【今日の事件簿】男子生徒が女性教師に「キレる」…栃木女性教師刺殺事件とは

今から22年前の1月28日、栃木女性教師刺殺事件が起きました。この事件は当時13歳の男子生徒が当時26歳の女性教師を学校内で刺殺したという衝撃的な事件です。今回はこの栃木女性教師刺殺事件について紹介していきます。

栃木女性教師刺殺事件の概要

1998(平成10)年1月28日、栃木県黒磯市(現在の那須塩原市)の中学校で3時間目が終わった後に女性教師が男子生徒にナイフで刺されるという事件が起きました。刺された女性教師は腹や胸、背中などを少なくとも7カ所刺されており、男子生徒は女性教師が倒れた後も内蔵が破裂するほど蹴り続けました。

この時一緒にいた友人は驚き教室に駆け込み隣の教室から男性教師が飛び出して男子生徒を取り押さえ、通報を受けた警察官によって拘束されました。刺された女性教師はすぐ病院へ運ばれましたが、運ばれた時にはすでに心肺が停止状態で1時間後に出血多量によって死亡が確認されました。胸を刺された一撃が致命傷だったとされています。

犯人の少年と犯行が起きるまで

事件を起こした男子生徒は黒磯市で酪農農家をする一家に生まれ、3人兄弟の末っ子でした。普段から感情を適切に制御できない傾向がみられ、夜は母親と一緒に寝ていたそうです。小学校までサッカーをやりレギュラーでしたが、中学に入ると本当は嫌いだったというサッカーを辞めテニス部に入ります。しかし、膝の病気で激しい運動を禁止され、せっかく好きになったテニスもできなくなり、強いストレスを感じるようになったそうです。

学業の成績は小学6年までは良かったものの、中学に入ると思うように伸びませんでした。特に英語が苦手となり刺殺した女性教師は英語の担当教諭で、男子生徒は女性教師からたびたび注意を受けており日ごろから反感を抱いていたそうです。ある時4日連続で学校を休んだ月がありテストが不安だと母親に漏らし、担任が5度ほど自宅を訪問しています。

事件を起こす前の2学期には保健室利用が増え、苦手だった英語の授業の前にはよく保健室に避難し養護教諭から精神的に不安定と判断されていました。この時も何度か担任が自宅を訪問しています。事件の2、3週間前には刃渡り10cmのバタフライナイフを購入し、常に持ち歩いていました。そして、事件当日の1998年1月28日、校内放送で英語の課題未定出者が全校に放送され、男子生徒は女性教師への反感を強めます。さらに、朝から気分が悪かった男子生徒は3時間目が英語ということもあり、2時間目の国語の授業が終わると保健室に行きます。

体温を測ったところ異常がなかったため教室に戻るようにいわれ、男子生徒は教室に戻る途中トイレに寄り、さらに友達と雑談もして英語の授業に10分遅れました。教室に入ると女性教師から注意を受け、男子生徒はノートを開き、芯を出さないままシャープペンシルで無茶苦茶に書きノートを破り捨てたそうです。さらに席が近い友達と漫画の話をしていたため女性教師から再び注意を受けます。男子生徒は教師を睨みつけますが教師は無視。プライドを傷つけられ授業が終わる寸前に「ぶっ殺してやる」と小さな声でつぶやくのを友達が聞いています。

授業が終わると女性教師は男子生徒と話をしていた友達を廊下に呼び出し、注意をします。すると男子生徒はいきなり右ポケットからバタフライナイフを取り出し、教師の左首筋に当て恫喝。教師がひるむことなく注意をすると、罵声を浴びせながら女性教師の腹を刺しました。この事件及び前年に発生した児童連続殺傷事件の影響により、バタフライナイフなど鋭利な刃物類の販売に規制がかかり、さらに「キレる」という言葉が社会に定着したそうです。

少年の措置とその後

警察に拘束された男子生徒は、県北児童相談所によって宇都宮家庭裁判所に送致され、少年法に基づき教護院に送致されました。また、女性教師の遺族が男子生徒の両親を相手取り、1億3800万円の損害賠償請求の訴訟を起こします。そして、2004年の9月、宇都宮地方裁判所は男性生徒の両親に対し、8200万円の支払いを命じる判決を下しました。

まとめ

今回紹介した事件は中学校で生徒が教師を殺害するという、社会に衝撃を与えた事件でした。この事件で生徒が学校にナイフを持ち込むことが問題となり、各学校での所持品検査の是非を問う議論が起こったそうです。ともあれ、こうした事件を知ると、いつどこでどんな事件が起きても不思議ではないことを痛感します。過剰に怯える必要はありませんが、日ごろから防犯意識を持ち、できる限りの対策をしていきましょう。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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