小学生による性的暴行はどう扱われるべきか?被害者と加害者のケアについて

2018年11月28日

日本では、14歳未満は罰を受けない

皆さんもご存知かと思いますが、日本では刑法は14歳以上から適用されます。そのため、14歳未満の児童には刑事責任能力が問われることはなく、逮捕されることも罰を受けることもありません。

善悪の判断がまだつかない年齢ということでこのように分けられているのですが、今回はイギリスの小学生が引き起こしたショッキングなニュースから、小学生による事件の扱い方を考えてみたいと思います。

BBC NEWS JAPANに以下の記事が掲載されていました。

6歳少女に小学生男子が性的暴行、地元議会が補償金支払う 英

在学していた小学校内の遊び場で、複数の小学生男子から性的暴行を受けた当時6歳の少女の両親が21日、地元議会から補償金の支払いを受けた。

この議会は性的暴行に対する責任は認めなかったものの、数万ポンドの補償金を支払った。具体的な金額は非公表。BBCの調べでは、小学生児童が関与した性的暴行について英国の高等法院が補償金の支払いを認めたのは今回が初めてで、判例となる可能性がある。

BBC NEWS JAPANより引用。続きはこちらからお読みください。

この記事では、小学生男児の性的暴行に関する責任は認めなかったものの、地元議会が賠償金を支払ったと記載されています。続きを読むと、加害者児童の支援対策は取られたのにも関わらず、被害者である小学生女児の支援は何もなかったとのことです。

慎重さが求められる、被害児童のケア

小学生が引き起こした事件の場合、センセーショナルな報道も重なり、加害児童に対するケアが優先されてしまい、被害に遭った児童のケアが遅れてしまう傾向にあります。さらに、警察や医療従事者も被害者の抱えるトラウマに対する理解が乏しいため、多くの場合は二次被害につながってしまう現実があります。まだ自分の意見をうまくまとめられない年齢ということもあり、大人が問いかけることで気持ちを理解する必要がありますが、専門家でない限りはどうしても慎重さに欠けてしまうことがあるようです。

また、小学生のうちに性被害に遭った経験のある人は、同様の被害に遭いやすくなることが報告されています(トラウマの再演とよばれます)。これは性暴力被害の痛みを忘れるために解離性同一性障害や境界性パーソナリティ障害になる人が多く、心と身体が別々に反応してしまうことがあるからと考えられています。つまり、同様の被害に遭いそうになった時、心は激しく拒絶しているのに恐怖心から身体が加害者の言うことに服従していくため、結果的に拒否できないという状況に陥ってしまうのです。このような状況を生まないためにも、周囲の大人が中心となって被害児童のケアを優先し、適切なカウンセリング治療を受けることのできる環境づくりが非常に大切になってきます。

加害児童の更生に関して

一方で、加害児童のケアについては事件の凶悪さにもよりますが、小学生の場合は一般的には補導され、保護観察処分や児童自立支援施設などに送致されることになります。必ずしも施設に送致されるというわけではないため、被害者と同じ学校にとどまるケースもあります。施設に入れば更生プログラムを受けることになりますが、そうでない限りは特に強制力のあるケアはありません。両親を中心として、周囲の大人たちが更生のための道を用意してあげる必要があります。このことから、加害児童へのケアにも多くの支援が必要になるのは間違いないでしょう。

多くの人を救うために、私たちにできること

第三者としてニュースに対峙する私たちが気をつけるべきことは、「必要以上に情報を深追いしないこと」だと思います。

SNSが発達したこのご時世、小学校のいじめのニュースが拡散されるスピードも非常に早くなっています。また、報道では伏せられていた加害者の本名なども平気で流出してしまうため、加害児童の更生を阻害する危険もあります。ひどいことをしたのだから当然の報いだと思う方もいらっしゃるでしょうが、身勝手に更生の機会を奪うことは何の解決にもなりません。そのような情報を拡散するより、「全国被害者支援ネットワーク」「いのちの電話」について拡散することで、潜在的な被害者が相談しやすい環境を整えていくようにしましょう。

まとめ

今回取り上げた記事のような性的な被害の場合、加害児童のケアと同様に被害児童へのケアをより充実させるためには、周囲の大人が被害後のトラウマや精神的な障害についてしっかりと理解する必要があります。また、第三者としてニュースを見聞きする私たちは、事件の詳細を追うよりも、被害を言い出せずにいる児童が安心して打ち明けることができるような環境づくりを心がけましょう。

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