自分の持ち物を貸している友人や彼氏から、無断で持っていくと罪に問われるかも!?窃盗罪が成立する条件とは?

先日コンビニのセルフ式コーヒーで、100円コーヒーのカップを購入したが、注いだのは150円のカフェラテだったとして、男性が窃盗の疑いで逮捕されるという事件がありました。
男性は以前にも同様の行動をしていて、店側は警戒していました。男性は店側から問い詰められたとき、ボタンを「押し間違えただけ」と弁明しましたが、警察の取り調べで容疑を認めました。
「ボタンを押し間違える」というのは、誰でもあり得るものです。このような場合でも、罪に問われてしまうのでしょうか。
今回は窃盗罪の成立する条件である「構成要件」についてご紹介します。

窃盗罪とは…

皆さんご存じだと思いますが、窃盗罪とは誰かの物を自分のものにしてしまうこと、もしくは盗むことをいいます。
刑法上、窃盗罪は財産罪というものの一種で、強盗罪や詐欺罪、恐喝罪などと同様の領得罪に分類されます。
窃盗罪は刑法犯のなかでも、もっとも多い認知件数で、平成30年の犯罪白書では655,498件の認知件数があり、全体では71.6%でした。

(平成30年版犯罪白書 刑法犯認知件数の罪名別構成比より)

窃盗罪で逮捕されると以下のような処罰を受けます。
刑法235条 他人の財産を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する
傾向として、懲役刑は3年以下、罰金刑は20~30万円程度の割合が高いです。

窃盗罪として該当するものは
・空き巣
・万引き
・ひったくり
・盗電
・ゴト行為
・一時窃盗

などがあります。

盗電

自宅以外の場所で勝手にコンセントを利用して、スマホやゲーム機等を充電する「盗電」も、立派な犯罪です。刑法245条では、電気を財物として扱う旨を規定しています。飲食店で充電をしたのであれば、一度お店の方に確認してからにしましょう。

ゴト行為

ゴト行為とは、不正な方法でパチンコ等の出玉を獲得する行為のことをいいます。遊技台に不正部品を取り付けたり、持ち込んだ出玉を交換する等さまざまな行為が挙げられます。これらによって玉やメダルを獲得することは窃盗罪にあたるのです。
また、ゴト行為を目的に入店すること自体が、建造物侵入罪に該当してきます。

一時窃盗

一時窃盗は使用窃盗とも呼ばれていて、分かりやすい例として次のような事例が挙げられます。
例:ある予定に遅れそうなAさんは、駅に停めてあった自転車を所有者であるBさんに無断で使用。予定が終わったAさんは、1時間後に元の場所に自転車を戻す。
これは一時的な時間の使用で、他人の物を自分のものにするという意思はないとみなされ、窃盗罪ではなく一時窃盗という罪に処されます。
一時窃盗になるかどうかは、使用内容や時間、行為者の意思などから判断します。大まかな目安として、自動車のような価値の高いものは短時間の使用であっても成立する可能性が高かったり、乗り捨てるという処分行為が認められる場合も窃盗罪が成立する可能性が高くなります。
もちろん、一時的使用が目的でも罪に問われないというわけではないので、気を付けましょう!

窃盗罪の構成要件とは?

さて、今回の記事でメインとなる「窃盗罪の構成要件」を説明していきます。
ここまで、窃盗罪について説明してきました。では、どんな条件に該当すると窃盗罪が成立するのでしょうか?そもそも、「構成要件」とはどんな意味があるのか。わかりやすく説明していきたいと思います。

「構成要件」とは?

犯罪が成立する条件のこと。つまり、窃盗罪が成立する条件のことを指します。
窃盗罪の構成要件は
・盗んだものが他人の占有する財物
・不法領得の意思がある
・窃取する

この3つの条件が挙げられます。これでは言葉が難しいので、もうちょっとわかりやすく説明していきます。

「他人の占有する」とは…

他人が現実に所持・管理している財産のこと

を指します。
刑法242条では以下のように規定しています。
自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
つまり、自分の所有物であっても、他人に貸したり預けたりしている場合、持ち主が預け主に無断で取り戻したり、無理矢理取り戻すと窃盗罪が成立してしまうのです!
意外とやってしまいがちな行動ですが、これだけは皆さん、絶対に覚えておきましょうね。

では、なぜ自分の所有物なのに窃盗罪が成立するのでしょうか。その背景には保護法益という、法律が守ろうとしている利益が関係しています。窃盗罪において、所持自体を保護するという考え方があります。そのため、自分の持ち物でも、他人に貸したり預けていたりする場合、相手に無断で取り返すと窃盗罪に問われるのです。

ちなみに、自分が占有している他人の財物を自分のものにしてしまう行為は「横領罪」、誰も占有していない他人の財物を自分のものにしてしまう行為は「占有離脱物横領罪」になります。

「財物」とは…

財物とは簡単にいえば「財産」のこと。基本的に形のある有体物のことで、個体・液体・気体も財物となります。
例えば、思い出の写真や手紙等、商品的価値はないけれど、本人にとっては価値のあるものも財物にあたります。ただし、情報やデータといったそれ自体は財物にあたりません。例え、機密データをメールで転送したとしても窃盗にはなりません。

「不法領得の意思がある」とは…

これは「自分のものにしようとする意思」のこと、「他人の財物を窃取することを認識している」ことを不法領得の意思があるといいます。
判例では「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従って利用しまたは処分する意思」と定義しています。

「窃取する」とは…

他人の承諾なしに他人の占有を自分や第三者に移してしまうことをいいます。その方法や手段はどのようなものであっても構わないとされています。

以上のことをわかりやすくまとめると…
他人の所有物を、犯罪だと認識して盗む行為は窃盗罪の構成要件にあたる
さらに…
自分の所有物を他人に貸したり預けたりしている場合、相手に無断で取り戻す行為も、窃盗罪になる
ということです!
友人や恋人の間でトラブルが起きないように、ぜひ!覚えておきましょうね。

窃盗罪を問われたら、示談をしましょう!

軽い窃盗事件の場合、被害者と示談を行ない損害賠償をすることで、逮捕や起訴を避ける可能性が高くなります

常習犯の場合は難しいですが、初犯の場合は被害者と示談交渉を行って損害賠償を済ませることで、逮捕後だとしても、その後の刑事手続きが有利に運ぶのです。
この他にも
・窃盗事件の内容が悪質ではなかった
・窃盗による被害金額が高くなかった
・深く反省している
といった情状から、執行猶予がつくかどうかが判断されます。
具体的には、不起訴を獲得したり執行猶予をつけてもらえるといったことです。

まとめ

皆さんご存じの「窃盗罪」にも、意外と知られていなかったことがあったと思います。まさか、自分の所有物であっても他人に貸したり預けたりしている場合、相手に無断で取り戻すと罪になるとは…。トラブルを避けるためにも、ぜひ周りのお友達や恋人にも教えてあげてくださいね。
そして、当たり前ですが、他人の物は無断で盗まない使わないこと!誰だって、自分のものが盗られたり使われたりしたら、嫌ですからね。

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