コロナウイルスの影響で外出自粛が続き、GWの帰省ができなかったという人も多いのではないでしょうか?例年なら祖父母に会いに行くはずが、今回は連絡もとっていないなんてこともあるかもしれません。
そんな外出自粛ムードの中、在宅を狙った「訪問盗」被害が増えています。
今回は、増加中の訪問盗被害についてその手口と対策をご紹介します。GWに帰省できなかった分、電話などでコミュニケーションを取る際にはぜひ訪問盗についてご家族に注意喚起もしてくださいね。
在宅を狙った窃盗被害が増加中
今年に入ってから特に首都圏で増加しているのが訪問盗です。訪問盗とは、工事関係者などを装って訪問し、堂々と自宅に入って金品を盗み出すという手口を指します。細かい手口は様々ですが、2人以上で訪問し、一人が家主の気を引いているうちにもう一人が部屋を物色して金品を盗むというものです。
狙われやすいのは高齢者
こうした訪問盗のターゲットになりやすいのは「一人暮らしの高齢者」です。
古典的な手法の窃盗ですが、犯罪者たちはコロナ禍の不安に付け込んだもっともらしい理由をつけてきます。情報を入手しにくい高齢者にとってはその場で受けた説明が正しいと思い込んでしまい、被害にあってしまう傾向にあります。
主な手口
訪問盗の主な手口は以下です。もちろんこの他にも色々な手口があるので、あくまでも一例として覚えておいてください。
電気工事
「漏電の可能性がある」などの理由をつけて配電設備を点検するという理由で住居の中に入ります。
主に2人組で訪問し、一人が家主と一緒に配電設備の周りを点検するフリをします。もう一人は「道具を車に忘れた」などと言い、その場を離れます。そして、家の中を物色して金品を盗みます。
首都圏では実際に高齢者が狙われ、財布から十数万円を盗まれる被害が発生しています。
消毒作業
「コロナウイルスの感染防止のため、自治体から依頼を受けて屋内の消毒作業を行っている」などの理由をつけ、住居に侵入します。電気工事のケースと同じく、一人が家主の気を引き、もう一人が金品を盗みます。
訪問盗だけではなく、詐欺も発生している
訪問盗だけではなく、訪問詐欺も発生しています。
こちらもコロナウイルスの不安に付け込んだ被害が発生しているため、注意が必要です。確認されている被害事例は以下です。
水道点検
「水道にコロナウイルスが付着しているため、除菌もしくは水道管の交換が必要だ」といい、そのための費用を請求するという詐欺です。
普通なら騙されないような理由ですが、コロナウイルスへの不安が大きい今は騙される人が増えているようです。
投資勧誘
「新型コロナの影響で金の相場が上がる」などと言って投資をするよう促す詐欺です。
こちらは投資詐欺ということで被害額が大きくなる傾向にあるため、特に注意が必要です。
また、同様の形で偽の慈善団体へ寄付を促すような詐欺も考えられます。善意に付け込んだ詐欺の可能性も考慮し、本当に信頼できる相手なのかどうかはしっかりと確認しなくてはいけません。
被害を防止するために
こうした訪問盗の被害を防止するためには、上記のような窃盗被害が発生していることを知る必要があります。
高齢者を狙った被害が多いため、ご家族への注意喚起と具体的な対策をするようにしてください。すぐにできる対策として、最低でも以下の対策を徹底しましょう。
身分証を提示してもらう
まず、点検作業に来た業者には身分証の提示を求めましょう。正式な業者であれば身分証の提示はしてくれます。また、それでも不安な場合は家族や信頼できる人を呼び、一緒に立ち会ってもらうなどの対策も有効です。少しでも挙動が不自然だと感じたら警察に連絡してください。
金品は隠しておく
外出自粛の影響もあって自宅にいる機会が多いからという理由で、金品を目につく場所に置いておく人も多いと思います。財布などの貴重品はテーブルの上に置いておくのではなく、人目につかない場所に隠す、もしくは肌身離さず持っておくようにしましょう。
お孫さんからの注意喚起も効果的
高齢者をターゲットにした犯罪被害の根本にあるのは、「私は被害に遭わない」という根拠のない自信に付け込まれるケースが多いです。これは、息子や娘の立場から指摘しても効果が薄いもの。それよりもお孫さんが「気をつけてね」と言ってあげた方が効果的だったりします。
お孫さんもこうした犯罪被害について知っておくことは悪いことではありません。ご家庭で訪問者への対応ルールを作り、おじいちゃんおばあちゃんと一緒にルールを確認するといいでしょう。
コロナウイルスの影響でGWに帰省することができなかった皆さんは、これを機に祖父母と電話でコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか?小さなことですが、こうした日々の意識が犯罪被害を防ぐことに繋がります。
いつまで続くか分からない外出自粛期間。人々の不安に付け込んだ犯罪被害には十分に注意して、ご家族で防犯対策をするようにしてください。