令和は増加傾向?平成31年度~令和元年の性犯罪の認知件数

2019年12月13日、2019年1月~11月の犯罪統計資料が発表されました。
11か月分の暫定値ではありますが、2020年(R2)2月前半に1年分の暫定値、2月中頃に確定値が発表される予定です。

刑法犯全体の数は減少傾向

2015年(H27)と2019年(R1)の1~11月に起こった刑法犯全体の数を比べてみると、2015年に対し2019年はおよそ7割弱まで数を減らしています。
比例して、検挙件数と検挙人員、検挙人員中の少年の数も減少しています。

出典:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ

性犯罪の認知件数は?

刑法犯全体の減少と比例して、強制わいせつの認知件数は2018年に引き続き減少を続けています。
しかし、強制性交等の認知件数は、前年に引き続き増加傾向です。
2018年の11月時点では1,203件でしたが、2019年には1,295件です。
また、検挙人員の方に注目してみると、強制性交等、強制わいせつ共に増加傾向にあるのが不気味です。

出典:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ

出典:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ

都道府県別の認知件数

都道府県別に性犯罪の認知件数を見てみると、大都市圏・大都市圏から交通アクセスのよいエリアで認知件数が多いという結果です。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

11位以下の都道府県まで範囲を広げると、強制性交等は岡山、静岡、京都、群馬、宮城が続いています。
岡山は4位の兵庫と9位の広島の間に位置していますし、静岡は東海道沿い、群馬は東北・関東・中部を結ぶ交通の要です。

強制わいせつの方は広島、京都、宮城、茨城、奈良の順で続いています。
京都は2位の大阪、4位の兵庫から電車1本で行けるアクセスの良さがあり、京都まで行けば15位の奈良まで足を運ぶのも比較的楽になります。
13位の宮城は東北で最も人が集まる大都市圏、14位の茨城も東京とJRでつながっている+千葉・埼玉と隣接している立地です。

被害者の年齢別認知件数

強制性交等

強制性交等の被害者年齢別認知件数に注目してみると、男性に比べて女性の被害者が圧倒的に多く、前年から引き続いている傾向です。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

男性の方は前年よりも減少していますが、19才以下の未成年者に対する被害が最も多い点は気になります。

また、女性被害者についても若年層が狙われているという点は共通しています。
特に13~19才の被害者数が大きく増えていて、20~29才、0~12才といった世代の被害者数も同様です。
若い世代の女性被害者数の増加が、認知件数全体の増加として表れています。

被疑者の世代別検挙人員

被疑者の検挙人員を世代別に見てみると、男性の被疑者が圧倒的に多く少数ながら女性もいるという点で前年と同様です。
世代別の傾向としては、20~40代の被疑者が増えている他、50代以上も若干増加しています。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

強制わいせつ

強制わいせつの統計も同様に見てみると、被害者の認知件数は男女ともに各世代で減少傾向にあります。
ただし、女性60~64才、女性80才以上の世代で被害者数が増加しています。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

強制わいせつの検挙人員を世代別にカウントした統計を見てみると、2018年と比較した全体数は減少しています。
しかし、男性50才以上では各世代でトータル47人増加しているという点、女性49才以下の世代で16名増加している点が特徴です。

強制わいせつに限らず多くの性犯罪の傾向として、被害者にかかる精神的な負担やセカンドレイプを恐れて…など届け出ない場合も考えられます。
強制わいせつの検挙人員が増加傾向にあることから、統計中にカウントされている認知件数が氷山の一角である可能性も否めません。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

街頭での強制わいせつ

また、強制わいせつについては、街頭における強制わいせつの都道府県別認知件数に関する統計もあります。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

注 「街頭」の認知件数は、道路上、駐車(輪)場、都市公園、空き地、公共交通機関等(地下鉄内、新幹線内、その他の列車内、駅、その他の鉄道施設、航空機内、空港、船舶内、海港、バス内)、その他の交通機関(タクシー内、その他の自動車内)及びその他の街頭(地下街地下通路、高速道路)を発生場所とするものとした。
出典:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ

上位10位内にランクインしている顔ぶれはほぼ同じですが、これまでほぼすべてのランキングでトップだった東京が認知件数(総数)で2位の大阪を下回っていること、14位に滋賀が初めてランクインしているのが特徴的です。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

その他特別法

さらに、性暴力、性犯罪と関連性の高い、ストーカー規制法、DV法、売春防止法、児童買春・児童ポルノ法、青少年保護育成条例についても2018年と2019年の検挙件数・検挙人員を比較してみましょう。

参考:犯罪統計資料(対前年同期比較) 警察庁ホームページ を基に作成

児童買春・児童ポルノ法以外は増加傾向にあり、特に顕著なのが青少年保護育成条例を理由とした検挙件数、検挙人員です。
青少年保護育成条例とは有害な書籍、雑誌、映像コンテンツ、インターネット上の情報に関する法令で、未成年者をターゲットにしたリベンジポルノとの関連性もあり、引き続き注視したい統計です。

まとめ

平成・令和にまたがった2019年の、平成31年1月~令和元年12月【暫定値】統計について性犯罪に関する統計に注目してみました。

刑法犯全体の数は減っているものの、細かく注目してみると未成年者や高齢者など弱い立場の被害者が多いこと、強制性交等については認知件数、検挙人員ともに増加傾向であることなど、考察が必要な点も多々あります。

都市部に住んでいる女性や未成年者がいるご家庭、シニア世代のご家族と離れて暮らしている方など、性犯罪被害にあわないために対策する際のヒントになれば嬉しいです。

▶︎性犯罪は減っている?増えている?平成30年度の性犯罪の認知件数

Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

 

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