ストーカー被害を受けたらどこに相談すればよい?

ストーカー規制法が制定されて以来、ストーカー被害者が警察など関係機関に相談できるシステムができています。

ストーカー被害とはどのような被害で、どこに相談できるのか、どういった手順を踏むのか調べてみました。

ストーカー行為等の規制等に関する法律

通称ストーカー規制法とも呼ばれるこの法律は、ストーカー行為に関して、必要な規制を行い処罰するとともに、ストーカー行為をされた方に対する援助措置を定めることで、身体的な危害や名誉棄損といった被害の発生を防止し、「国民の生活の安全と平穏に資することを目的」として制定されました。

2013年に改正された際に、「ストーカー行為等の規制等の在り方を検討するための協議会の設置」が促され、2014年には、有識者検討会による報告書がまとめられました。その報告を受けて、

2016年12月に国会で改正法が成立、2017年6月から施行されています。

ストーカー規制法に規定されているストーカー行為

ストーカー規制法では、恋愛感情や好意が満たされない相手に対する怨恨の感情を満たすために、相手や家族におこなう行為を「つきまとい等」と規定しています。

規定された行為を、同じ人に対して繰り返しておこなうことを、「ストーカー行為」とし、禁止しています。

「つきまとい等」に規定されている行為は、8つあります。

①つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき等(第2条第1項第1号)

尾行したり、勤め先や学校の近くで見張っていたり、待ち伏せしたり、押しかけたりする行為。家の近くをうろつくこと

②監視していると告げる行為(第2条第1項第2号)

何をしていたか、どんな服装をしていたかなどを電話や電子メールなどで告げる、監視しているという、掲示板などにこういった内容の書き込みをするといった行為

③面会や交際の要求(第2条第1項第3号)

復縁や面会、交際、贈り物の強要

④乱暴な言動(第2条第1項第4号)

大声でののしられたり、粗暴な内容のメールを送ったり、家の前で騒音を立てたりする行為

⑤無言電話、拒否後も連続して電話やメール、ファックス、SNSの書き込みを続けること(第2条第1項第5号)

自宅や携帯電話、会社などに無言電話をかけてくる、拒否しても電話をかけ続ける、あるいはメッセージなどを送信し続ける、ブログに書き込みをするといった行為

⑥汚物等の送付(第2条第1項第6号)

動物の死体や汚物など、不快感や嫌悪感を与えるものを送り付ける行為

⑦名誉を傷つける(第2条第1項第7号)

中傷したり名誉を傷つける内容を言ったりメールに書いたりする行為

⑧性的羞恥心の侵害(第2条第1項第8号)

わいせつな写真を送る、卑猥な言葉の電話やメールを送りつける行為

情報提供も禁止

2011年11月に逗子市で起きたストーカー殺人は、被害者の現住所を加害者が割り出して、引っ越し先に押しかけて殺してしまったという痛ましい事件でした。

加害者のストーカー行為から逃げるために被害者は引っ越していたにも関わらず、加害者が依頼した調査会社から調査を請け負った探偵に、市役所の職員は被害者の現住所を伝えてしまいました。

被害者の夫に訴えられた逗子市は、責任を認め、賠償金を支払いました。

この事件と同様に、市役所などの関係機関からの情報漏洩によってストーカー被害が起きてしまった事例も受けて、改正後のストーカー規制法では、第7条で、ストーカー行為をする恐れがあることを知りながら、ストーカー行為者が必要とする情報を提供することも禁止されています。

ストーカー行為をした場合

ストーカー行為をしたものに対しては、被害者の申し出に応じて「警告」、「禁止」、「教示」などの措置が取られます。処罰を求めた場合、罰則規定もあります。

ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(第18条)

禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(第19条)

禁止命令等に違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金(第20条)

ストーカー行為の被害に遭ったら?

警察署では、ストーカー被害者を守ることを最優先して、相談を受け付けています。

ストーカー規制法に規定されているような被害に遭った場合には、即、最寄りの警察署に相談しましょう。

2017年度に警察に相談した被害件数は、22549件あります。相談内容に応じて、また、受けている被害状況や被害者の申し出に従って、警察は、警察本部長名で警告を出す、禁止命令を出す、援助、といった措置をとります。

危害を加えられる恐れがある場合や、緊急事態で被害者たちの安全を確保するために避難する必要がある場合、ホテルなどの宿泊施設を利用する費用は公費で負担することになっています。

また、避難先や引っ越し先の住所などの情報が漏れないようにもしてもらえます。避難先や引っ越し先についても、警察に相談することができます。

ストーカー加害者が、ストーカー行為をしなくなることが被害をなくす近道なので、被害者は、加害者への「教示」を求めることもできます。

警察は、ストーカー加害者に対する精神医学及び心理学的なアプローチに関する調査研究を実施してきました。

この結果を受けて、警察は、加害者に、カウンセリングや治療の必要性を教示し、地域の精神科医療機関等と連携しながら、受診を進めています。

「つきまとい等」の行為を繰り返すストーカー事件は、改正ストーカー法施行後は、親告罪ではなくなりました。

ストーカー事件は、加害者の状況次第で事態が急速に激化することがあります。そのため、改正ストーカー規制法では、警察が、加害者に対して迅速な行政・検挙措置をとれるようにしてあります。

京都府警のように、ストーカー事件に特化した支援センターを設置しているところもあります。

京都ストーカー相談支援センターは、被害者本人だけでなく、友人や親、関係機関や学校の先生からの相談も受け付けています。加害者の治療にも積極的にかかわっています。

参考サイト
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/higai/dv/kiseho.html
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h29/honbun/html/tt200000.html
https://toyokeizai.net/articles/-/205959
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/dv.html

 

執筆者:Moly編集部