【今日の事件簿】日本刑事史上まれに見る大量処刑?「二・二六事件」とは

今から84年前の2月26日、二・二六事件が起きました。この事件は皇道派の影響を受けた陸軍青年将校が起こした歴史に残るクーデター未遂事件です。今回は、この二・二六事件について紹介していきます。

二・二六事件の概要

1936(昭和11)年の2月26日の早朝、陸軍内の派閥のひとつである皇道派の影響の受けた一部の青年将校らは、武力を持って元老重臣を殺害すれば天皇親政が実現すると考え決起します。そして、歩兵第1連隊・歩兵第3連隊・近衛歩兵第3連隊・野戦重砲兵第7連隊等の部隊中の一部を指揮して首相官邸や警視庁、内務大臣邸などを占拠しました。そして、当時の大蔵大臣や内閣嘱託・内閣総理大臣秘書官事務取扱、天皇の側近である内大臣など計9名を殺害しました。

そのうえで、陸軍首脳部を経由して昭和天皇に昭和維新を訴えますが、昭和天皇はこれを拒否。天皇は報告を聞いた当初「とうとうやったか。まったく私の不徳の致すところだ」といってしばらく呆然としていたそうです。そして、天皇の意を汲んだ陸軍と政府は彼らを叛乱軍として武力鎮圧を決意し、彼らを包囲して投降を呼びかけます。天皇の意を知った叛乱将校たちは下士官兵を原隊に復帰させて一部は自決。大半の将校は投降しました。

事件の背景

この事件の背景には6年前の金輸出解禁と世界恐慌による深刻な不景気にありました。企業は次々と倒産して街には失業者が溢れ、農村でも農作物の価格が下落。都市部での失業者が農村部に戻ったこともあり農民の生活も苦しくなりました。多くの家で自分の娘を女郎屋に身売りするという事態も起こったそうです。こうした状況にもかかわらず、当時の政党内閣は適切な対応をとらないばかりか、数々の汚職事件を起こす始末でした。さらには不景気のなか巨大な資本を用いて財閥だけが身を肥やす状況を生み、民衆は政党に失望。財閥を憎み満州事変などによって勢力を広げる軍部、特に陸軍に期待するようになります。こうした民衆の支持をもとに軍部や陸軍に所属する青年将校たちが力を持つようになったのです。そして、実際に過激な事件が続発します。当時の陸軍は2つの派閥「統制派」と「皇道派」に分かれていました。統制派は陸軍の中枢の高官が中心で、政府や経済に介入し軍部から政府を変えていこうという考え方で、皇道派は天皇による政治を実現し、そのためには武力行使を辞さないという考え方でした。両派の対立は、一応は統制派が勝利しますが、この事件の約1年前の1935年に皇道派を締めだした統制派のリーダーが、皇道派の中佐に殺害されるという事件が起こり皇道派の勢力が増します。二・二六事件はそんななか起きました。

裁判

事件を起こした叛乱軍の将校は当日に免官となり、その関係者も3月中には全員免官となりました。また、事件に参加した民間人も叛乱の首謀者として逮捕。将校らは法定闘争で世間に訴えるという思惑がありましたが、緊急勅令による非公開かつ1審の特設軍法会議が設けられたため、叶うことはなく裁判はおこなわれます。また、裁判当初将校らは類似事件の五・一五事件のように軽い罪で済むと楽観視していました。しかし、統制派のリーダーを殺害した犯人が処刑されたことを知ると、その楽観視は消え死刑を覚悟したそうです。

そして、7月の判決で17名の将校に死刑判決が下されます。日本刑事史上でも、まれに見る大量処刑となりました。8月の中旬までには判決が下ったすべての人間が処刑され、事件に参加した民間人も処刑されました。

まとめ

今回紹介した事件は歴史的にも有名な事件です。こうした歴史のなかで現在の日本が築き上げられたことを知ると複雑な気持ちにもなります。現代は昔に比べるとこうしたクーデター的なことはほとんど起きませんが、犯罪は数多く起きています。防犯意識を高めて、できる限りの対策をしていきましょう。

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Moly.jp編集部

この記事の監修
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河合成樹
防犯ジャーナリスト/防犯設備士

Moly.jpの運営やAIST:産業技術総合研究所(産総研)との犯罪予測の共同研究や防犯対策の講演活動、メディア出演などを通じて防犯の啓蒙、社会実装に取り組んでいる。公益社団法人日本防犯設備協会認定の防犯設備士(第19-29640号)。出演実績:「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」

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