【世界の未解決事件】遺体のポケットには「終わった」というメモ。身元が一切分からない「タマム・シュッド事件」

タマム・シュッド事件とは?

タマム・シュッド事件とは1948年12月1日、オーストラリア南オーストラリア州アドレードの南、グレネルグのソマートン公園の海岸で身元が一切不明の男性の遺体が発見された事件です。事件の名前となったタマム・シュッドとは遺体のポケットに入っていた紙片に書かれていた、タマム・シュッドという言葉が由来です。

タマム・シュッドとはペルシア語で「終わった・済んだ」という意味がありますが、意味が分かっていても遺体の身元を特定することができず、現在でもオーストラリア史上最も謎が多い事件として広く知られることになりました。

当時のオーストラリアは冷戦期の緊張が高まっていたため、その時期に起こった事件の中で暗号のような遺留品、特定できない毒物、正体不明の被害者など、多くの推理がひっきりなしに飛び交っています。オーストラリア国内はもちろん、男性の身元を特定するために海外でも広く報道されていたのも特徴的です。

男性の身元が特定できない今、誰が男性を殺害したのか、はたまた自殺なのか何も分からないまま未解決事件として有名にもなっています。

事件の詳細について

まず、誰が男性を殺害したのか、それとも自殺したのか判断するためにも身元の特定が急がれました。男性はソマートン公園で発見されたことから、ソマートン・マンと名づけられました。最初に男性を調査したのは、アデレード大学の病理学者であるジョン・バートン・クレランド助教授です。

助教授は男性がイギリス人的な特徴があること、年齢はおよそ40歳~45歳、身体の健康状態は最高だということが分かりました。身長は180cmで赤毛に近い金髪、中距離選手に見られるふくらはぎ上部の筋肉が発達しているのが特徴的だそうです。

そして様々な身体的特徴から、オーストラリアのカウボーイを総称するストックマンである可能性も視野に入れることになりました。また、当時は外出する際に帽子をかぶるのが基本でしたが、ソマートン・マンは帽子を着用しておらず、財布も持っていなかったのです。そして身分証も持っていなかったことから、警察は自殺の線で捜査することにしました。

検死を行った結果、12月1日の午前2時頃に死亡したことが確定しました。さらに検死結果から、ソマートン・マンが最後に食べたご飯は死亡する3,4時間前で、遺体から薬物を検出することはできませんでした。

そして次にソマートン・マンを調査したのは病理学者のドワイヤー博士です。ドワイヤー博士は自然死したとは考えられないとし、死亡する直前に食べていた食事に毒物が仕込まれていたのではないかと考えましたが、遺体から薬物が検出されなかったことから食事に毒物が仕込まれていたとは考えられませんでした。

一部ではソマートン公園でソマートン・マンを目撃したという情報もありましたが、遺体と同一人物なのかどうか結論付けることができなかったそうです。そしてスコットランドヤードも事件の捜査を支援しましたが、結局大きな成果を得ることはできませんでした。

写真や指紋も世界中に広く出回りましたが、誰もソマートン・マンの身元を証明することはできなかったのです。

そして1949年の1月初めから遺体の身元に関する情報が多く寄せられました。63歳の元木こりと断定する動きもありましたが、大体の特徴が合っていながらも遺体と比較して歳を取り過ぎだという点から却下されました。さらに同年の2月初めには8件もの身元の情報がありました。

事件の行方

結局のところ、その後も有力そうな情報がいくつか舞い込んできましたが、いずれも確定的な情報ではありませんでした。例えば遺体の身元がH.C.レイノルズではないかと、2011年に自然人類学者のマチェイ・ヘンネバーグの元に連絡が入りました。

そして2011年10月にレイノルズのIDカードがヘンネバーグに渡った後、ソマートン・マンと比較されました。目や鼻など解剖学的な相似点を見つけましたが、耳の形が非常に似ていたことが気になったそうです。しかもホクロの位置まで一緒だったので、これはついに身元特定かと思われました。

しかし、レイノルズのIDカードは1918年2月28日にアメリカで発行されたものであり、さらに国籍はイギリス、年齢は18歳となっているため、結局身元を証明することはできませんでした。

まとめ

オーストラリア最大の謎であるこの事件は、今現在でも情報提供が呼び掛けられており、身元の特定に全力を注いでいます。最後まで身元が特定されない中、一体ソマートン・マンは誰なのか、推理好きであれば一度は推理してみたい謎多き未解決事件だと言えるでしょう。

ただ、ソマートン・マンが遺体で発見されてから70年以上経っているとなると、身元を特定することは非常に困難を極めるかもしれません。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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