【今日の事件簿】火をつけた動機は蓄膿症?「火曜日の放火魔事件」とは

今から43年前の2月1日、火曜日の放火魔事件の犯人が逮捕されました。この事件は火曜日に連続して放火事件が起きるという奇妙な事件で、逮捕された犯人の犯行動機も奇妙なものでした。今回は、この火曜日の放火魔事件について詳しく紹介していきます。

火曜日の放火魔事件の概要

1976年11月16日の火曜日午前3時前、新宿区番衆町(現在の新宿5丁目)のビルで新聞紙が燃えているのが発見され放火事件と断定。さらに近くにあるマンションや路上でも、ポリ容器や段ボール箱が燃やされていました。そのちょうど2週間後にあたる11月30日火曜日に、今度は新宿3丁目にある中華そば屋とビルから火の手が上がります。さらにその1週間後の12月7日火曜日、12月14日、12月21日、翌年1977年の1月4日と放火事件が続きました。

手口はいずれもゴミのポリ容器や段ボール、郵便受けの手紙などにライターで点火するというものでした。この連続放火事件では死者は出ませんでしたが、1月4日の火災では歌舞伎町で7棟が全半焼しています。すべての事件が火曜日に起きていることから、マスコミは「火曜日の放火魔」として大々的に報道。付近の住民たちは恐怖に慄き、各町会では自警団を組織して消防団とともにパトロールなどをおこないました。警察も放火事件としては異例の捜査本部を設置して警戒と捜査にあたりました。

そして、1977(昭和51)年2月1日火曜日の未明、新宿区三光町(現在の新宿5丁目の一部)にあるビルに男が侵入。1階の郵便受けにあった封筒と壁のポスターにライターで火をつけていたところを、張り込んでいた機動隊員が発見します。男は逃走しますが3人の警官に取り押さえられ現行犯逮捕。1975年の春以降、自宅付近での放火を含め約40件の放火を自供しました。

犯人の男と犯行動機

逮捕された男は世田谷区に住む当時31歳で、母親が経営する世田谷の理容店で働く理容師でした。同級生によるとおとなしくて良いやつという印象で、中学卒業後は母親の店を継ぐために理容学校に通い、卒業後は都内の店で修業しました。母親の店で働くようになったのは、事件を起こす10年ほど前だったそうです。理容店の定休日は月曜で男は仕事熱心だったため、毎週月曜日になると新しい技術を習得するために新宿にある専門学校に通っていました。

事件当時は講師を任させられるほどになり、授業が終わると新宿で飲み歩くという習慣が身についていました。そして、火曜日の未明に放火するという習慣も身についていたのです。男が犯行の動機としてあげたのが、生まれつき患っていた蓄膿症でした。普段から頭がムカムカし、放火をすると頭がスッキリしたそうです。また、警察や住民が大騒ぎするのが面白かったなどとも供述しています。

裁判とその後

男には1978年4月に東京地方裁判所でおこなわれた裁判で、住居侵入・現住建造物放火などの罪で懲役10年の判決が言い渡されました。この事件の後、模倣犯が出ました。犯人が逮捕された翌週の火曜日、2月8日に新宿歌舞伎町で連続3件の放火事件が発生したのです。1件目は中華料理店の裏口に積んであった段ボールが燃やされ、2件目は中華料理店から約40m離れたディスコブティックの入り口にあった段ボール。そして、3件目は約20m離れたレストランバー前の路上にあった、ポリバケツのゴミでした。

警察官が路地で歩き回っていた若い男を発見し職務質問したところ、放火を認めて逮捕。世田谷区内の私立中学に通う当時14歳の少年でした。調べに対し中学生は火曜日の放火魔が捕まり、かっこいいと思い自分も世間を騒がせてやりたいなどと供述したそうです。また、同年2月22日にも埼玉県で放火事件が発生し、新宿で起きた連続放火事件を真似たと犯人が供述しました。

まとめ

今回紹介した事件は火曜日に放火事件が起きるという奇妙な事件でしたが、犯人が逮捕されてみると火曜日に起きたという理由は納得できました。しかし、犯行動機などを知ると犯人の身勝手さがわかります。こうした放火事件に巻き込まれないようにするためには自宅付近に燃えやすいものを置かないことや、地域が一丸となってパトロールするなどの対策が必要となります。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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