【今日の事件簿】視聴率が約90%?当時の誰もが目にした「あさま山荘事件」とは

今から48年前の2月19日、あさま山荘事件が起きました。この事件では警察と犯人との攻防がテレビで生中継され、視聴率が約90%に達したともいわれています。今回はこのあさま山荘事件について紹介していきます。

あさま山荘事件の概要

1972(昭和47)年2月19日、日本新左翼組織連合赤軍のメンバー5人が長野県にある、あさま山荘で当時31歳の管理人の妻を人質にとって立てこもりました。警視庁の機動隊や長野県警察機動隊が人質救出作戦を行いますが難航。10日目の2月28日に部隊が強行突破して人質を救出し、犯人5人を逮捕しました。この事件で民間人1名を含む3人が死亡。報道関係者1名を含む27人が負傷しました。

事件の背景と詳細

事件の背景には連合赤軍の前身である日本共産党(革命左派)神奈川県委員会と共産主義者同盟赤軍派の活動がありました。ちなみに現在の日本共産党とは無関係です。1970年代当時、この両グループはそれぞれ銀行に対する連続強盗事件や銃砲店襲撃事件などを起こし、資金や銃器を入手しながら凶暴な犯行を繰り返し逃走していました。警察に追われていた両グループのメンバーは警察の目を逃れるため群馬県の山岳地帯に「山岳ベース」を構えて連合赤軍を旗揚げします。

ここで共産主義化された革命戦士になるがごとく、幹部たちの指示により心身を鍛える訓練が実施されました。統括と言って仲間内で相手の人格にまで踏み込む自己批判と相互批判が行われたそうです。それらが次第に暴行や絶食なども強要されるようになり、2カ月間の間で12名が死亡(のちの「山岳ベース事件」)しました。これを機に内部崩壊が進み同時に警察も動きだして、赤軍のメンバーはバラバラに逃げます。

この中のメンバーが、あさま山荘事件を起こす5人となります。5人は警察に追われ何度も見つかりながらも銃などで反撃して逃走。2月19日の15時20分ごろ、あさま山荘を見つけます。当時あさま山荘には管理人や宿泊客は外出していて、山荘内には、当時31歳の管理人の妻しか居ませんでした。犯人は妻に騒いだり逃げたりしなければ危害を加えないことを伝え、ここに立てこもることに決めます。しかし、しばらくすると追ってきた警察当局に包囲され、長い戦いが始まるのです。

この事件で最初に犠牲となったのは民間人でした。この民間人は文化人を名乗り人質の身代わりとなることを主張し、2月22日に警察の包囲をすり抜けて玄関先まで行ってしまいます。警察側は民間人のため撃たないように犯人に訴えかけますが、この民間人が機動隊にウインクするなどし、これを見た犯人が不審に思い狙撃。倒れた民間人はすぐに立ち上がり自力で機動隊のところまでいき、意識ははっきりとしていましたが脳内に銃弾が留まっていて、その後容体が悪化し3月1日に死亡しました。

その後、警察関係者2名が被弾して死亡。報道関係者を含む27名が撃たれるなどしてケガを負います。中には顔面に被弾した機動隊員もいたそうです。そして、2月28日の午後6時10分ごろに、ベッドルームの壁に穴を開け28名の機動隊員が突入。犯人を全員逮捕して人質も無事に解放されました。この突入の際にも至近距離から右目に被弾して失明した機動隊員がいたそうです。また、犯人の1人の父親がテレビで報道をみていて、息子が逮捕される直前に自宅のトイレで首を吊って自殺しました。人質へのお詫びと家族への気遣いが書かれた遺書が残っていたそうです。

裁判とその後

この事件の裁判は革命左派が起こした「山岳ベース事件」などの事件も含め、各メンバーが関与した事件全体に対して行われました。あさま山荘事件を起こした犯人5人のうち、1人が死刑判決を受け、1人が無期懲役。逮捕当時19歳だった男には懲役13年が下り、逮捕当時16歳だった少年は中等少年院送致となりました。そして、逮捕後父親が自殺した男は、この事件の後に起きた日本赤軍によるクアラルンプール事件で犯人による開放要求を受け、超法規的措置によって釈放されて国外へ逃亡をしました。

まとめ

今回紹介した事件は48年前に起きた事件ですが昭和の犯罪史に残る事件で、多くの人が1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。事件の内容を知ると銃器を持った組織が大々的に事件を起こすなど、現代では考えられないことが多いかもしれません。しかし、いついかなることが起きるかわかりませんので、防犯意識を高く持ち、自分のできる限りの防犯対策は必要となります。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
河合さん写真
河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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