【SNSが入り口】20代以下の相談が急増!「モノなし○○○商法」被害って知ってる?

こんにちは。これまで本メディアで10回に渡り詐欺業界の裏側についてお話ししてきたNです。この度、Molyさんのご好意でまた連載させて頂く事になりました。今連載のテーマは、「最新詐欺事情の解説」です。特殊詐欺・悪徳商法に深く関わった者として、自衛に繋がる知識を読者の皆様と共有し、詐欺や悪徳商法がゼロになる世の中に少しでも近づく事に微力ながら貢献出来れば、と思っております。

本日は「モノなしマルチ商法」を取り上げます。
マルチ商法といえば健康食品や化粧品などモノを販売するケースが多いですが、モノではなく「入会金」や「投資」名目で金銭を騙し取られるケースが最近増えています。
さらに、Moly.jpの読者層(特に10代・20代)を狙ったモノなしマルチ商法が増えています。(国民生活センターへの29歳以下からの相談件数が、過去5年間で3倍以上に急増)

該当しない方でも、この年代のお子様がいらっしゃる方であれば十分にコミュニケーションを取って、この手の悪質商法に引っかからないように情報を共有すべきです。

この「モノあり」でも「モノなし」でも基本的な手口は変わりません。
2つの違いは、
1.(文字通り)モノがない
2.詐欺師側が利用するツール(=被害者との接点に用いる手段)にSNSを用いる事がある
*ただし、ツールはSNSを入り口にしたものだけでなく、従来と同様友人・知人を介したものもありますのでご注意ください。

これまでに何度も申し上げていますが、詐欺や悪徳商法に対する自衛の一つは「実際の詐欺事例に触れておく」事です。それはマルチ商法でも変わりません。では見ていきましょう。

【詐欺事案】

「モノなしマルチ商法」の例

配当や紹介料が入ると勧誘され出資したが、仕組みが分からず不審だ
 中学時代の友人からいい話があるから会わないかという電話があり、レストランで会った。別の勧誘者も同席し、「海外の不動産に投資をすれば仮想通貨で配当があるので、消費者金融で借金をしても埋め合わせができる。投資者を紹介すれば紹介料を受け取ることができるので、借金の返済は簡単だ」と説明を受けた。学生だと借金できないので結婚式の費用として借りるように指示され、消費者金融4社から総額約130万円を借金して、代金を友人に手渡した。

しかし、契約書面や領収書は受け取っておらず、セミナーにも参加したが投資の仕組みの説明は全くなかった。友人に解約の連絡をしたところ、半額しか返金できないと言われた。(20歳代 男性)

出典:独立行政法人国民生活センター

【手口概要】

1.友人・知人やSNSで知り合った人間に「いい話があるから会いたい」などと言われる
2.会ってみると、「◯◯に投資すれば仮想通貨の配当がある」「株の勉強会のメンバーになれば必ず儲かる」などと勧誘される
*その際、「あなたが別の投資者を勧誘・紹介すれば投資額の△△%受け取れる」などとも言われます
*さらには、「お金がないなら借金をしよう。すぐに取り戻せる」などと借金を勧められます
3.すぐにお金を出さない相手にはセミナーなどに参加させ、少しずつその気にさせる

<ポイント!>
1.「仮想通貨」などの新しい用語を用いるなどして、これまでの「モノあり」マルチ商法と異なる点を強調する
2.「損はしない」「必ず儲かる」などの詐欺の常套句を用いる

【1.ターゲット】

誰でもターゲットになり得ます。ただし、特にお人好しの方や世間知らずの方(例えば、上京して間もない方、社会人経験の少ない方など)が絶好のターゲットになり得ます。
詐欺師側が用いるツール(=被害者側との接点)としては、
1.実際の友人・知人を直接勧誘する
2.マッチングアプリなどのSNSで知り合った相手を誘い込む
*SNSを用いた場合、相手の連絡先や素性を知らないで騙されるケースが目立っています。「知っている連絡先はLINEだけ…」なんて事もあるようです

【2.被害金額】

数十万円~数百万円
*平均で約52万円
*自身の貯金や知人に借りる他、消費者金融で借金をして契約するケースも多いです。マルチ商法であっても、騙す側は被害者側のお金の出どころに興味はなく、「取れるだけ」取ろうとします。

【3.考えられる主な二次被害】

1.追加出資
*特に最初に少しでも配当などのリターンがある場合、より深みにハマってしまいやすくなります

2.被害金返還詐欺
*そのマルチ商法が破綻した後、「被害金を取り戻す事ができる。集団訴訟への登録料が必要」などといい、金銭を騙し取られるケースが考えられます。

【4.見極めのポイント】

勧誘を受けている中で必ずマルチ商法に登場する単語が出てきますので該当キーワードがないかアンテナを張って下さい。
特に「必ず儲かる(損はしない)」「別の誰かを紹介すれば報酬が得られる」です。また、「仮想通貨」などの比較的新しい用語にも注意が必要です。
*今後もしばらくはモノなしマルチ商法が増えると考えられます。その際に最新用語を使って「従来とは異なる感」を醸し出そうとするはずです

【5.対策】

マルチ商法は勧誘から金銭詐取までわりと時間があります。
すなわち、冷静に判断し詐欺を回避出来るチャンスが多く存在します。古典的ですが、主な対策は2つです。
1.「『必ず儲かる』話など存在しない」ことを念頭におく
*仮にあったとして、あなたはそこまで特別なコネを持った人間なのでしょうか?
2.(友人・知人から勧誘された場合)家族や第三者に相談する

【6.騙された後の対処法】

まず出資したお金は戻ってこないものとして考えて下さい。
その上で、
1.警察や国民生活センターに相談し、可能な場合クーリングオフの請求を行う
*ただし、必要な特にSNSで知り合った相手に勧誘された場合、実態がよく分からないケースが多くクーリングオフが適用しづらいです。

2.追加出資や二次被害に留意する

【7.元詐欺師の視点とまとめ】

私は大学生の頃(15年ほど前)、寮生活をしていました。その寮では100名ほど暮らしていたのですが、一時期マルチ商法の勧誘が問題になった事がありました。勧誘していた人間は退寮処分となり、その後どうなったかは分かりません。その中には仲の良かった友人もおりました(もちろんその後、連絡は取っておりません)。

今も昔も存在するマルチ商法ですが、今回ご紹介したモノなしマルチ商法も基本的な手口は同じです。マルチ商法に参加した場合、行く末は3つです。
1.加害者になる
2.被害者になる
3.加害者にも被害者にもなる
前述していますが、マルチ商法は冷静な思考を取り戻せるチャンスがあります。実際の事例に触れておく事でその可能性を高められますので、お時間があればもう一度振り返ってみて下さい。

以上が今回取り上げた詐欺事案に対する私の見解です。

▶︎【ポイントは切手?】本物っぽい○○ハガキを送ることで相手を騙す架空請求の手口とは

Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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