「また買ってしまった…」買うことに囚われてしまう”買い物依存症”とは

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。

「あれも買おう」「これも欲しい」という感じで、必要のない物でも現金やカードを使ってどんどん購入してしまう『買い物依存症』という言葉を聞いたことはありませんか。

ただの浪費癖として片付けることができない買い物依存症は、精神疾患を併発している可能性があるものです。しかも借金などの金銭的なトラブルを起こしてしまうケースもあるために、見過ごすことのできない依存症と言ってもいいでしょう。

女性に多いと言われている買い物依存症について詳しく紹介したいと思います。

買い物依存症とは

買い物依存症は、「買う」という行動に執着を見せるプロセス依存の1つです。自分の欲しい物を購入するのであればストレス解消になることもあるでしょう。

しかし、買い物依存症は、物に執着を見せることはありません。買った物を人にあげてしまったり自宅に溜め置いてしまったりしています。

買い物をすることで、自分が抱えている何かから解き放たれるような快感があるためにやめることができなくなっている状態です。買うときは高揚感を感じていますが、帰宅し購入した物を見て「また買ってしまった」と後悔の念を抱くようになります。

その状態が続いてしまうと、借金や自己破産といったことになってきます。そうなれば、心身ともに疲れはててしまいます。また、買い物依存症は、うつ病を患っている可能性もあるために、さらに悪化してしまうことがあるので気をつけなければなりません。

現在は、スマホでもネットショッピングが気軽に行えるため、より一層自制心が働かず買い物を続けてしまう傾向にあります。

買う行動に依存してしまっているので、自分の経済力以上の高額商品を買い続けてしまい、借金や自己破産といった状態になるケースも少なくありません。

では、買い物依存症になってしまいがちな人の特徴を見ていきましょう。

【特徴】

・もともと買い物が好き(女性に多い)
・生真面目な性格で責任感が強い
・劣等感を抱いている
・虚栄心(見栄を張りたがる気持ち)が人一倍強い
・人の顔色をうかがう癖がある(自分に自信がない)
・人に甘えるたり本心を見せたりするのが苦手

買い物依存症は、精神的な問題と密接な関係にあります。

イライラや不安感、孤独などのストレスを抱えていると、満たされない気持ちがどんどん大きくなっていきます。それを埋めようとするときに「買い物をする」という行動にハマり、次第に依存していくようになります。

「購入=手に入れる」という部分に高揚感や快楽が生じ、心が満たされるような感覚を覚えてしまう状態です。高価な物ほどその気持ちを感じることができるようです。

買い物依存症はうつ病を発症しやすい

買い物依存症の人の中には、抑うつ状態(気分の落ち込み)や無気力感(やる気が出ない)、不眠などといったうつ病のような症状を持ち合わせていることがあります。

「抑うつ状態を何とかするため」、「気持ちを上げるため」という具合に買い物をすることがあります。(買い物という行動が高揚感を生むため)

しかし、高揚感を味わえるのはその数分~数時間だけで、帰宅後に買った物を見て罪悪感や自己嫌悪に陥ってしまいます。それを繰り返すことでうつ病を発症してしまうことも少なくありません。

味わった高揚感が大きければ大きいほど、その後にやってくる罪悪感や自己嫌悪は大きいもので、その嫌な気持ちをなくすためにまた買い物をするという悪循環に陥るのです。罪悪感などの負の感情が強ければ蝕まれていき、うつ状態を引き起こしてしまいます。

うつ病は、抑うつ状態の他に、強い不安感や「死にたい」と思ってしまうこともあるため、買い物依存症だけに注意を向けるのではなく、その後ろにある心の状態にも目を向けることが必要となってきます。

買うことに執着する心の背景

物を買うことでストレスや虚しい気持ち、寂しさや不安といった心の隙間を埋めようとしています。そこにあるものは、「誰かに必要とされたい」・「認めてほしい」といった承認欲求の他に、自己評価の低さが関係してきます。

原因は1つではなく、幼少期の愛情不足や生活環境、生きにくさなどさまざまなものが交差して起こります。しかし、人間は「自分を守ろう」としますので、自己防衛反応が働くようになります。それが、現実の状態から逃げるために快楽や不安感を取り除いてくれるものに依存する形で現れます。

また、現代はストレスが貯まりやすい社会傾向にあります。趣味やスポーツなどでうまくストレスを解消するなど、コントロールできる人もいますが、みんながみんなうまく処理できるわけではありません。何かを拠り所にしたり、何かに依存したりすることもあります。

買い物依存症の場合は、買い物をすることで得られる高揚感や満足感といった快楽がストレスを軽減させてくれているのは間違いありません。しかし、その後にやってくる自己嫌悪は意外と大きく心に影響してしまうため、さらに落ち込み心の傷を悪化させることになります。

ですから、個々の心の背景にある部分を解きほぐしていく必要があるのです。

買い物依存症は対処と治療で再発させない

買い物依の度合いが軽度の場合のみ、対処法を行うことでよくなることがあります。しかし、根本的な治療をしていかないと、再発する恐れがあります。

買い物依存度が軽度の場合に有効な対処法の例をあげてみました。

・出かける際にクレジットカードを持たない
・買う前に本当に欲しいかどうか自問自答する
・家計簿をつけるなどして買い物にいくら使っているかを数値化する
などがあります。

それでも買ってしまうし、買うことを我慢できないような状態になってしまっているのであれば、心の治療が必要です。買い物依存症は、正式に精神疾患として認められていませが、依存の裏に隠れている抑うつ傾向や満たされない気持ちなどからくる不安や過剰なストレスはサインを出します。それをいち早く見つけ、見逃さないことが大切です。

一時的に症状が改善したとしても、心の奥底にあるものがまた出てくれば、再発することも十分にあり得ます。それを繰り返す可能性も否定できません。

日常生活に支障をきたし、生活が立ち行かなくなってしまえば、本人だけでなく家族も大変なことです。

専門家がカウンセリングを行ってくれるメンタルヘルス科や心療内科、カウンセリングルームなどに受診して心の奥底にあるものが何なのかを聞いてもらう必要があります。

チェックリスト

普通、欲しかった高価な物を買ったら、手にしたことで帰宅してからずっと高揚感や嬉しさは消えないです。買ったことを後悔することはほとんどないでしょう。しかし、買い物依存症の場合は、必ず罪悪感に襲われます。そこが大きな依存しているかどうかの見極めになるはずです。

1.買い物をすると不安感やイライラが軽減する
2.旬のアイテムなどを目にすると欲しくてたまらなくなる
3.買い物をしない日はない(ネットショッピング含む)
4.高価な物でもクレジットカードで購入する
5.店員に良い反応をしてもらえることに快感を覚える
6.仕事中でも買い物をすることを考えてしまう
7.ウィンドウショッピングのつもりでも、最後には何かを必ず買ってしまう
8.必要以上にクレジットカードを持っている
9.買い物をすると高揚感や快感を覚える
10.買った後に後悔することが多い
11.部屋の中は買った物で散らかっている

〇が7つ以上の場合は、買い物依存症に近いと思われます。(特に9番目の質問が「はい」の場合)また、〇が3~6つの場合はちょっとしたきっかけで買い物依存症になってしまう傾向にあると考えていいと思います。

買った後に罪悪感を覚えてしまうような場合は、なるべく早めに心療内科やカウンセリングを受けることをおすすめします。

まとめ

買い物依存症は、正式な精神疾患の病名ではありません。買うことに過剰に反応して快楽を求めてしまい、その代償として自己嫌悪を味わうことを繰り返すことが心の病だと考えています。しかも自分ではやめられない場合は、第三者の力が必要です。

また、うつ病を患うことが多いですから、きちんとした治療をしていくことが治るための近道となります。ただの浪費家なんて思わずに、「買わずにいられないのは何かある」と思って対処法を試したり受診したりすることを考えてほしいと思います。

▶︎食への固執が心身を蝕む。意外と知らない”摂食障害”とその種類について

この記事を書いた人
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桜井 涼
メンタルケア心理士/ライター

新潟県出身の元学習塾講師のメンタルケア心理士。「地球が滅亡しても生きていける」と言われていた自衛官の父からサバイバルや防犯に関するトレーニングを受けて育つ。塾講師時代より子どもの心の動きに興味を持ち、メンタルケア心理士の資格を取得。2009年より文筆家として活動。ストーカー被害に遭ったことをきっかけに、心理学を通して女性や子どもの防犯を呼び掛けている。

Moly.jp編集部

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