どこからがDV?何がDV?これは愛情なのかどんな感情なのか…

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。

あなたは自宅で本当にくつろぎ、安らぐことができていますか?

安心できる場所であるはずの自宅。心を許せるパートナー。その基盤があるからこそ、家族としての生活が成り立ちます。ところがそうはいかなくなってしまうことがあるのです。

閉鎖的な空間で横行する家庭内暴力は、心を許せる間柄であるはずのパートナーから繰り返し行われ、生活だけでなく人をも変えてしまいます。

そんなどんな人にも起こりうるDVについてお話していきたいと思います。

DVの定義とは

DV(ドメスティックバイオレンス)とは、配偶者などの親しい間柄の人から行われる暴力行為を言います。

殴る蹴るの身体的暴力だけではありません。精神的にも性的にもパートナーを縛りつけるようなすべての行為が暴力になるのです。そのことは、2001年に施行されたDV防止法にも明記されています。DV防止法は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことです。

配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律です。

被害者が男性の場合もこの法律の対象となりますが、被害者は、多くの場合女性であることから、女性被害者に配慮した内容の前文が置かれています。

引用:配偶者からの暴力防止にかかわる関連法令・制度の概要(内閣府男女共同参画局)

配偶者(夫から妻、妻から夫)だけでなく、離婚後も続く暴力や事実婚のような間柄にも適用されることを知っておいてほしいと思います。

人によっては、DVを家庭内暴力だと思っているために虐待と混同してしまうことがあるようです。ですが、この2つには違いがあります。

DVと虐待との違い

「暴力を働く」という点においては、DVと虐待は混同してしまうことがあります。しかし、この2つには、間柄に違いがあります。

・DV:配偶者や内縁関係など間柄で行われる暴力(暴力で力の関係を作っている)
・虐待:親から子や高齢者に対して行われる暴力(力の関係に上下が存在する)

同じ家族内で行われる暴力であったとしても、DVにはエゴむき出しの甘えが加わって行われていることがわかると思います。しかも、この甘えは、さまざまな暴力行為によって引き起こされるため、本当に怖い思いをしてしまいます。

DVの種類

DVには、6種類の暴力行為があると思っています。それを細かくみていきましょう。

【身体的暴力】

殴る蹴るといった体に傷をつけてしまう暴力です。階段から蹴り落としたりこぶしで殴ったりすることだけではありません。平手打ち物を投げつけるなどのような行為でもDVになります。

しかし、受けている側が「この程度はいつものことだから」と思ってしまうこともあるため、表面化しにくいことがあります。また、体裁を気にするようなパートナーであれば、一見しただけではわからない部分だけを攻撃することもあります。

【精神的暴力】

暴言や中傷するようなことを言った無視し続けたり脅迫したりする行為です。また、殴るふり物を投げつけるようなふりもこれに当たります。

それ以外に、
電話やメール、SNSを使っての嫌がらせ
人前で怒鳴りつける

なども精神的苦痛を感じます。こうした精神的苦痛を与えることは精神的暴力になると思っていいでしょう。

【性的暴力】

性行為の強要暴力的な性行為だけではありません。避妊に協力しないことや性的な本やDVDを強制的に見せることもこれに当たります。

性に関する暴力の場合、人に話すことができないという人が多いです。また、人に知られたくないために証拠に残さないなどのことがあるので、発見が遅れがちです。

パートナーとの性的行為は、お互いが望んでいることが前提ですからそこから外れた行為の強要はすべてが性的暴力だと捉えていいでしょう。

【経済的暴力】

生活費を渡さないことなどのお金に関する面での暴力です。パートナー名義の預金を勝手に使いこんだりパートナー名義で借金したりすることもこれに当たります。

また、仕事を辞めるように強要するような行為も同様です。

お金に関する問題は、相手を生活ごと縛ることになります。そうなれば、パートナー間に上下関係がより一層進み、パートナーを縛りつけ、身動きが取れなくなってしまいます。

【社会的隔離】

パートナーを縛る行為の1つです。友達に合わせないように強要したり、外出を禁止したりすることもあります。

近年では、スマホの着歴やメールSNSのチェックすることもあるようです。パートナーを自分の目の届く自宅しか置かないようにして、社会的に隔離し逃げたりできないようにするために行う人もいます。

最初は軽い束縛が心地よいように思えても、身体的暴力を加えて、外に出られないようにすることもありますので注意しなければなりません。

【子どもを利用した暴力】

子どもを利用してパートナーを従わせようとするものです。子どもを虐待して従わせようとするなどの行為だけではありません。

例えば、
・子どもにパートナーの悪口を吹き込んで言わせる
・子どもにパートナーに暴力をふるっているところを見せる(面前DV)
・子どもに危害を加えることを匂わすなどして強要する

などがあります。

特に、子どもにパートナーの悪口を吹き込んで長い間相手を縛りつけてしまうことがあります。そうなれば、パートナー自身が「家族みんなが言うのだから自分はそうなんだ」と思い込んでしまうので、時間をかけて心が麻痺させ逃げる力を奪ってしまいます。(主に女性被害者)

以上6種類に共通するのは、相手への支配と力のコントロールです。

軽い暴力行為から始まり、徐々に強くなっていきます。そのうちに、感覚や心が麻痺してDVをされていることに気づかなくなってしまうことがあります。しかも、被害者に加害者意識が芽生えてしまうこともあるので気をつけなければなりません。

DVによって起こる「逆転意識」について

被害者なのになぜ加害者意識が生まれてしまうのか。

ここにあるのは、暴力をふるっている側と暴力を受けている側の意識が逆転してしまっていることにあります。

DV加害者の立場となる方が「自分は被害者だ」と思っていることです。しかも、被害者である方は「自分が悪いせいだ」と加害者を意識していることが非常に多いです。

加害者からの「お前が悪い」という言葉を受け入れてしまうところから始まり、加害者も自分で言っているうちにそのように感じてしまいます。

DVは、パートナーを支配する気持ちが強いところから始まります。それを受け入れてしまうことや日々の暴力によって、感じ方が逆転してしまうのです。

このように立場を逆転して意識してしまっていることを『逆転意識』といいます。

DV加害者の特徴

同じ人間なのに「相手を支配したい」と考えて行動に移してしまうDV加害者の特徴を見ていきましょう。

【性格的特徴】

・自信がない(だから支配したいと考える)
・何らかの強い劣等感を持っている(認めてほしい気持ちが強い)
・表面的には優しい(暴力性の一面を隠すのがうまい)
・気分屋な面がある(怒りや不満を抱えている)
・わがまま(自分の思い通りにしたい)

などの傾向がみられます。

【環境的要因】

・子どもの頃に親から虐待を受けていた
・幼児期の愛情不足
・過保護や過干渉

なども関係してきます。

【病気との関係】

・自己愛性パーソナリティ障害(自分は他人と違って特別だと思い込む)
・境界性パーソナリティ障害(愛情の喪失に恐怖を抱く)

など、心の病気が関係していることもあります。

これらのパーソナリティ障害は、環境的要因に挙げたことが原因であることや、大人になってから発症することがわかっています。上記のようなさまざまなことが絡み合って、DV加害者になっていると思われます。

まとめ

今回は、どんなことをされたらDVに当たるのか、どんな関係性か、加害者になりうる人の特徴などを書かせていただきました。DVは、被害者の思考を鈍らせて長い間、苦しめてしまうものです。意識が逆転してしまっていませんでしょうか。

「自分は大丈夫かな」と思い返してみるきっかけになればと思います。

▶︎どんなケアが正しいの?いじめや体罰という名の虐待を受けた子どもの心のケアとは

この記事を書いた人
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桜井 涼
メンタルケア心理士/ライター

新潟県出身の元学習塾講師のメンタルケア心理士。「地球が滅亡しても生きていける」と言われていた自衛官の父からサバイバルや防犯に関するトレーニングを受けて育つ。塾講師時代より子どもの心の動きに興味を持ち、メンタルケア心理士の資格を取得。2009年より文筆家として活動。ストーカー被害に遭ったことをきっかけに、心理学を通して女性や子どもの防犯を呼び掛けている。

Moly.jp編集部

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