日本は安全な国といいますが、外を歩いていれば不審者に遭遇することもあります。
でも、「本当に不審者だと通報していいのかな?」と思って警察に連絡するのを躊躇してしまったことはありませんか?
もし不審者じゃなかったら迷惑かなと思って通報しない人も多いと思います。
本記事では、不審者情報の通報時に知っておいてほしいことを解説していきます。
1.不審者を通報するかどうかは、あなたの主観でOK!
例えば、お子さんと公園で遊んでいる時。
近くでサングラスをかけた不審な男がウロウロしていたら不安になりますよね。
「なんでサングラスをかけているんだろう?」
「平日の昼なのに公園にいるってどういうこと?」
「あの人は子供を狙っているんじゃないか?」
そんな不安が頭をよぎったとき、一応警察に連絡しておいた方がいいのかなと思うかもしれません。しかし、同時に以下のような不安が浮かんでくるでしょう。
「サングラスは目を保護しているだけかもしれない…」
「あの人は平日が休みで、ただ時間を潰しているだけかも…」
「通報したら色々な人に迷惑かな…」
こんな風に思うかもしれません。しかし、あなたが直感で不審者かも!と思ったら、その時点で警察に通報してしまいましょう。
通報するのが遅れたせいで何か事件が発生してしまったら、被害者が出てしまうのはもちろん、あなた自身も通報しなかったことを後悔します。
基本的に、不審者が実際に悪いことをしようとしているかどうかはわかりません。様子がおかしいのは、もしかしたら障害を持っている方かもしれませんし、無意識にそうした行動をしてしまっているだけかもしれません。全ては聞いてみないと分からないのです。
しかし、実際に自分で直接聞くには色々なリスクがあるため、警察にお願いするのです。迷惑かどうかを気にする必要はまったくありません。
2.不審者情報の通報は、警察への迷惑にはならない
怪しい人を見かけて、「不審者かもしれない」という状況で通報すると、警察の迷惑になってしまうのではないだろうかと思う方もいると思います。確実ではない情報を伝えることに気が引けるという方もいるでしょう。
しかし、気にせず通報してしまいましょう。そもそも、警察官の主な仕事は地域の安全管理です。発生した事件を処理するだけでなく、管轄の地域で事件が起きないようにパトロールすることも彼らの役割です。
もちろん警察は事件が起きないように定期的にパトロールをしています。しかし、実際に怪しい人物が出没したかどうかは、地域住民の声を参考にするほかありません。
犯罪者は、警察のいないところで犯罪行為を実行します。「こんな怪しい人がいた」と伝えてもらわない限り、どんな人がいたのか、なにをしていたのかを知る術はありません。通報が頼りです。
そのため、仮に情報提供を受けた相手が不審者ではなかったからといって迷惑になることはありません。
怪しいと思った人がいたら通報して、警察に任せる。これも地域住民ができる協力です。
もし一人で警察に連絡するのが不安なのであれば、別の人に声をかけて別々に通報するのも良いでしょう。
警察としても一人からの情報提供より、複数人から同じような情報提供があった方がより信ぴょう性があると判断し、すぐに対応してくれるでしょう。
3.不審者情報を通報する時に聞かれること
不審者情報を通報する際は、110番にかければ問題ありません。110番をすると、お住まいの都道府県警の本部に繋がります。
電話口で「事件ですか?事故ですか?」と質問されますが、落ち着いて「不審者情報の通報です」と答えましょう。
その後、基本的には以下のことを聞かれます。
- あなたの氏名・職業・住所
- どこが不審なのか
- 不審者がいる場所
- 見かけた時間
- 不審者の特徴(性別・服装・髪型・体型・身長)
この時点で、不安点がいくつか思い浮かぶでしょう。
それぞれ1つずつ解消していきます。
①自分の個人情報は伝えなくても大丈夫
なぜ警察は通報車に個人情報を聞くのでしょうか?
それは、後に調書を作成するために必要になるからです。
とはいえ、通報者の個人情報は警察に伝える義務はありません。
「個人情報は怖いのでお答えしたくありません」と伝えれば、それ以上聞かれることはないので安心してください。
②警察からの質問に全部答えられるか不安
上記でも紹介したとおり、不審者情報の通報にはいくつか質問に答える必要があります。
特に不審者の特徴については、すべて答えられるか不安ですよね。
きちんと答えようと、通報しながらチラチラ不審者を見てしまう方がいます。
しかし、その行為は非常に危険です。絶対にやめましょう。
不審者の特徴(性別・服装・髪型・体型・身長)を簡単にスマホなどでメモに残し、場所を離れてから通報してください。
通報されていることに不審者が気づいた場合、逆上し、ひどい場合は危害を加えられることもあります。
もし、メモに残す前に不審者が姿を消した場合でも、曖昧な点は「わからない」と答えて大丈夫です。
ご自身の安全を第一に考えて行動してください。
③不審者情報を通報した後の対応は?
警察に通報した後は、基本的にはどこに居ても問題ありません。
不審者がいる場所に戻ったり、その場に残っていたりする必要はないです。
ただし、不審者が現れた場所が分かりにくい場合は、案内をしてほしいと警察に言われることがあります。
その場合は警察の指示どおりに動くようにしましょう。
もちろん、時間が無かったり、その場にいるのが怖いと感じた場合は応じなくても大丈夫です。
4.不審者情報を通報する際のQ&A
下記では、それぞれ不審者情報を通報する際に感じる不安や疑問について回答していきます。
Q: 不審者だったかどうか警察は教えてくれるの?
A: 警察が職務質問で知り得た情報はすべて守秘義務に該当する情報です。そこで、警察に「あの人はどんな人なの?」といくら質問をしても、職務質問時に得た情報は1つも教えてくれません。
Q: マンションの近くに居た不審者が消えてしまいました。通報してもよいのでしょうか?
A: 問題ありません。すぐに通報してください。
すでに不審者が消えてしまっていると緊急性がないため、通報しても良いか迷ってしまうことがあります。しかし、警察に通報することによって、しばらく周辺を見回りをするなどの対応をとってくれます。
もちろん最善は不審者がいるタイミングで通報することですが、その場からいなくなった後でも通報が無駄になることはありません。都道府県の警察がSNSで対象地域に警戒を呼びかけるなど、防犯意識を高めることにも繋がります。臆せずに通報するようにしましょう。
あなたの通報が被害を救うことになるかもしれないのです。
Q: 不審者かもしれないと思った時にしてはいけないことはなんですか?
A: 不審者らしき人物に直接声をかけることです。
公園やマンションの入り口に不審者がいた時、絶対にしてはいけないのが、不審者らしき人物に声をかけることです。
一般人が声をかけて相手を怒らせてしまうと、個人間でのトラブルに発展する危険があります。
また、万が一相手が刃物などの凶器を持っていた場合、軽い怪我ではすまない場合もあります。リスク回避のためにも声はかけずに、対応は警察に任せるようにしてください。
Q: 不審者に逆恨みされないか不安です。
A: 守秘義務は守られるため安心してください。
警察が不審者側の個人情報を守るように、私達の情報もすべて守ってくれます。
たとえ相手が悪い人ではなかったとして、「誰かが通報しやがったのか」と怒ったとしても、通報した人に害が及ぶことはありません。
そもそも、警察は通報後よほどの状況でもない限りサイレンを鳴らして来ることはありません。あくまでもパトロールの一環でたまたま見つけましたという状況で職務質問をするのです。
この状況であなたが通報したことを勘付き、相手が逆恨みするという危険はほとんどないでしょう。ただし、1つだけ要注意です。
上記でもお伝えしたとおり、通報する時は不審者から離れ、十分な距離をとってからにしてください。
万が一相手が察したり、周りに不審者の仲間がいた場合は逆恨みされる危険があります。
スマホで相手の特徴などをメモして、相手の視界から外れた安全な場所から通報しましょう。
5.地域の安全を守るために通報を!不審者と通報のまとめ
本記事では、不審者を通報する時の流れや不安点、注意点を紹介してきました。
そのなかでも、特に覚えておいてほしいのは次の3点です。
- 不審者という確証がなくても疑わしいと思えば通報してOK
- 不審者を通報する時はトラブルを避けるためにその場を離れてから通報する
- 不審者に話しかけることは絶対にしない
通報はあくまでも情報提供の1つ。
地域の安全を守るためにも、あなたの主観で不審者かもしれないと思えば通報してかまいません。
「この人なんか怪しいな」と感じたら、警察に相談して良いのです。
勇気のいる行為ではありますが、あなたやその周りの人を守るためにも臆することなく通報するようにしましょう。
執筆者:Moly編集部
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