からは不可ですが、2019年(令和元年)12月3日AM8:00よりスタートしています。

また、虐待ホットラインでは、過去に虐待を受けたトラウマに苦しんでいる方や子供を虐待してしまう方からの相談も可能です。
そのような相談にも引き続き対応していくため、有料ではあるものの相談ダイヤルを新設することが決定しています。

児童虐待とは?厚労省が定める定義はこちら

相談を受ける側の負担軽減が急務

「児童相談所虐待対応ダイヤル」という虐待ホットラインの無料化により、より児童虐待に対して通告・通報・相談しやすい制度が整ってきました。そこで、今後考えていかなければならない課題として、児童相談所職員のブラックな働き方が指摘されています。

現在、児童相談所の役割とされている業務は以下の通りです。

・児童虐待により、子どもの人権や生命の安全が守られない危険性がある
・保護者の病気、死亡、離婚といった事情で、子どもの行く先がなくなってしまった
・子どもが障害を持っているなど、親子の関係性構築がうまくできない
・子どもがいじめにあっている、いじめている
・子どもの不登校など、子育てに関する悩みを抱えている
・子どもの発達が年齢不相応で不安
・子どもが窃盗や暴力、性犯罪、薬物などの犯罪にかかわっている可能性がある など

児童虐待以外にも、子ども・育児の孤立化防止など子どもが関わる問題の通報・相談に児童福祉司や医療関係の資格保持者が対応し、行政や医療機関、警察など関係各所との調整、情報提供も担っています。

もちろん、熱意を持って支援・対応してくれる職員も多くいらっしゃいますが、児童虐待の相談対応件数が急増しているということもあり、激務の状態が何年も続いていると言われています。
中には、心身ともに健康を損ねてしまったり、自らの子どもや家族との関係構築に影響している事例も少なくないようです。

まとめ

児童虐待は、幼い子どもの命が脅かされる、失われてしまう事件もあり、防止策として虐待ホットラインの無料化などが行われています。しかし、あまりの激務に長く続けられず人材が育たない悪循環に陥っている児童相談所も多いと言われていて、必要十分な対応ができているかどうかは疑問が残るのが現状です。

今後の課題として、対策が急務と言えるのではないでしょうか。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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