恋人同士の何気ない口約束に潜む、デートDVへの前兆

みなさん、友達や恋人から連絡が着たら、どのくらいの早さで返信をしていますか?昔は、やり取りは電話やショートメールが主流でしたが、最近は「LINE」や「SNSのDM(ダイレクトメール)」が多いかと思います。電話は相手の時間を気にして連絡を取らなければいけませんが、LINEなどは相手の時間を気にせずに送れるといった利便性があります。

冒頭の質問に戻りますが、上記の手段で送られてくる連絡にはどのくらいの早さで返信をしていますか?または、どのくらい相手の返信を待つことができますか?
相手の時間を気にせず送れる連絡方法であれば、相手も好きな時間に返信していいのではないかと私は思います。もちろん、とんでもなく緊急な連絡であれば、早く返信も欲しいですし、返信の催促もすると思います。

しかし、たまに「連絡は〇分以内に返信をしないといけないの」というような声を耳にします。例えば、「彼女から連絡が送られて来たら、10分以内に返信をしないとダメなんだよね」や「連絡先に男子が入っていると怒られる」といった話が恋人同士ではしばしば出ます。はじめは、相手が自分を好いているが故の行動だと思うでしょう。しかし、それがエスカレートすると「デートDV」になってしまう可能性があるのです。

今日は子どもたちが知らないうちに巻き込まれている「デートDV」についての記事をご紹介します。

withnewsによると、

「デートDV」の実態 「LINEの返信早くしてね」そんな会話が…

「LINEの返信早くしてね」。そんな何げない会話から始まることがあるのが「デートDV」です。SNSで中高生の悩みに向き合ってきた医師や、電話相談をするNPOには、多くの相談が寄せられます。深刻な悩みからわかったのは、学校教育ではすくい上げることが難しい悩みがあるようです。「生活のしんどさ」、「寂しさ」……。若者の相談に向き合う人たちの話を聞きながら、被害者と加害者が入れ替わることがある「デートDV」の深刻さについて考えてみました。(朝日新聞記者・岩崎賢一)

みんなの前ではけないけど……
 岡山市でウィメンズクリニック・かみむらの院長をしている産婦人科医、上村茂仁さんのところには、毎日、20人ほどから相談専用のSNSにメッセージが届いています。

性教育について中学・高校などで年間90回ほど講演する上村さんですが、なぜ、無料でネット相談をするのでしょう? 中高生は何について悩んでいるのでしょうか? 気になり岡山を訪ねました。

相談は、講演や口コミ、SNSで知った人たちが送ってくるそうです。ネットで無料相談をする理由について、上村さんは次のように話します。

「講演では質問できず、追加で質問をしたい子もいますからね」

LINEで舞いんだ相
 「生理が止まっているけど、どうなんでしょうか?」
「性病かもしれない・・・」
「性欲が抑えられない」
「コンドームなしでセックスしてしまいました」
「精神的にしんどい」
「援助交際をやめられない」
「彼氏からDVあるんだけど・・・」

こんな相談が日夜舞い込んできています。おおむね、50通届いたら40通程度は病気に関する質問で、また3通程度は長文が寄せられているといいます。

感想文にめられた
 上村さんがインターネットを活用して相談を始めたのは、18年ほど前。

高校の養護教諭をしている患者から「学校の生徒に、現状を話してくれませんか」と頼まれたことがきっかけでした。

講演後に寄せられた感想文を読むと、その中に質問が紛れ込んでいることが気になったそうです。

「知識は、子どもの行動を変えることになりません。好き嫌いや寂しいといった行動因子が影響しています。知識だけでは対応できない子もいるんです」

する子は男女半々
 最初は、電子メールのアドレスを公開して始めました。

当時は、「Yahoo知恵袋」のような匿名で不特定多数の人に質問できるメディアが発達していませんでした。行政機関のパンフレットにもアドレスが掲載されたことがあり、多い時で1日500通、1日平均100通のメールが舞い込んでいたそうです。

「休みなく、返信をしていました」

昨年からはLINEで、そして最近はtwitterを窓口にして掲示板で相談に答えています。相談してくる人は、女性と男性が半々だそうです。

最近多い「生活がしんどい」
  上村さんがLINEで相談に答えていた今夏までの質問をみると、特徴があったそうです。

「男子は、『性病かもしれない』など、ストレートな質問が目立ちます。女子も最初は、生理不順や『妊娠したかもしれない』といった体に関する悩みが多かったのですが、最近はデートDVが疑われるような、個人的な生活のしんどさを訴えてくる相談が増えてきました」

性病の質問なら泌尿器科の受診をすすめるメッセージを送れば、いったんやりとりが切れたといいます。

しかし、「個人的な生活のしんどさ」が含まれている場合は、ケアが必要になると考えられ、継続的なやりとりになるケースがあるといいます。

もしかしてデDVかも
 そんな「個人的な生活のしんどさ」とは、何でしょうか?

例えば、男女が付き合っていると当たり前のようにある、やきもちや束縛。拒否すると相手が離れていってしまうかもしれないと不安に思うことがあります。

また、スマホのSNSをチェックしたがったり、別れようとすると「死んじゃう」と言われたりする人もいるでしょう。

上村さんはこうアドバイスします。

「一方がしんどくなったり、生活が抑制されたり、学校の勉強や部活に支障がでてきたりといったような状況になったら、それはデートDVになるかもしれませんね」

もちろん、これは男性から女性に対してだけではないと言います。

「デートDVは、加害者と被害者が入れ替わることがあります」と上村さんは警告しています。

「依存する気持ちが強い子、寂しさが強い子は、DVの加害者、加害者のどちらにもなりやすいです」

だからこそ、若い世代のデートDVを防ぐには、「子どもが寂しくない環境を、大人たちは整備する必要があります」と指摘しています。

神奈川では電話
 恋人によるデートDVについては、横浜にある認定NPO法人エンパワメントかながわも、2004年から予防プログラムづくりなどの活動をしています。

理事長の阿部真紀さんによると、デートDVには5つの種類があるそうです。

・身体的暴力
・行動制限
・精神的暴力
・経済的暴力
・性的暴力

エンパワメントかながわでは、「デートDV110番」(0120・51・4477)というフリーダイヤルによる電話相談をしています。毎週火曜日の午後6時から午後9時と土曜日の午後2時から午後6時に、専門の相談員が受け付けています。

2010年12月25日から始まり、2016年3月31日までのデータを分析すると、約5年間に722件の相談が寄せられ、1件当たりの平均通話時間は36.88分でした。

相談のうち、77%が女性デートDVでした。また、相談者の84%は女性から。

男性のデートDVは相談につながりにくいという面があるのかもしれないといいます。

聞き取りで分かった暴力の内容では、「精神的暴力」「行動制限」「身体的暴力」が、「性的暴力」「経済的暴力」に比べて多くなっているのが特徴です。

「でも好きなんです」からけ出せない
 デートDVは、優しく接することも繰り返しながら暴力がエスカレートしていきます。典型的なデートDVの流れをまとめると、次のようになります。

付き合い始めた頃の恋人は、誰もがうきうきしていて楽しい。

「約束しようね」
「LINEの返信早くしてね」

こんな何げない会話から始まるそうです。

「他の異性と遊びに行かないでね」

これは、行動制限にもつながっていきます。そんな何げない約束事が、だんだん息苦しくなっていきます。

その時、こんなメッセージが来たらどうでしょうか。

「なんで返信できなかったの?」

たぶん、「心配かけたね。ごめんね」と恋人に返す人が多いでしょう。

ただ、エスカレートしていくことがあります。その結果、知らず知らずに相手の顔色をうかがうようになってしまっている自分がいます。そこに、殴る、ける、首を絞めるといったことが加わっていきます。

阿部さんはこう言います。

「本当にけがをしたり、あざがあったりしても、『でも好きなんです』『相手を変えることができるのは自分だけ』『自分が悪いから仕方がない』といって、別れることができなくなってきています」

「大切に思っている」人が他にもいる
 阿部さんは「こうしなさいとは一切いいません。別れるにも、まずは自分で決める力を取り戻すようにしています」と言います。

安全が気になる場合は、警察を含め、対処法をアドバイスしているそうです。

何よりも両親や親しい友だちが、根気よく「あなたを大切に思っているよ」と伝え続けていくことが大切だといいます。

出典:withnews

いかがでしたか?

上記の記事は子どもたちの間で起きていますが、この「デートDV」は大人の間でもあります。「デートDV」はある程度対処力がある大人でも心が疲弊します。それが子どもたちの間でも起きていると考えると、どれだけ苦しいかは想像に難くないです。

「相手は自分のことが好きだから」や「この人は私じゃないとダメなんだ」など、自分がしんどくなっていると自覚していても、どうしていいかわからず堂々巡りをしてしまう…。また、このようなデリケートな問題は誰に相談をするべきなのかも悩みます。

ですので、もし自分の家族や友達の様子がちょっとおかしいなと気づいたら、少しでもいいので踏み込んでみてほしいです。ずかずかと入ったり、いきなり悩んでいる人の相手を否定するのではなく、寄り添って話を聞いてあげましょう。

もし、それでも相談をしづらそうだったら、自分ではない他の相談機関があるということを伝えてあげてください。本来、恋人や友人は楽しさであったり、安心感を得られる存在であるはずです。その中にしんどさが生まれてしまわないように、大切な人を見守ってほしいです。

 

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