【今日の事件簿】カッターナイフで何か所も…動機は逆恨み?川崎市中1男子生徒殺害事件

今から5年前の2月20日、川崎市中1男子生徒殺害事件がおきました。この事件は被害者の男子生徒が、当時17歳から18歳の少年3人に暴行を加えられた末にカッターナイフで切りつけられ、川で泳がされて殺害された事件です。今回はこの川崎中1男子生徒殺害事件について詳しく紹介していきます。

川崎市中1男子生徒殺害事件の概要

2015(平成27)年2月20日午前6時15分ごろ、多摩川の河川敷で通行人が男性の遺体を発見し警察に通報。被害者は当時13歳の中学1年生の男子生徒だとわかりました。司法解剖の結果、死因は首を刃物で切りつけられたことによる出血性ショックと判明。警察は殺人・死体遺棄事件として捜査本部を設置し、捜査にあたりました。遺体に着衣が無く、首の後ろから横にかけて鋭利な刃物による切り傷が集中し、顔や腕にも切り傷があったそうです。

現場から数本の結束バンドも見つかり被害者の男子生徒は手足を縛られて激しい暴行の末、殺害されたと考えられました。事件から一週間たった2月27日に事態が動きます。当時18歳の少年Aが母親と弁護士とともに、タクシーで警察に出頭してきたのです。そして、少年Aを逮捕。共犯とされる当時17歳の少年Bを自宅で、同じく当時17歳の少年Cを署内でそれぞれ殺人容疑で逮捕しました。

犯人の少年達と事件の詳細

主犯とされる少年Aはいわゆる暴力的な不良というわけではありませんでした。中学時代まではいじめられるような子で、不良グループのパシリにされ一時期不登校となり、全日制の高校には進学できず定時制高校へ進学したそうです。どこにも居場所がなくデパート内のゲームセンターに入り浸り、ここで同じようないじめられっ子や不登校児を引き連れていました。

川崎駅前などの目立ったゲームセンターは不良グループのたまり場であったため近づけず、デパート内で自分より弱い人間たちを集めて虚勢をはり、威張っていたそうです。共犯となる少年BとCも同じような環境で、皆がゲームとアニメが好きなグループでした。しかし、それぞれが複雑な家庭環境や問題を抱えており、深夜までつるんでアニメやゲームをする金欲しさに万引きしたり寺や神社の賽銭泥棒をしたりしていました。

なぜ同じような境遇の子たちの中で少年Aがリーダー的存在になったかについては、Aは酒癖が極端に悪く酒の酔うと誰であろうと暴力を振るい、恐れられていたそうです。そんなグループと被害者となる男子生徒が出会います。彼も両親が離婚し、5人兄弟に加えて母親の新しい恋人が同棲し始め自分の居場所を求めていた中で、少年Bと出会い一緒に遊ぶようになるのです。

被害者の男子生徒は人付き合いが上手く、他にも自分が通う中学の不良グループなどとも、仲が良かったそうです。そんななか事件のきっかけとなることが起こります。男子生徒を含む少年Aのグループが酒を飲んでいた際に、酒に酔ってAが男子生徒に激しい暴力を振るったのです。その後、Aが男子生徒に謝るなどしたため警察や学校に連絡することはありませんでした。しかし、それを男子生徒の中学の先輩である不良の1人が知ってしまいます。

この不良はAが賽銭泥棒で大金を持っていることも知り、それを巻き上げるために男子生徒への暴力を口実に警察沙汰を起こしました。これによりAは、不良グループに狙われたのは男子生徒が告げ口したせいだと思い、逆恨みします。そして、2月19日の深夜、少年Aは、少年BとCとともに酒を飲んでいた際にBの元へ偶然男子生徒から連絡が入ったのを良い機会だとして、呼び出すのです。

河川敷に男子生徒を呼び出し、少年Aは、始めは殴るだけのつもりでした。しかし、少年Cが自身のカッターナイフを差し出したことで状況は一変。少年Aは虚勢を張り、カッターで男子生徒を切りつけるのです。すると当たり前のようの傷から血が流れ出し、男子生徒の服を汚します。これをみた少年Aは、このまま返したら不良グループに復讐され警察にも捕まると思い殺害を決意。男子生徒を全裸にしてカッターで切りつけます。

しかし、もともと臆病な少年Aはなかなか致命傷になるほどの傷を負わせることはできなく、BやCにカッターを渡して切らせますが誰も殺害することはできませんでした。カッターで殺せないならと男子生徒を2月の冷たい川に入らせ溺死させようとしますが、それも失敗に終わります。男子生徒はいつか解放してもらえることを信じて、すべてに耐えている状態でした。

時間だけが刻一刻と過ぎ、焦った少年Aは覚悟を決めて男子生徒の首をカッターで力一杯切りつけます。そして、Cに足で川辺まで転がさせて男子生徒の衣服などを持ち、立ち去りました。その後衣服などは、近くの公園の公衆トイレで燃やしています。男子生徒はかろうじて息があり、何とか助けを求めて暗闇の中23.5メートル這いますが、力尽きて亡くなりました。

裁判

2016年の2月に少年Aの初公判が開かれ、4日後に結審。その6日後に横浜地方裁判所は少年Aに対し懲役9年以上13年以下の不定期刑を言い渡しました。控訴はおこなわれず刑が確定しています。ちなみに少年Bには懲役4年以上6年6カ月以下の不定期刑を、少年Cには懲役6年以上10年以下の不定期刑が確定しています。

まとめ

今回紹介した事件は中学1年生の男子生徒が少年にカッターで切り刻まれるという、ショッキングな事件でした。こうした事件を防ぐには地域の大人たちが目を光らせ、協力しあうことも必要となってきます。他人の子どもだと思わず、未来あるすべての子どもたちのためにできることをしていきましょう。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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