被害者は190人も?悪夢のような事件から考える、男性にも起こりうるレイプドラッグの危険性

レイプドラッグを使った性犯罪被害の危険にさらされているのは、女性だけではありません。男性も十分気をつけなければいけない問題です。

イギリスで起きた悪夢のような事件…

男性もレイプドラッグの被害者になりうる危険性が注目されたのが、2017年にイギリスで起きたレイプ事件です。

加害者は、レインハード・シナガ(36)。インドネシア出身で、勉強のため2007年からイギリスに留学していました。
この事件の加害者が問われた罪は、190名もの男性をレイプし、うち136件を2台のスマホで録画していたということ。録画したデータはDVD250枚分、時には暴力が数時間におよんだケースもあったそうです。捜査する中で被害が発覚した70名については今も身元がわかっていません。

共通している手口はマンチェスターのナイトクラブやバーで、酒によって無防備な単独行動の白人男性をターゲットにしていたということ。家に連れ帰り、レイプドラッグで相手を意識不明にしてから犯行におよんだと見られています。

この時使用したとされるGHBはレイプドラッグとして有名です。無色透明、無味無臭で、鎮静効果のほか大量に服用した場合は陶酔、昏睡、記憶喪失といった作用があるそうです。日本では2001年(H13)に麻薬として規制されています。

事件が発覚したのは、被害者の1人が途中で意識を取り戻し加害者に抵抗、スマートフォンを奪って通報したところからです。その後の裁判では159件で有罪となり、終身刑が言い渡されています。

参考文献:Newsweek(2020年1月7日の記事を参考に作成)

▶︎そもそもレイプドラッグとは?その危険性
大人だけじゃない!?少女も狙われる「睡眠ドラッグ」を使った性犯罪の危険性!

男性の被害は見えにくい

日本でもレイプドラッグの被害が問題になっていますが、男性の性犯罪被害者はどの程度届けられているのでしょうか?

出典:犯罪統計資料(平成30年1~12月分【確定値】 訂正版) 警察庁ホームページ

しかし、こうした数字は氷山の一角ではないか?という説もあります。なぜなら、男性の性犯罪被害者は、自身の性犯罪被害を訴えにくいからです。

「男性が被害者になるわけがない」という偏見

男性の被害者は「男性なのに?」という偏見で見られやすい傾向があります。
先述したイギリスのレインハード・シナガの事件でも、被害者はほとんどが異性愛者で、自分が被害者になる可能性を想定しにくい方がターゲットになっていました。

被害者自身も…
・自分が弱いから被害者になった
・被害にあったのは自分が悪い
・恥ずかしい、屈辱的
・知られたら軽蔑される
・どうせ信じてもらえない
…と考えてしまい、警察の捜査や専門の医療機関、相談窓口で受けられるサポートを逃してしまう方も多いようです。

「被害者=女性」という偏見

レイプドラッグに関する被害の相談窓口に寄せられた事例の中には、男性が女性から被害を受けた事例もあります。
しかし、「加害者=男性」「被害者=女性」というイメージが強いことから、「自分の方が加害者と虚偽の証言をされたら?」「(レイプドラッグを)自ら服用したと言われたら?」と考えてしまうケースもあるようです。

特に男性の場合、交際相手・元交際相手から被害を受けることが多く、「抵抗しなかったのは同意の上だったのでは?と思われる」という理由で被害届を出せなかったケースも報告されています。

性的マイノリティの男性に考えられる危険性

被害を受けた事例の中には、男性の同性愛指向の方など性的マイノリティの方もいらっしゃいます。
そういった方たちは専用のSNSコミュニティ、マッチングサイト、掲示板などで出会いを求めることが多くあるそうです。しかし、そうした出会いはそもそも危険な場合があります。

▶︎ネットを介した出会いに潜む危険とは?
【驚愕】不在中に〇〇まで!アプリで知り合った男性に15万回以上メールした女

レイプドラッグの被害にあわないためには?

レイプドラッグ対策は、「どうしたら飲まないようにできるか」を考えてみましょう。

自ら購入した薬以外は飲まない

過去のレイプドラッグの手口の中には、未成年者に「よくきく頭痛薬だ」といってだます手口もあります。人の手を介した薬は飲まないのがベストです。

オーダーした飲み物は自分で受け取る

飲み会などで店員から自分の手に飲み物が渡るまで、他の人の手を介さないようにしましょう。

席を離れる際はコップを空にしてから

飲み物が残っている状態で席を離れると、その間に薬物を混入されている危険があります。新しい飲み物は帰ってきてからオーダーし、自分の知らない間に新しい飲み物が用意されていた場合は飲むのを避けグラスを変えるようにしましょう。

目の前で注がれたものだけ飲む

個人宅で行われるお食事会の場合など、相手が飲み物を持ってきてくれる際は目の前で注がれたものを飲むようにしましょう。特に文字だけで顔の見えないやり取りの出会いだった場合、相手との信頼関係ができるまでは注意が必要です。

自分の限界以上に飲まない

レイプドラッグは睡眠薬だけでなく、度数の高いお酒で酔いつぶす手口もあります。自分が理性を失わない量以上に飲まないようにしましょう。

まとめ

男性の性犯罪被害は2017年に刑法上で認められたということもあり、まだまだ認知されていないのが現状です。
しかし、体力があり抵抗できる男性はレイプドラッグで無力化されて…という手口が考えられます。まずは、「男性は被害者にならない」という偏見を捨てるところから始めてみませんか?

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Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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