“レイプ神話”についてあなたはどう思?知っておきたいレイプ・カルチャーについて

日本は比較的安全な国と言われていますが、実は犯罪被害者に対しての配慮がまだまだ行き届いていない面もあります。それを示す理由の1つがレイプ・カルチャーです。

日本の性犯罪被害の状況

そもそも、日本で起こる性犯罪はどのような傾向があるのでしょうか?

出典:平成30年の刑法犯に関する統計資料 警察庁ホームページ

上図の警察庁統計によると、2009年(平成21年)から2018年までの10年間で、検挙率は2009年が82.2%、2018が91.0%とやや改善気味です。

出典:平成30年の刑法犯に関する統計資料 警察庁ホームページ

加害者と被害者の関係性の推移を見ると2009年は検挙件数1,068件に対し、面識なし621件、面識あり447件です。その後、2013年にほぼ同数になったのを区切りに2014年以降は面識ありの場合とそうでない場合が逆転しています。2018年には面識なし410件、面識あり755件と、身近な人が加害者となる性犯罪が増えています。

出典:平成30年の刑法犯に関する統計資料 警察庁ホームページ

年齢別の検挙人員を見てみると、人口10万人あたりの比率はほぼ横ばい状態です。最も検挙人員が多い20-29歳でも、ここ10年はほぼ2%台で推移しています。

数字に見えない被害者

「わずか2%」というと少ないように感じますが、果たして本当にそうなのでしょうか?実は、統計上の数字はあくまでも氷山の一角で、被害女性はもっと多いのではないかという声は少なくありません。

「# Me TOO」

例えば、「#Me TOO 」運動も表に出ない被害者の存在に思い至らせるものの1つです。発端は、アメリカの女優がセクハラ被害を公表したこと。

その際に「# Me TOO」というハッシュタグを使って、性犯罪被害やセクハラ被害にあった女性たちに泣き寝入りしないよう、呼びかけられました。もちろん、アメリカと日本では文化的な違いはありますが、海外と同様に日本でも多くの反響があり、「泣き寝入りしている人が多いのでは?」と潜在的に感じている人が多いことを、教えてくれるムーブメントだったのではないでしょうか?

レイプ・カルチャーとは?

なぜ「#Me TOO」運動に多くの女性がリアクションしたのか…ということを考えた時、その背景には「レイプ・カルチャー」があります。

レイプ・カルチャーとは、レイプ「しない」ように教えるのではなく、「されない」ように教えられる文化のこと。つまり、性暴力があって当たり前という前提の社会で、レイプ・カルチャー=レイプ神話とも呼ばれます。

例えば…
・露出の多い服装はしない
・飲み会の席、外出中、旅行先など、シチュエーション別に、それぞれ性犯罪被害にあわないような服装や立ち振る舞いをしないといけない
・どんな事情があろうと、夜道を1人で歩いてはいけない
・お酒を飲んではいけない、もしくは完全に酔わないようにセーブする
・周囲の人が、自分に対してレイプやセクハラの意思をもっていないか常に警戒する
・1人暮らしであれば、オートロックや防犯カメラ完備の物件以外に住んではならない など

もし、こうした注意を怠ったと考えられるのであれば、レイプやセクハラといった性犯罪被害にあっても、「注意を怠ったあなたが悪い」と被害者の落ち度と認識されます。
根底にあるものは、ハロウィンで痴漢被害にあった女性を非難する声と同じです。「いつ、どこで、どのように過ごしていたら性犯罪の被害者になっても仕方ない、むしろ自分から被害を受けようとしている」というロジックで声をあげられなくなってしまうのです。

▶︎渋谷ハロウィンの怖い実態はこちら

SNSでもレイプ・カルチャー容認派が…

実際にSNSなどの投稿でも、レイプ・カルチャーの考え方を基礎とする投稿も決して少なくないのが現状です。

性犯罪に対する誤解

性犯罪に対して誤解する人が多い点の1つが、「なぜ加害者は性犯罪を行うのか?」という点です。レイプやセクハラなど、一見性欲を満たすため、性欲を抑えきれなくて…と思われがちですが、実は、根底にあるのは性欲ではなく支配欲です。

実際、レイプに限らず痴漢やセクハラは加害者が被害者の上司や雇用主であるなど、目上と目下の関係だったり、抵抗しない大人しそうな見た目の人が狙われやすい傾向があるなどの特徴も指摘されています。

まとめ

レイプ・カルチャー最大の問題点は、犯罪者である加害者ではなく被害にあった側に厳しい視線が投げられてしまうこと。被害者が対策しなければならないのに、加害者になる可能性がある人に対しては何の対策も取られないことも指摘されています。

新しい時代の節目に、改めてなぜレイプ・カルチャーがなぜおかしいのか、どうすれば被害者や被害者になる可能性がある方たちが生きやすくなるのかを考えてみませんか?

▶︎被害者は190人も?悪夢のような事件から考える、男性にも起こりうるレイプドラッグの危険性

Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

関連記事

  1. 【即実践】これで通勤通学は怖くない、電車内での痴漢対策!

    【即実践】これで通勤通学は怖くない、電車内での痴漢対策!

  2. もしも性犯罪被害にあったら…知っておきたい対処法

  3. 【盗難被害のリスク増】自転車の防犯登録には有効期限があるって知ってましたか?

  4. 【要注意】デートDVかもしれないその行動、気づけていますか?

  5. 11月25日~12月1日は「犯罪被害者週間」覚えておきたい相談窓口

  6. 【必見】6月9日はロックの日!覚えやすく強力なパスワードを設定する方法を大公開!

  7. 【どこが1番いい?】携帯電話大手3社の詐欺被害補償比較

  8. 【冬の防災対策】意外と知らない消火器の取り扱い方や設置場所をチェック!

  9. 【執行猶予なし懲役刑の可能性も】再犯率の高い覚せい剤。周囲の人間ができるサポートはあるのか?

Moly.jp公式メルマガ

↓ Moly.jp公式メルマガです ↓

【防犯ジャーナリスト河合成樹】が最新の人気記事の独自紹介や裏話、お得な防犯グッズのご紹介や緊急防犯対策などを配信します。ぜひ、読者登録をお願いします

※メルマガにご登録していただいた情報は非公開の上、厳重に管理します。詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

人気記事

  1. 実は不審者は目立たない? その特徴とは
PAGE TOP