まるでスマホ上の露出狂! iPhoneの「AirDrop痴漢」対策方法

スマホの露出狂、AirDrop痴漢を防ぐ防犯対策

突然iPhoneに猥褻画像が送りつけられてくる!?

「AirDrop痴漢」という言葉をご存じですか?
突然自分のiPhoneに猥褻画像などが出てくることで、iPhoneを介した痴漢や露出狂のようなものです。
なぜこんなことができてしまうのでしょう。また、どう対策すればいいのでしょうか。

電車や人ごみで発生する新しい痴漢

突然iPhoneにこんな写真が送り付けられてきた! という被害報告がtwitterなどのSNSにたくさん投稿されています。

いきなり男性の下着の画像がiPhoneの画面に表示されたら…

iPhoneにAirDropで突然卑猥な画像が送りつけられてくるエアドロップ痴漢が増えています

twitterより
これは、近くにいるiPhone同士で画像などを共有するための機能「AirDrop(エアドロップ)」を使って、猥褻な画像を相手のiPhone画面に表示させる嫌がらせ行為です。被害を受ける人が増えたこともあり、AirDrop痴漢という言葉も生まれるほどになりました。

写真だけでなく、WEBサイトのURLなども共有することができるので、卑猥なサイトやチャットに突然招待されることもあるようです。

エアドロップはURLなども共有できるので、AirDrop痴漢では猥褻なサイトに誘導されることもあります。

twitterより
もちろん自動的に共有されてしまうわけではなく、辞退することもできます。しかし、それでも最初に不愉快な写真などが表示されることは防げません。
間違って許可してしまったら、その画像が自分のiPhoneに保存される、なんていうことにもなってしまいます。

本来は便利な機能AirDrop(エアドロップ)

AirDropは、iPhoneやMacなど、アップルのコンピュータの機能のひとつです。wifiやbluethoothを使って、近くにある他のアップル製品と、写真やビデオなどを共有することができます。
LINEで送ると画像のサイズが小さくなったり、解像度が落ちてしまったりしますが、AirDropなら綺麗なままで遅れます。メールよりも早く簡単に操作できますし、bluethoothを使ってデータを直接やりとりするので通信費もかかりません。
友達と一緒に撮った写真を渡したり、自分のiPhoneで撮った写真をMacに送ったり、非常に便利な機能です。

共有したい写真と、共有したい人を選ぶだけの簡単な操作です。
iPhoneの共有機能AirDropの使い方

apple公式サイトより
受け取った人は、その写真を受け取るか拒否するか選択します。
iPhoneの共有機能AirDropの使い方

apple公式サイトより
操作はこれだけで写真を共有することができます。
このように、本来は非常に便利なAirDropなのですが、それを悪用して嫌がらせに使う人が現れてしまったのです。

AirDrop痴漢は迷惑防止条例違反になります

なぜこのようなことをする人がいるのでしょう。
それは、迷惑メールなどと違いAirDropでは画像を送り付けた相手が近くにいるので、その相手の反応を見ることができるからです。
嫌がるしぐさ、恥ずかしがる様子が見たいという、露出狂と同じ目的で犯行に及んでいるようです。

もちろん、AirDrop痴漢も犯罪になります。
今年6月には、電車内で近くにいた女性に猥褻な画像を送信した男性が、大阪府の迷惑防止条例違反の疑いで書類送検されています。
「AirDropを悪用 他人にわいせつ画像を送った会社員を書類送検」livedoor news

どうすればいい? AirDrop痴漢対策

AirDrop痴漢は一方的に猥褻な写真などを見せられる上に相手の特定も難しいので、できれば被害を受けるまえに未然に防ぎたいものです。どうすれば良いのでしょうか。

使わないときは受信拒否設定にする

基本的には、使わない時には受信しない、という設定にしておくのが確実です。受信しない設定になっていれば、勝手に他人のiPhoneに送信先として表示されることはありません。
友人と写真を共有するなど、AirDropを使う時だけ受信する設定にしましょう。

AirDropの設定は、iPhoneの「設定」→「一般」→「AirDrop」と選択していけば変更できます。

iPhoneでのAirDropの受信しない設定のしかた

「受信しない」を選択しておきます。

「連絡先のみ」という設定も可能です。この場合は、連絡先アプリに登録されている人からの共有しか受け付けません。
(ただし、この設定を使うにはiCloudの使用もONにしておく必要があります)

iPhoneの名前に本名が入っているのは危険

また、iPhoneの名前に自分の本名が入っていないかも確認しましょう。
最初にユーザー登録をしたときに入力する自分の名前が、そのままiPhoneの名前として使われて「○○のiPhone」となっている場合があります。特にこれが女性の名前になっているとAirDrop痴漢に狙われやすいので変更するのをおすすめします。
本名が書かれているIDカードを首からかけたままで出かけてしまうようなもので、個人情報保護の観点からも良くありません。

iPhoneの名前は、「設定」→「一般」→「情報」→「名前」で変更できます。

iPhoneの表示される名前の変更方法

自宅のwifiやパソコンも要確認!

このような被害を受ける可能性や、個人情報を知られてしまう可能性は、実はiPhoneなどのアップル製品やAirDropだけに限ったことではありません。他にも注意しなければならないものがあります。

wifi、パソコン、登録名を確認

wifiやパソコンも、最初の設定のときに入力したユーザー名が自動的に使われて、他の人にも見えてしまうことがあります。パソコンの名前、wifiの設定名に自分の本名が入っていないか確認してみましょう。

街なかでつながるwifiの一覧を見ると、wifiの設定名がたくさん出てきます。これに本名が使われていると、ちょっと心配になりますね。

iPhoneに表示される受信されているwifi名

これは携帯電話やポータブルwifiに限りません。自宅で使っているパソコンやwifiでも同じです。

電波は意外と遠くまで届いています

自宅のパソコンやwifiの登録名にも、自分の本名が入っていないか要注意です。wifiルーターの性能にも寄りますが、電波は思ったよりも遠くまで届いています。マンションならば隣の部屋や上の階の人はもちろんのこと、自宅の前の通りにも届いていることがあります。
そんな範囲に本名を公開してしまうのはちょっと危険です。自宅ですと本人の特定もしやすいので、特に注意したほうが良いでしょう。

AirDrop痴漢対策も個人情報漏洩対策も機能の理解から

iPhoneをはじめとするスマートフォンやパソコンなどは、どんどん進化して新しい機能が追加されていきます。とても便利で普段の生活には役立つのですが、AirDrop痴漢のように、悪意を持った人が犯罪に使ってしまうことも起こりえます。
また、iPhoneなどは使い方も簡単になっていて、設定なども自動ですんでしまい、実際にどのような設定になっているか詳細は理解しないまま使っていたりもします。
思わぬ被害を受けないよう、防犯対策という意味でも、新しいものや機能を使い始めるときには、どのような仕組みでどのような設定になっているか、確認するようにしましょう。

 

執筆者:小林 稔