置き引きとは?犯行の手口や被害に遭った時どうするかを徹底解説!

置き引きは身近に潜む犯罪行為です。
本記事では、置き引きの手口や被害にあった時の疑問について解説していきます。

置き引きとは?

置き引きとは、置いてある他の人の荷物を盗むことを指します。
万引きやスリ、空き巣などと同様に「窃盗罪」で裁かれる犯罪行為です。

置き引きの被害件数は減少傾向にありますが、キャッシュカードやクレジットカードが盗まれた件数のうち、置き引きは約20%を締めます。
また、個人情報からストーカーや空き巣被害に発展するリスクもあるため、十分に注意しなければいけません。

置き引きの犯行手口

置き引きやスリの手口を知ることで、被害に遭うリスクを下げることができます。
下記では、実際に行われた犯行手口を紹介します。

①電車の混雑時を利用し、身体を押し付けながらポケットやカバンに入っている金品類を抜き取る
②ポケットやリュックの布をナイフで切り裂いて、その隙間から金品を抜き取る
③バスの乗車口で目の前に立ちふさがり通路を狭くして、意識が向いているスキに別の犯人が金品を抜き取る
④公共機関内で泥酔や疲労による仮眠時に、ポケットやカバンに入っている金品類を抜き取る
⑤ゲームセンターで熱中している人を分業制で見張りと実行役に分けて財布だけを抜き取る

など、置き引きやスリの手口は非常に多様です。
“私は大丈夫”と安易に考えずに、盗まれて困るモノを持ち歩いている時は、肌身離さずに移動するように心がけましょう。

置き引き犯に科される刑罰は?

置き引きは、「窃盗罪」か「占有離脱物横領罪」のどちらかに該当します。

・窃盗罪:10年以下の懲役または50万円以下の罰金
・占有離脱物横領罪:1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料

科せられる刑からも分かる通り、窃盗のほうが重い罪です。
窃盗と占有離脱物横領罪のどちらに該当するかは、「占有」の有無で判断されます。

占有とは、モノに対する事実上の所有権のことです。
少し難しく感じるかもしれませんが、あなたが持っているモノはすべてあなたに占有権があります。

どちらの刑に該当するかは、置き引きをした財布に占有していた人がいるかどうかで判断するということ。
占有している財布を盗んだ場合は窃盗罪、占有者がいない財布を盗んだ場合は占有離脱物横領罪が適用されます。

占有に関する過去の判例

占有が窃盗罪か占有離脱物横領罪のどちらに該当するかを決めますが、どのような状況で占有の有無が決まるのか。
過去に裁判所で出た過去の判例を紹介します。

■判例で占有が認められたケース

・バスの待合所に荷物を置いたまま200m程度離れて食堂に行った
・公園のベンチに荷物を置き忘れたあとに、27m程度歩いた

■判例で占有が認められなかったケース

・大きなショッピングモールの6階にあるベンチに財布を置き忘れたまま地下1階まで移動した

この場合は、すでに時間が10分程度経っていたこと、被害者が1階まで移動していたことが原因で被害者の占有が否定される結果になりました。
ここからも分かるように、占有の有無は「距離」と「時間」によって判断されますが、明確な基準はありません。

置き引き被害にあった時のポイント

実際に置き引きの被害にあった時には、たくさんの疑問や不安に悩むでしょう。
下記では、置き引きに関する誰もが知りたい情報について、それぞれ簡潔に回答していきます。

①置き引き犯は捕まるの?

被害に遭った際には、犯人がちゃんと逮捕されて財布が戻ってくるのか気になりますよね。
結論から言うと、窃盗は逮捕率が高いとは言えないのが現状です。

2017年の犯罪白書を見てみると、2016年に起きた窃盗数は全体で723,148件。
その中から、検挙された数は208,646件しかありません。

つまり、検挙率は28.85%ということになり、3人に1が逮捕されているという計算になります。
重要犯罪の検挙率は8割を超えているだけに、置き引き犯が逮捕される可能性は高いとはいえないのです。

とはいえ、2019年1月現在は飲食店やゲームセンター、電車内にも防犯カメラが取り付けられるようになりました。
それだけに今後は、防犯カメラの活躍によって、置き引きの逮捕率も上がることが予想されます。

②置き引きによる被害届は提出できないの?

置き引きに気づき、警察署に駆け込み被害届けを出そうとすると、“あなたの財布をいま届けている途中かもしれないから”という理由で、遺失物届けを提出してくださいと言われる可能性があります。
そのため、置き引きは被害届けを提出することができないの?と疑問に思う方も多いはずです。

とはいえ、置き引きは窃盗罪もしくは遺失物横領罪ですから、どちらにせよ被害届けを提出することはできます。
遺失物届けを提出した場合でも、再度警察署に出向き「現状まだ届いていないこと」と「占有権を侵害されていること」を盾に被害届を提出しましょう。

仮に店先に置き忘れていた場合は、店の占有権を侵害していることになります。
お店などの防犯カメラに証拠が残っている場合は、動画を消さないようにお願いしてください。

それでも被害届を受け取ってもらえない場合は、一度弁護士に相談して同行してもらうのがベストです。

③犯人が捕まったら慰謝料の請求はできるの?

置き引きの犯人が捕まった場合、慰謝料を請求することはもちろん可能です。
ただし、注意点が2つあります。

1つ目は、勾留期間に示談金を受け取るのが1番スムーズということ。
被害届けを取り下げる約束をすることで、相手は前科が付かなくなるため、金払いが良くなるのです。

2つ目は、要求しても支払わない場合があるということ。
過去に逮捕歴があるなど、被害届を取り下げても起訴される可能性が高い場合は、こちらの要望に応じない危険があります。

そのさいには、裁判所に訴えて強制執行で支払わせても良いでしょう。
とはいえ、加害者側の経済状況が厳しい場合は、慰謝料を受け取ることができません。

置き引きの加害者は生活に困窮しているケースが多いため、実際に慰謝料を請求できるかどうかは相手の経済状況に委ねるカタチになります。

④置き引きは火災保険が適用されるの?

火災保険の特約に加入している場合、置き引きの被害が補償対象になる場合があります。
ただし、その火災保険に「携行品損害特約」などの項目が含まれていることが絶対条件です。

また、置き忘れが原因だと対象外になるケースがほとんど。
置き引きはあくまでも犯人にのみ過失がありますが、置き忘れによって生じた占有離脱物横領罪は被害者側の過失が発生原因だからです。

どちらにせよ、一度加入している保険会社に問い合わせをして、相談することをおすすめします。

置き引きのまとめ

本記事で紹介した置き引きのポイントは以下のとおりです。

  • 置き引きとは置いてある他人のモノを盗む行為
  • 置き引きによる刑罰は、占有の有無によって「窃盗罪」と「占有離脱物横領罪」に異なる
  • 置き引きの検挙率は3分の1程度しかない
  • 置き引きの被害者は遺失物届けではなく、被害届けを提出することができる
  • 火災保険の特約事項によっては、置き引きの被害も保証対象になる場合がある

置き引きは日常のすぐそこに潜んでいる犯罪行為です。
自分は大丈夫と過信せずに、常に貴重品を持ち歩く際には意識して行動するようにしましょう。

3分の2が泣き寝入りするしかない置き引きだけに、まずは防犯意識を高めることが大切です。

執筆者:Moly編集部

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