【世界の未解決事件】アメリカ最大の冤罪事件!サッコ・ヴァンゼッティ事件とは?

サッコ・ヴァンゼッティ事件とは?

アメリカでは実に多くの事件が起こっていますが、中でもサッコ・ヴァンゼッティ事件はアメリカ合衆国の歴史上最も最悪な冤罪事件であり、当時の警察が明確な物的証拠がないにもかかわらず強引に死刑を執行してしまった最大の汚点として知られています。

冤罪事件ということで犯人は他にいるということですが、未だに犯人が捕まっていないということで最終的に歴史上最大の汚点とする未解決事件だと言えるでしょう。そもそも事の発端は1920年のアメリカ、マサチューセッツ州で起こった強盗殺人事件が始まりでした。

正確には1919年に製靴工場の現金輸送車が何者かに襲撃されたことが始まりですが、この強盗事件は失敗に終わっています。そして1920年4月15日、マサチューセッツ州ブレインツリー市で2件目の強盗事件が発生しました。

襲撃されたのは前回とは別の製靴工場で、5人組のギャングが襲撃したことが分かりました。この襲撃により、ギャングは会計部長とその護衛を殺害し、1万6000ドルもの現金が強奪されました。そして翌月の5月5日に、製靴工場で働くイタリアの移民だった二コラ・サッコと漁港商人のバルトロメオ・ヴァンゼッティが強盗殺人事件の容疑者として逮捕されました。

事件の詳細について

事件自体はそう難しいものではありませんでしたが、当時のサッコとヴァンゼッティには事件の証拠がありませんでした。しかし、マサチューセッツ州ボストン郊外のデッダム裁判所はサッコとヴァンゼッティに死刑判決を言い渡しました。

当然二人は無実を主張して抗議を続けましたが、当局側はありもしない証拠の数々を提示したことで一気に劣勢に追い込まれたのです。無理矢理二人を検挙した上に、当時裁判を担当した検事は嘘の目撃者を雇ってまで二人を犯人に仕立て上げました。

当局はなぜ確たる物的証拠もないのに二人に死刑判決を言い渡したのか、それは二人がアナーキストだったからです。当時のアメリカは不景気に見舞われており、労働紛争が熾烈化していました。そこでアメリカは不景気で社会不安になっているのをアナーキストなどの危険分子に擦り付けるといった手段に出ました。

当時サッコとヴァンゼッティは第一次世界大戦の徴兵を拒否しており、ルイジ・ガレアーニ率いるアナーキストグループに所属していたため、以前から当局にマークされていたそうです。第一次世界大戦の徴兵を拒否するために一時的にメキシコに越境していたことも相まって、あらかじめマークされていたとか。

二人がマークされていた理由はそれだけではなく、賃金改正や労働条件改正の労働者のデモ集会に参加していたこと、サッコはデモ集会で盛んに発言していたこと、ヴァンゼッティは漁港商人として働く前に様々な職を転々としており、最後の職場でストライキを敢行して解雇されています。

裁判で二人のアリバイを証言する証人もいましたが、当局は証人がイタリア人だからという理由だけで証言を却下しました。その後で真犯人を知っているといった証言もありましたが、それも全て却下されました。

事件の行方

二人の弁護側は裁判のやり直しの申し立てを行いましたが、それらは全てことごとく却下。1927年4月9日には判決をやり直す抗議の署名活動が行われます。事件が発生してから3ヶ月後には公平さに欠ける審理に対して抗議の声が止まず、ボストンからニューヨーク、アメリカ国内、ヨーロッパ各地など様々な国から抗議が行われたものの、国際的に行われた助命嘆願までも棄却されました。

そして抗議の声もむなしく1927年8月23日、サッコとヴァンゼッティは処刑されてしまいました。この時、留置場には署名活動に参加していた作家までも参加していたようです。

その後、行政側はこの裁判の調査を行い、二人が冤罪であったことを認定したものの、司法側は冤罪を認めていません。そして死刑が執行された50年後の1977年7月19日、マサチューセッツ州知事はこの裁判を偏見と敵意によって真実が捻じ曲げられた致命的な誤りであったと認め、サッコとヴァンゼッティを無実だと公表しました。

州知事は死刑が執行された8月23日をサッコとヴァンゼッティの日と宣言しました。

まとめ

この事件はアメリカだけでなく、世界各国にとってとても考えさせられる裁判だと言えるでしょう。事件の本質を無視して肝心の犯人の捜索をせず、アナーキストというだけで徹底的にアリバイや証言を却下し、犯人に仕立て上げる様相そのものはまさに歴史上最も最悪の汚点と言わざるを得ません。

偏見と独断など様々なマイナス要因によって二人は処刑されてしまいました。これは権力者の言うことを聞かなかったアナーキストに対する見せしめだと言われていますが、今となっては一方的に死刑判決を言い渡しただけのひどい裁判でしかありません。

物事の本質を見失うと、このようなひどいことになるのかもしれません。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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